解説
英雄かつ狂人とうたわれた一人の傭兵が、1980年代後半に南アフリカ・ガルツバーグ付近に世界屈指の傭兵達を集めて設立した傭兵国家、及びその本拠地である巨大武装要塞。別名「武装要塞国家」。
世界中の紛争地域に兵士や兵器を「輸出」することで戦争のコントロールを目指すという、極めて危険な存在でありながら、大国もその存在を黙認せざるを得ないほどの戦力を有している。
その実体はアメリカ合衆国のハイテク特殊部隊FOXHOUND司令官ビッグ・ボスが、アメリカを影から操る秘密組織『愛国者達』に対抗するべく設立した巨大傭兵派遣会社であり、いかなる国家やイデオロギーにも帰属しない軍事力を以って戦争をコントロールすることで世界の軍事バランスを保つことを目的としていた組織。
1975年の民間軍事会社MSF崩壊後、その残党が中心となって結成したダイヤモンド・ドッグズを母体として誕生した。
『アウターヘブン』という名には、「平和という天国から見放された外側の世界、すなわち戦場という地獄でしか生きることができない者たちのための楽園」という意味と、「『愛国者達』が築き上げようとする時代の規範に囚われない、規範の外側の世界」という2つの意味が込められている。
1995年、旧東側科学者ドラゴ・ペトロヴィッチ・マッドナーを招きいれ、核搭載二足歩行戦車TX-55メタルギアの開発を行っていたが、FOXHOUNDの新人隊員ソリッド・スネークによって阻止され、さらに首領のビッグ・ボスもスネークに倒されたことで、組織としては事実上壊滅に追い込まれた。
要塞アウターヘブン自体も、のちに南アフリカ共和国を襲った大震災により崩壊し、完全に消滅した。
その後、2009年に発生したビッグ・シェル占拠事件以降、ナノマシン・ネットワークによる戦場監視システム『SOP』の確立によってPMCが台頭し、『戦争経済』が世界を席巻するようになると、『愛国者達』に対して大規模な軍事蹶起を引き起こすことを目論んだリキッド・オセロットが世界各国の大手PMCを束ねるマザーカンパニーとして同名の企業を設立する。
2014年、オセロットのSOP乗っ取りと世界中のインフラシステムごと『愛国者達』の中枢代理AIを破壊する計画は、最終的にオールド・スネーク達の活躍により阻止されたが、同時にオセロット達が残した策とナオミ・ハンターとサニーが作ったコンピュータウィルス「FOXALIVE」によって『愛国者達』はインフラシステムを残して消滅し、世界は『愛国者達』の支配から解放され、人類社会は戦争経済の飽和による破滅を回避した。
そして、SOPを始めとする『愛国者達』の築いた規範(システム)と情報統制、庇護もまた喪われたことで、「天国から見放された規範の外側の世界(アウターヘブン)」はついに完成を見た。