概要
独特の世界観を持った作品なので小ネタを知っておくとより楽しめる。
ネタバレも含まれるため閲覧は要注意。
ア
Atlas / Atlas Academy/アトラス / アトラス・アカデミー
レムナントに存在する4王国の1つであり、同国が擁するハンター養成学校。レムナント北端の極寒の大陸ソリタスに存在する。国章は地殻を貫く槍。
4王国の中では最も新しい国で、元々80年前の戦争以前はソリタスの地にはマントル(Mantle)という王国が存在した。
ソリタスの極寒の環境はグリムに対する防御には有効であったが、人類にとっても苛酷な環境であった。そのためソリタスの開拓者たちは生き延びるために試行錯誤を重ね、その結果世界一早くダストの運用を含む科学技術を発展させていった。
80年前の戦争が拍車となり科学技術はさらに発展し、武器の力やダストの新しい応用法によってマントルの領土はさらに拡大、ダストの採掘・研究用の土地も増加していった。
特に王国の戦闘訓練校アルシウス(Alsius / ラテン語で「寒さ」を表す)近隣の地域が研究開発施設の建設に最も都合が良く、アルシウスは戦争終結後にアトラス・アカデミーとして再編成され、「市民への恩返し」としてマントルは戦時中に利用されたダスト技術を利用してアカデミーを増強していった。アトラス・アカデミーの領域は急速に拡大し、軍の施設や研究所、果ては住宅地までが建設された。
結果としてアトラス・アカデミーの周辺地域はマントルの首都を凌ぐ大都市となり、首都機能も移転しマントルは過去のものとなり、王国としてのアトラスが誕生した。
現在のアトラスは政府・アカデミー・軍が一体化した組織であり、アカデミーの卒業生も基本的に軍の特殊部隊への所属を強く推奨されている。
上記の通り高い科学技術力を持った軍事大国であり、劇中でもCCTシステムの建造に携わった、軍の大部分がアンドロイドで構成されているなどと語られている。
現在のアトラスの繁栄は「我が世の春」と称されているが、一方でマントルに残された者たちにとっては「一番厳しい冬」であると言われている。
アトラス製ロボット兵器一覧
- Atlesian Knight-130 / AK-130(アトラシアン・ナイト130)
『Black』トレイラーで初登場した戦闘用アンドロイド。レムナントに広く普及したモデルである。
武装としてガトリングガンと近接戦用ブレードが両腕部に内蔵されている。起動時にフェイスカバーで頭部が保護されるギミックがある。
- Atlesian Knight-200 / AK-200(アトラシアン・ナイト200)
AK-130の後継モデルとして発表された新型アンドロイド。AK-130と比較して「より賢く、動作が滑らかで、フレンドリーである」と喧伝されている。
武装は現時点で手持ち式のライフルが確認されている。
- Atlesian Paladin-290 / AP-290(アトラシアン・パラディン290)
アンドロイドだけでは対処できない状況を想定し、アトラスとシュニー・ダスト・カンパニーの共同で開発された搭乗型のロボットスーツ。
武装は腕部の銃火器や肩部ミサイルランチャーのほか、展開式のマニピュレーターを備え近接戦にも対応できる。
Vol.2では試作段階の機体がホワイト・ファングによって盗み出され彼らの戦力として利用された。Vol.3ではアトラス軍の制式採用機として白い塗装の機体や、装甲形状の異なる新型が登場した。
Vytal Festival/ヴァイタル・フェスティバル
レムナントにおける国際的に著名な祭典。80年前の戦争の終結後、4つの王国間の平和を祝うために作られた。
2年に一度4王国が持ち回りで開催し、ルビーたちがビーコン・アカデミーに入学した年で40回目、ヴェイルで開催された。
フェスティバルではダンスパーティーやパレードなどの様々なイベントが行われ、各王国の市民がお互いの文化に触れ合い楽しむ。中でも一番の目玉イベントは4王国のハンター訓練校の生徒たちがお互いの技量を競い合うトーナメントである。
- Amity Colosseum(アミティ・コロシアム)
