概要
JR西日本発足後、初めて広島地区に投入される新製電車であり、国鉄時代から数えても広島シティ電車政策で導入した115系3000番台以来32年ぶりとなる。225系をベースに様々な新機軸が盛り込まれており、先頭部と車内は521系3次車の仕様に変更された。
カラーリングは「広島らしさ」(県木のもみじ、広島東洋カープ、厳島神社大鳥居など)をイメージした赤基調の新デザインとなっている。このデザインに至るまでは、複数のカラーリング案が検討されていた。駅施設のサインシステムと一体化したこのデザインの評価は高く、2015年度グッドデザイン賞の受賞に至っている。
先頭車の運転台側面にも転落防止幌が新製時から設置されている。この幌が翼を広げたように見えることや、将来の広島近郊の公共輸送を担うことなどから、「未来へ羽ばたく赤い翼」という意味の「Red Wing(レッドウィング)」という車両愛称が付けられた。
2016年4月現在は3両編成42本と2両編成16本の計158両が在籍。最終的に3両編成64本と2両編成42本の計276両まで増備される。
車内外・システム
ステンレス車体で先頭部分が鋼製。片側3扉で高運転台構造となっている。
車内は扉間が2+2列の転換クロスシート、車端部がロングシート。車内表示機は321系・225系の液晶式ではなく、LED式を採用している。
0.5M方式を採用して全車電動車となり、クモハ227形にパンタグラフが付いている。トイレはクモハ226形に設置されている。
運転台は225系のものをベースとした2ハンドルタイプで、呉線の東側区間や安芸路ライナーがワンマン運転のため、それに対応して一部機器の配置が見直された。
新機軸
「新保安システム」ことATS-DW、戸挟み検知機構、フルカラーLED式行先表示器、グラスコクピットを、JR西日本の在来線用車両では初めて採用した(後2者はN700系が初)。
行先表示器のフルカラーLED化に伴い、側面の表示器は種別幕と行先表示器が一体化された。221系以来永らく続いた「種別幕+3色LED」の形態は、ここにきてついに廃止された。
運用
2015年3月14日ダイヤ改正より山陽本線(糸崎~由宇間)と呉線で営業運転を開始し、同年10月3日より可部線にも進出した。
現在は山陽本線福山~徳山間と呉線・可部線で運用され、山陽本線三原~岩国間と呉線広以西、可部線では平日日中の全列車を担当している他、広島エリアの快速(シティライナー・安芸路ライナー・通勤ライナー)も全て担当している。
車号について
3両編成はA編成、2両編成はS編成となっており、後者は製造番号が-65からスタートする。
その他
列車種別表示部分に「カープ坊や」が入っている(特別に設定したものではなく、新製時から用意されており、2016年の広島東洋カープの優勝を機に満を持しての登場となった)。