リステリア菌(リステリアきん)は、食中毒や感染症を引き起こす細菌の一種。
牛・豚・鳥・野生動物・魚等様々な動物や川・下水・穀物などの環境のあらゆるところに生息する。
したがって、様々な食品が汚染される可能性があるが、特にミルク、肉などの動物性食品の危険性が高いといわれている。
低温や塩分濃度が高い場合でも増殖できる。
妊婦、赤ちゃん、高齢者、基礎疾患(エイズ・白血病・糖尿病など)がある人など、免疫力が低下している人が感染しやすく、敗血症などを起こして重篤化しやすいため、これらのハイリスクの人は特に注意が必要である。
日本での発生は稀だが、アメリカでは毎年約2500人が重症のリステリア症を発症している。
原因食品
十分に加熱処理されていない食品が原因となることが多く、特にミルクと肉が危険。
アメリカでは十分に殺菌されていないミルクから作られた乳製品(主にチーズ)によるリステリア症が多発しており、問題となっている。
症状
発熱や咳など、インフルエンザに似た症状があらわれる。他の多くの食中毒とは異なり、下痢や嘔吐などの胃腸症状はあまりみられない。
健康な人であれば数日程度で自然に回復する。しかし、免疫力が低下しているハイリスクの人が感染した場合は重篤化しやすく、敗血症や髄膜炎などを起こして死亡することもある。また、妊婦が感染した場合、流産や胎児の障害の原因となる。
予防方法
- ハイリスクの人は汚染の可能性が高い食品をできる限り食べないようにする。なるべく加熱調理してから食べること。
- この菌は低温でも増殖できるため、冷蔵庫を過信しないこと。
- まな板や包丁の使い回しを避けるなど、汚染の可能性の高い食品からの二次汚染を防ぐこと。