ヴァイタル・フェスティバル・トーナメントの会場となる巨大な空中浮遊コロシアム。近年のハンターたちの腕前向上に合わせ、それに見合った舞台が必要となり建造された。
4王国の科学技術の粋が集められており、バトルフィールド上にレムナントの様々な場所の環境を再現することができる。
Amityは英語で「親善・友好」を表す。
Vacuo/ヴァキュオ
レムナントに存在する4つの王国の1つで、サナスの西部に存在する。サンの産まれ故郷。国章は3本の剣。
領内には荒涼とした荒地が広がっているが、かつて人間が荒廃させる前は楽園だったと言われている。広大な砂漠の中央部には密林などの天然資源が豊富で、地理的な守りも堅く、世界一のダスト埋蔵量を誇るオアシスがあった。砂漠を越えてきた遊牧民たちはオアシス周辺に定住し、そこで古代のヴァキュオは繁栄していた。
しかし豊かな環境のために、ほかの王国が生存のために文化を発達させていく中で出遅れ、やがてヴァキュオの豊富な天然資源に目を付けた他国の侵略を受け、それを止めることができなかった。
長きに渡る戦争と乱開発、そして環境破壊によって豊かな環境は荒廃し、国民たちは乏しい資源やグリムの襲撃などの理由で頻繁に移住しながらキャンプ生活を行っていた。
80年前の戦争終結後にようやく正式な政府が発足したものの、国民たちはその統治を支持せず、王国のハンター養成学校であるシェイド・アカデミー(Shade Academy)を設立しその指示に従った。
ヴァキュオの国民は過酷な自然災害にも耐えられるほど屈強で、他国の国民に比べると上品さに欠けていると言われている。一方で他者とお互いに尊敬し合える心を持っており、「ここ(ヴァキュオ)で生き延びることができたら、ここの仲間だ」という唯一の暗黙のルールがある。また国民たちは皆ラフな服装を好む正装とは縁遠い国柄で、シェイド・アカデミーも4王国のアカデミーでは唯一制服が存在しない。
Vale/ヴェイル
レムナントに存在する4つの王国の1つで、サナスの北東部に存在する。ビーコン・アカデミーを擁する物語の主な舞台。国章は交差した2本の斧。
領土の東側は険しい山脈に囲まれ、また西側は海に面しているが水深はあまり深くない。これらの地形的特徴が天然の要塞として機能しているため、グリムの脅威が防がれ領土の安全が保障されている。
ヴェイルの地名一覧
- Vale(ヴェイル)
王国の首都。王国の名前はこの都市ヴェイルが由来になっている。
Vol.1-Ep.8のラストでヴェイル市街の地図が登場するが、それによると市街は住宅街や農業・工業・商業地区、上流層の居住区などの複数の地区に分かれている。ビーコン・アカデミーは市街の東側に存在する。
- Patch(パッチ)
ヴェイル西側の海に浮かぶ島。ルビーとヤンの故郷で、シグナル・アカデミーはこの島に存在する。
- Emerald Forest(エメラルド・フォレスト)
ビーコン・アカデミー新入生に課せられる実力試験の舞台となった森。緑が豊かで起伏に富んだ地形。敷地の北端にはストーンヘンジのような遺跡が存在し、また多数のグリムが生息している。
- Forever Fall(フォーエバー・フォール)
市街の北側やや東寄りに広がる紅葉の美しい丘陵地帯。立ち並ぶ木々からは甘味のある樹液を採取できる。敷地内には鉄道が通っており、シュニー・ダスト・カンパニーのダスト輸送列車が運行している。
Vol.1ではグリンダとRWBY、JNPR、CRDLの3チームが校外実習で訪れた。
- Mountain Glenn(マウンテン・グレン)
市街のはるか南東に位置する、緑深く多くの洞窟が点在する丘陵地帯。
ヴェイルの領土拡大策として計画都市が築かれたが、グリムの流入によって現在は広大な廃墟と化している。かつては1000人以上の労働者が生活し、市街地に直通する地下鉄が通っていたが、それもすべて封鎖された。
もはや人も通わぬ地のはずだが、最近になって人の感情に引き寄せられるはずのグリムの目撃例が急増している。
Aura/オーラ
人類や動物といった、レムナントに住むあらゆる生命が持つ魂の力の顕現で、俗にいう「気」のような力。日本語吹替版では「フォースのようなもの」と表現されている。
