概要
本来は「トルコ式 浴場」である。
風呂に日本で言うところの三助のような世話係がおり(男風呂ではおっさん、女風呂ではおばさん)、背中を流したり垢擦りしたり、色々してくれるというものである。
ヴィクトリア王朝のイギリスでもあったらしく、『シャーロック・ホームズ』では、「ホームズも私(ワトソン)も、トルコ風呂ときたら大好きだ」という描写がある。なお、その前でワトソンがホームズから「あンた、なンでトルコ式の風呂なンかに入ったンだッ!」と言われる話があるが、見事に無視されている。
その後、日本では、風俗産業の一つとしてこの名称が採用されたが、本来のトルコ風呂は上記の通り同性による健全なマッサージなのでトルコ側から苦情が来て、現在はその手のお風呂屋さんはソープランドという名称になっている。しかし年配の方は今でも「トルコ」と呼ぶ傾向にある。
「テルマエ・ロマエ」でも明らかなように、ローマでも同じようなサービスがあり、漢語で「肉麻(ろーまあ)」という、エロなタームがあるんだから「肉麻風呂」にしとけばよかったのに、と思うのだが。
また、中世ペルシアをモデルとした世界観の「アルスラーン戦記」にも浴場世話係の仕事ぶりが描かれている。
また、TBSワシントン支局の山口敬之元支局長が、米国立公文書記録管理局のベトナム戦争に関する膨大な文書を1年かけて調査したところ、韓国軍はサイゴン(現:ホーチミン)に、『トルコ風呂(The Turkish Bath)』という慰安所を作って、捕まえたベトナム人女性を性奴隷にして韓国兵相手の売春を強要させていたことが解り、2015年3月の『週刊文春』にて発表している。
見つかった米軍からベトナム駐留韓国軍最高司令官蔡命新将軍に宛てた1969年頃の書簡は、韓国陸軍幹部らによる米紙幣や軍票の不正操作事件に関する報告であり、これには
「トルコ風呂は、韓国軍による韓国兵専用の慰安所(=福祉センター Welfare Center)」
「売春婦は一晩をともにできる。料金4500ピアストル(38ドル)。サウナとマッサージ室はあいびき部屋として利用できる」
と書かれており、ベトナム人ホステスが働いていたという。