概要
イギリス南部およびヨーロッパ大陸全域に分布するクワガタムシ。ユーロミヤマクワガタともいう。ミヤマクワガタ属(ルカヌス属)の最大種。
日本のミヤマクワガタに比べ全体に横幅があり、特に頭部が大きくなるのが特徴。また、ミヤマクワガタとは異なり、体表の微毛は少ない。
知名度・人気ともに高い種であるが、成虫の寿命が短く、輸送などの急激な環境変化に弱いため、外国産のオオクワガタやヒラタクワガタはおろか、ノコギリクワガタ属やツヤクワガタ属と比較しても一般流通は少ない。そのため値段は高い。
ミヤマクワガタとは異なり、夏季に気温が高くなる平地にも広く分布することから高温にもある程度は耐えられる。しかし、それでも25℃以下に保つことが望ましく、特に蛹化・羽化時に高温だと死ぬこともある。また、ミヤマクワガタに比べ産卵しやすいのも特徴。
ちなみに、ヨーロッパミヤマクワガタは生息地や大アゴの形などによって6種類の亜種に分類することができる。原名亜種は大アゴの赤みが他に比べて濃いのが特徴である。
文化
本種はヨーロッパにおけるクワガタムシのシンボル的存在であり、向こうでは本種をモチーフとした切手もたくさん出ている。
また、本種が絵画や工芸品の題材に使われていたことも多く、過去には子供のおねしょなどの薬にも利用されていたことがある。
メディアでの扱い
亜種のジュダイクスミヤマクワガタが『新甲虫王者ムシキング』に参戦しているが、原名亜種は今のところ参戦していない。
原名亜種は『アニマルカイザー』には登場している。ちなみにカードにはフランス産と記載されている。