ピュラ曰く「誰もが持っている光と闇を理解し、訓練すればオーラを扱えるようになる」とのこと。
オーラは基本的に防御のための障壁(バリア)として用いられ、致命傷になりうるダメージから身体を保護することができる。オーラの容量によっては肉体が負った傷を治癒することも可能。またダストは人々のオーラによって発振され、ハンターの武装はオーラの通り道としても機能するなど、攻撃にも用いられる。ただしオーラは無尽蔵ではなく、疲労やダメージによって残量は減っていってしまう。オーラの残量は機械による計測が可能である。
オーラには「センブランス(Semblance / 英語で「外観」や「外形」、「見せかけ」を表す)」と呼ばれる固有能力が存在する。センブランスは基本的に一人ひとり異なり親族間での遺伝もない(偶然同じセンブランスになる可能性はある)が、しかしシュニー家のセンブランス「魔方陣生成」と「召喚」は例外的に一族で遺伝するとされている。
グリムは魂を持たないためオーラを扱うこともないが、魂を持つ生物ならオーラを纏って戦うことが可能なようで、劇中ではルビーのペットのコーギー・ツヴァイがオーラを使用しているらしき描写がある。
カ
Silver eyed warriors/銀の眼の戦士
大昔から伝わる伝承の一つで、一般には知らされていない。クロウによると、国家もハンターすらいなかった時代、銀の眼を持つ者は戦と共に生きる運命であり、その力はグリムを一瞥するだけで倒したと伝えられている。ルビーの母サマーもこの力を持っていたらしい。
Grimm/グリム
「破壊の怪物(creatures of destruction)」「グリムの怪物(creatures of grimm)」と称されるモンスターで、太古より人類を脅かし続ける存在。魂を持たない何らかの創造物であると示唆されている。ダストは元々人類がグリムに対抗するため創意工夫の果てに生み出したものとされている。
形状は普通の動物に酷似しているが、体色は闇を固めたように黒く、ほとんどの種のグリムは頭部に赤い文様の入った白い仮面のような部位を持つ。また年齢を重ねるごとに巨大な体格へと変貌し、劇中にはたびたび普通の動物の何倍もの体格の個体が登場している。人間やファウナスとは異なりオーラの力を使うことは出来ない。
古代においては悪霊に取り憑かれた動物ではないかと言われていたが、新種かつ危険種の発見が連日のように相次いだため現在ではその説は否定されている。
グリムには人類とその創造物を優先的に狙う性質がある。ごく稀に野生動物とも衝突することがあるが、これは縄張り争いの側面が強い。
グリムのもうひとつの性質として悲しみや恐怖心、憎しみといった人間の負の感情に引き寄せられるという特徴がある。例えば小さな集落がグリムに襲撃されると、人々のパニックにより更なるグリムを引き寄せてしまい、生存の可能性が大幅に下がってしまう。このグリムが負の感情に引き寄せられる性質は、人類が王国の領土外で暮らすことが困難な理由の1つでもある。
グリムがハンターなどによって撃破されると、亡骸は黒煙になって霧散してしまう。かつてはグリムは「魂」を持たないと信じられていたが実際はそうではなく、戦いを生き延び年老いたグリムは知恵を身に付け、より狡猾な殺戮者となるとされている。
「グリム(Grimm)」の名称は世界的に有名な童話集であるグリム童話、もしくはその編者のグリム兄弟に由来すると思われる。また英語の「grim(恐ろしい)」やドイツ語の「grimm(激怒)」にもかかっていると思われる。
劇中に登場したグリムの一覧
- Beowolf(ベオウルフ)
『Red』トレイラーで初登場した人狼型のグリム。モチーフは『赤ずきん』の狼と思われる。
Vol.3-Ep.8では身体形状の異なるより強力な個体「アルファ・ベオウルフ」が登場している。
名称は中世イギリスの叙事詩『ベオウルフ』から取られていると思われる。ちなみにトレイラーと本編とでデザインが異なるが、これはトレイラーはRWBYのパイロット版で、本編に登場する際に再デザインされたため。
- Ursa(アーサ)
Vol.1-Ep.6で初登場した熊型のグリム。普通の熊とあまり変わらない大きさの「アーサ・マイナー(Ursa minor)」と、それよりも大型の個体「アーサ・メジャー(Ursa major)」が登場している。
名前の由来はそれぞれおおぐま座(Ursa major)とこぐま座(Ursa minor)と思われる(Ursa自体がラテン語で「熊」の意味で、複数形は「アーサイ(Ursai)」)。
- King Taijitu(キング・タイジツ)
Vol.1-Ep.6でレンと交戦した巨大な蛇型のグリム。胴の両端に頭を1つずつ持つ双頭が特徴。タイジツ(Taijitu)は英語で太極図を表す。
- Deathstalker(デスストーカー)
巨大なサソリ型グリム。外殻は硬くクレセント・ローズでの至近射撃も通用しない。名前の由来はサソリの一種であるオブトサソリ(尾太蠍)の英名と思われる。
- Nevermore(ネヴァーモア)
鳥型のグリム。劇中には普通の鳥の何倍もの大きさの個体「ジャイアント・ネヴァーモア(Giant Nevermore)」が登場している。羽根を飛ばしての遠距離攻撃や大きな翼での体当たりを行ってくる。見た目よりも硬く、生半可な攻撃ではビクともしない。
名前の由来は作家エドガー・アラン・ポーの詩『大鴉』に繰り返し登場するキーワード「Nevermore」と思われる。
- Boarbatusk(ボーバタスク)
Ep.10で初登場したイノシシ型のグリム(ただしEp.1冒頭のシルエットや、ポート教授の授業資料などで以前から存在は示唆されていた)。体を丸め回転しながら高速で突撃したり、牙で相手に組み付いたりとかなり凶暴。ほぼ全身が硬い殻で覆われているが腹部のみは装甲がない。
名前の由来は英語の「boar(イノシシ)」、「tusk(牙)」と、ラテン語の「barbatus(アゴヒゲ)」と思われる。余談だが、ヒゲイノシシの学名は「Sus barbatus」である。
- Goliath(ゴライアス)
Vol.2にて初登場した、それまでに登場したどのグリムよりもさらに巨大な象型グリム。
群れで行動しており、ウーブレック博士によると少なくとも100年以上を生きているとされる。その間に経験則として「人間を襲えばより大勢で反撃される」「人間は非力だが心で補う」などと学習しており、むやみに人間を襲うことはせず、ヴェイル南東部の森林丘陵地帯を徘徊している。
名前は旧約聖書の「サムエル記」に登場する巨人兵士ゴリアテに由来すると思われる。余談だが、この巨人兵士にちなみ巨大な生物の学名には「ゴライアス」と付くことがある。
- Creep(クリープ)
Vol.2で初登場したグリム。外見は2足歩行型の恐竜に似ているが、腕はなく太い足が生えているのみ。名前の「Creep」は英語で「腹這う」もしくは「嫌な奴」を表す単語。
- Griffon(グリフォン)
Vol.3の終盤で登場した、猛禽類のような上半身にライオンのような下半身の、文字通りグリフォン型のグリム。尻尾の先には白く鋭い棘が複数生えている。
- Beringel(ベリンゲル)
Vol.4トレイラーで登場したゴリラ型のグリム。顔面を含む左上半身が爛れたような形状をしている。強力なパワーと高い耐久性を持つほか、遠くの敵には味方のグリムを投射して対応するなど、ある程度の知性を持っている描写がある。
名前の由来はヒガシゴリラの学名「Gorilla beringei」からと思われる。
- Dragon(ドラゴン(仮称))
Vol.3終盤で初登場したグリム。ドラゴン(dragon)の名称は設定画に記載されていたもので、正式名称は現時点では不明。
赤く薄い膜のような翼と首元まで裂けた大きな口を持つ、超大型のドラゴン型グリム。マウンテン・グレンの岩山の中で眠っていたが、ヴェイルに侵攻したグリムによる破壊と混乱に呼応するかのように目を覚ました。体から滴り落ちる黒い粘液から新たなグリムを生み出すことができる。
また三輪士郎によるコミカライズ版では、『White』トレイラーに登場する巨大な鎧は小型の憑依型グリムを鎧に複数集積したものとされている。
サ
Cross Continental Transmit system/CCTシステム
「大陸間通信システム」と呼ばれるレムナントにおける通信の要。「CCTS」とも呼称される。開発にはアトラスが関わっている。
王国の領土外ではグリムの脅威により、メッセンジャーによる情報伝達や通信設備の設置などが難しく、また人工衛星を用いた通信は宇宙進出が未だ果たせていないため不可能なので、それらに変わる通信手段として発明された。
各王国には「CCTタワー(CCT tower)」という巨大な中継塔が建造されており、大陸間での情報のやり取りはこのタワーを介して行われ、文章・画像・音声・映像といったあらゆる情報の送受信が可能。王国内のネットワークとCCTシステムは繋がっており、スクロールなどの他の端末からでも他の大陸の情報を入手することができる。
小規模な中継塔も王国の外に建造されているが、これらは絶えずグリムの脅威に晒されている。また4つのタワーのうち、どれか1つでも停止するとレムナント全体のネットワークが機能しなくなるという危険性もある。
CCTタワーはヴェイルのものが初号機で、アトラスにあるタワーはそれよりも大きいらしい。
The Schnee Dust Company/シュニー・ダスト・カンパニー
アトラスに本社を置く世界最大手のダスト企業。創設者はワイスの祖父で、ワイスはここの跡取り娘。主産業のダスト産出・流通業のほか、兵器開発、漫画や雑誌の出版、果ては歯磨き粉のような日用品の販売なども手がけるコングロマリット(複合企業体)である。
ダストは同社の保有するシュニー採石場から採掘・精製したものを流通している。しかし、ワイスの父の代になってからは怪しげな労働力の保持、不審な同業者の存在など黒い噂も付きまとうようになった。
ファウナスの過激派によるテロの標的にされており、シュニー家親族の命やダストが長年に渡って狙われいる。
劇中には同社のダストの取り扱い説明書が登場し、「我々は顧客が自社製品を使用するにあたって生じたいかなる損害・過失にも一切の責任を負わない」「シュニー家は顧客に対し、正しく説明書を読み、正しい用法で、その扱いに正しく習熟することを望む」と記されている。
Scroll/スクロール
レムナントで普及している多機能型のタブレット端末。大小2種類が存在し、小型のものはスクリーンを引き伸ばすとスマートフォンサイズに、大型のものはノートサイズになる。どちらも収納形態ではポケットに収まるほどコンパクトになる。
電話機能やメールの送受信、テキストチャット、カメラ機能、ID認証機能、データのアップロード・ダウンロードのほか、オーラの残量計測までこなすハンターの必需品。
The War/『戦争』
作中の時代から80年前にあったとされる4つの王国間の大戦。「Great War(大戦)」とも称される。オズピン曰く「無知と強欲と抑圧、利己主義そのもの戦争」であったとされている。
戦争中の数年間はどの王国も暴力的な闘争に明け暮れていたが、サナス北端の島ヴァイタル(Vytal)での最後の戦いの後に各国の指導者は平和を選択し、和平が結ばれ終戦を迎えた。
戦争終結後はヴァイタルにて新しい法律やアカデミー制度といった現在のレムナントの社会の基盤となる取り決めがなされ、4王国間の平和を祝ってヴァイタル・フェスティバルが開催されるようになった。
また戦争の理由のひとつが「芸術と表現の弾圧」であり、それに対する抵抗として芸術そのものともいうべき存在である『色』を生まれてくる子供たちの名前に盛り込む文化が生まれた。これらの制度や風習は今日にも続いており、この戦争は今現在のレムナントの文化・社会に大きな影響を与えている。
タ
Dust/ダスト
自然界の力を凝縮した結晶で、人間やファウナスのオーラに反応して様々なエネルギーを発生させる。グリムの脅威に晒される人類が獲得した強力な対抗手段とされている。
定義上は自然発生したエネルギーのプロペラント(推薬・燃料)とされる。最初4つの基本的な形態で発見されたが、それらが自然に、または人工的に融合することで、より強力でユニークな特性を持った多くのダストが生み出された。今日では乗り物やロボットの動力源、銃火器用の弾薬など、ほぼすべての科学技術にダストの力が利用されている。しかしダストはレムナントの大気圏を離れると力を失ってしまう性質があり、そのためレムナントの人類は未だに宇宙進出を果たせていない。
ダストには結晶状のものと粉末(パウダー)状のものがあり、粉末のダストは結晶を精錬したもの。未精錬のダストの力は精錬したものより強力だが、使用者の技量が及ばなければ使いこなすことはできない。
現在では兵器開発技術の進歩により、ダストを利用した弾薬を銃器から撃ち出すだけで、容易にその力を引き出せるようになった。一方でダストを衣服に織り込んだり、身体に直接融合させたりすることで力を引き出す旧来の使用法を用いる者も少なくない。
レムナントに生きる人々の生活に欠かせないものであるが、ダストがどのようにして発生したかは未だ解明されていないと言われている。
ハ
Huntsmen / Huntresses/ハンター(ハンツマン / ハントレス)
オーラやダストを用いた高度な戦闘技術を習得し、グリムの討伐をはじめとした人類社会の守護と治安の維持を役割とする職業。原語版では男性形と女性形が存在するが、日本語訳では総称として「ハンター」が用いられる。
80年前の戦争終結後、軍隊とは異なるグリム討伐に専念する戦士の育成を目的としたアカデミー制度の制定に併せ、職業として確立された。
初等の戦士養成学校の卒業生で資質があると見込まれた者は、4王国に1つずつ存在するアカデミーに入学することができる。在学中はチームで活動し、チームワークや他者を思いやる心を学ぶ。各アカデミーの指導方法はそれぞれ異なるが、自分の道を歩むことができるハンターを育てることを目標としている。また国家の思想に囚われず平和を守るために、アカデミーを卒業したハンターたちは特定の王国への忠誠心を持たず、任務や仕事相手を自由に選ぶことができる。
Beacon Academy/ビーコン・アカデミー
ヴェイル市街の東側に位置する、オズピンが校長を勤める全寮制のハンター養成学校。ワイス曰く「ただ訓練や演習を繰り返すだけの並の養成学校とは違う」とのこと。
新入生には入学式の翌日に実力試験(Initiation)が課される。試験の成果から4人1組のチームが編成され、試験中の活躍に応じてチームリーダーが決定される。
寮ではチームに一部屋が割り当てられ共同生活を送ることになる(男女混成チームなら部屋も男女同室)。敷地内には大きな食堂があるほか、個人的に料理が出来る設備もある様子。
座学用の講義室や戦闘訓練用のホール、図書館、航空機・飛行艦船の発着場といった充実した設備を誇る。
男子生徒の制服は白のワイシャツに赤いネクタイ、黒のズボンと、肩にショルダーループのついたブレザーを着用する。ブレザーの下には青いベスト(またはカーディガン)を着ている。女子生徒の制服は襟の小さいブラウスに、赤地にチェック模様のスカート、その上からブラウンのブレザーを着用する。ブレザーの下には赤いベスト(またはカーディガン)を着用している。ブレザーは男女とも縁に黄色いラインが入っている。
この世界の服飾文化なのか、男性用の服(ビーコン・アカデミー男子制服やポート教授の上着など)が左前、女子生徒用のブレザーが右前になっている。
※制服を着用したチームRWBYの面々。
Faunus/ファウナス
レムナント世界に広く存在する獣人種族。一部の日本語訳では「ファウヌス」とも表記される。
容姿は普通の人間とほとんど変わらないが、耳や角、尻尾といった動物の器官を持っているのが特徴(動物の耳を持つ者は人間の耳も同時に存在する)。動物の器官は人によってそれぞれ異なり、例えば同じ猫のファウナスでもある者は耳を、ある者は尻尾を持っている。
人間よりもはるかに優れた身体能力を持つ。また夜目が利き暗闇でも昼間のように周囲を認識することができる。
かつては人間によってアニマの南側にあるメナジェリー(Menagerie)という島に隔離されていた。その後人間とファウナス間の戦争を経て、和平を結んだ現在は普通の人間と同じ生活を送っているが、今でも一部の人間からは動物扱いされ差別を受けている。
Vol.1-Ep.1では彼らが市民権獲得のための抗議活動を行っていたところ、過激派組織「ホワイト・ファング」の工作によって活動が中断されてしまったというニュースが報道されている。
ちなみに、同じ動物のファウナス同士からは親と同じファウナスが生まれ、人間とファウナスの親からは人間かファウナスのどちらかが生まれ、異なる動物のファウナス同士からはランダムな動物のファウナスが生まれるらしい。
「ファウナス(Faunus)」とはローマ神話に登場する神の名前で、ギリシャ神話のパーンに相当する。おそらくパーンが半神半獣の神であることから、獣人の名称として採用されたと思われる。
White Fang/ホワイト・ファング
ファウナスの中でも暴力的な行動をとる過激派組織。
本来は人間とファウナス間の戦争が終結した際に和平を願って結成された。戦争終結後も変わらぬ人間からの差別と迫害に対して比較的穏当な抗議運動を行っていたが、本編から5年前に新しいリーダーが就任した際に活動の方針が変更され、次第に武力の行使も辞さない過激な組織へと変貌していった。
メンバーはグリムの顔を模した仮面を身に着ける。これは人間が自分達にモンスター(≒迫害・排除の対象)になれと要求するのなら、あえてモンスターの顔を借りてシンボルとしよう、という思想に基づいたもの。
シュニー・ダスト・カンパニーやその関係者に対してたびたび危害を加えており、人的な被害を出すことも厭わない。劇中ではヴェイルで相次ぐダスト強盗における実行部隊として暗躍しており、アトラスが開発した兵器までも導入して人間社会との対立の姿勢を鮮明にしている。
「ホワイト・ファング(White Fang)」の名はアメリカの小説家ジャック・ロンドンの小説『白牙』に由来すると思われる。
マ
Mistral/ミストラル
レムナントに存在する4つの王国の1つで、アニマに存在する。国章は盾。
領土は4王国の中で最も広く、その分生態系や生活様式にも幅広い多様性が見られている。
国民にはあらゆるものに価値を見出す気質があり、上流階級はファッションや建築、演劇といった文化への貢献で世界的に有名である。一方で下層階級には世界最大のブラックマーケットが存在し、金さえあればあらゆる物が手に入り、殺し屋に殺人を依頼することも出来る。当然王国の評議会も犯罪者に対する警戒は怠ってはいないが、領土が広い分監視にも限界があり、首都から離れたいくつかの地域は犯罪者の隠れ家になっている。
またミストラルの国民たちは身分の差に関わらず自然、特に海と空への敬意を持っているが、これはミストラルの文化や技術の発展はその土地の地理や天然資源の存在が強いためである。ミストラルの最初の居住者は風で削られてできた崖で身を守りながら暮らしていたが、その後人口が増加するとともに土地を利用する技術を発展させ領土を拡大していった。
劇中ではピュラが王国のトーナメントで4年連続優勝という新記録を打ち出したことが語られている。
王国のハンター養成学校はサンの所属するヘイヴン・アカデミー(Haven Academy)。またピュラが首席で卒業したサンクタム(Sanctum)という戦士養成学校はミストラルにある可能性が高い(現時点では明言はされていないので注意)。
ミストラルの地名一覧
- ウィンドパス
ミストラルの首都から北側にやや離れた地域に存在する都市。地理的に王国の評議会の監視の死角になる場所に存在し、犯罪者たちの隠れ家となっている。
- クチナシ
ミストラルの首都から南側にやや離れた地域に存在する都市。ウィンドパスと同様の理由で、評議会の監視の目が届かない犯罪者たちの隠れ家となっている。
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The Four Maidens/『四人の乙女』
レムナントで昔から広く親しまれている童話で、『四季の物語(The Story of the Seasons)』とも呼ばれる。オズピンは彼が子供のころに広まったものだと語っている。
ある森の奥に年老いた冷淡な魔法使いが何世紀も孤独に暮らしていたが、そこにウィンター(Winter)、スプリング(Spring)、サマー(Summer)、フォール(Fall)の4姉妹が順番に訪れた。
老魔法使いに対して4姉妹は、物事について深く思慮することを勧め、荒れた畑を整え作物の恵みをもたらし、世界を広い視野で見ることを促し、彼が自分の持っているものに感謝することを願った。
4姉妹のおかげで生きる活力を取り戻した老魔法使いは、なぜ自分にこうも優しくするのかと彼女たちに尋ねた。それを不思議に思った4姉妹は、誰かを特別扱いしているのではなく、ただ自分たちができることをしているだけだと答えた。
4姉妹の優しさに感激した老魔法使いはそのお礼として、彼の持つ魔法と自然界の力を彼女たちに授けた。力を受け取った4姉妹はそれを人助けに役立てることを老魔法使いに約束し、1人ずつ彼の元から旅立っていった。
最後に4姉妹は毎年、親愛なる友人である老魔法使いを訪ねに戻ってくることを約束した。
- Maiden’s Power(『乙女の力』)
4姉妹の物語は一般には空想の物語だと思われているが、実はそれは誤りであり、4人の乙女と彼女たちが受け取った偉大なる力は実在するとオズピンは語っている。乙女を守護する組織が彼女たちを守るため、乙女の存在をあいまいなものにしたことで、事実は忘れ去られ物語としての『四人の乙女』の童話が残った。
乙女の力は何千年も前から存在しているが、1人の乙女が永遠に力を保持するのではなく、乙女が息絶えるたびに力は新たな担い手に受け継がれるとされている。
力を受け継ぐための条件は、当初は若い女性であることだけが判明していた。しかし時が経つにつれより厳密な条件として、「乙女が死に際に思い浮かべた人物に力が宿る」ということが判明した。なおこのとき思い浮かべた者が男性や歳の行った女性であった場合は、力がランダムな誰かに飛んでいってしまうとされている。
ラ
Remnant/レムナント
『RWBY』の物語の舞台となる世界。人類が築いた4つの王国(アトラス、ヴァキュオ、ヴェイル、ミストラル)が存在するが、グリムという脅威が地に満ちており、世界すべての土地が人類の領土というわけではない。人類はオーラやダストといった力でグリムに対抗しながら文明を発展させ、大陸間を繋ぐ情報ネットワークや、飛行艦船をも運用する技術を確立している。
レムナントに存在する地域の一覧
- Sanus(サナス)
レムナントで最大の大陸。レムナントの世界地図では中央に描かれている。大陸の北東部にヴェイルが、西部にヴァキュオが存在する。
Sanusはラテン語で「(肉体的・精神的に)健康・健全」を表す。
余談だが、当初大陸名はヴァイタル(Vytal)であったが、その後設定変更がありサナスが大陸名になり、ヴァイタルはサナス北端の島の名前に変更された。
- Anima(アニマ)
サナスの東側にあるレムナントで2番目に大きい大陸。ミストラルが存在する。
Animaはラテン語で「魂・心」を表す。
- Solitas(ソリタス)
レムナント最北の極寒の大陸。ほかの土地からの開拓者により開拓され、かつてはマントルが、現在はアトラスが存在する。
Solitasはラテン語で「孤独・ひとりぼっち」を表す。
- Menagerie(メナジェリー)
アニマの南側にある大きな島で、かつてファウナスが人間によって隔離されていた土地。現在でもこの地には基本的にファウナスが暮らしている。
Menagerieは英語で「動物園」を表す。
- Vytal(ヴァイタル)
サナス北端にある小さな島。80年前の戦争が終結した地であり、ヴァイタル・フェスティバルの名前はこの島から取られている。
- ドラゴン型の大陸(詳細不明)
サナスの北西部、ソリタスの西側に存在するドラゴンのような形をした大陸。現時点では詳細は不明。
Lien/リエン
レムナントで流通している通貨。形状は薄いカード状で、裏面に磁気ストライプと思われる黒い帯がある。表面の図柄の色が異なるいくつかの種類が存在する。
リエンを表す記号(日本円の「¥」のようなもの)は横棒を2本引いた大文字のLで表される。