2011年5月に第1巻が発売された
ストーリー
孤高の戦いにあけくれる佐倉杏子、正義を胸に見滝原市を守る巴マミ、
交わることのないはずのそれぞれの魔法少女としての戦いが、
『魔法少女狩り』という事件を中心に一本の物語を紡ぎ出す。
それは、彼女たちの運命を変えてしまうような事件――。
それは、新たなる魔法少女物語の始まり――。
(まんがタイムきららWeb、第1巻あらすじより)
作品解説
本編ではサブキャラクター扱いであった杏子やマミに焦点が当てられ、10話の中にあった別の時間軸を舞台に、オリジナルキャラクターも交えた物語が描かれている。
本編と同様(あるいはそれ以上)に悲劇的かつダークなストーリーが展開されている。
描写も1巻の数ページ目で内臓が露出した死体があったり、杏子がダルマにされたり、
2巻で先生が使い魔に食い殺されるなど、本編以上にグロテスクなシーンも多いが、耐性がない人でも読むことには支障は出ないだろう。
近年になり外伝作品が執筆され、主人公2人のキャラクターが掘り下げられたこと、映画「叛逆の物語」の描写と近似した部分が少なくないことから(外伝の連載は続いているが)二年経って再び評価された作品でもある。
まんがタイムきらら☆マギカvol.9では「『まどか☆マギカ』のスピンオフ作品として絶大な人気を誇る」と紹介された。
完結の翌年から刊行された、まんがタイムきらら☆マギカにて、不定期の連載がスタート。
こちらは本編時間軸の補完や、別時間軸を舞台にした物語など、番外編的な位置づけとなっている。
絵柄やグロテスクな描写から倦厭する人もいたものの、この二つからはグロテスクな描写がなくなり絵柄も万人受けするものになっている。(その代わりに[新約]は旧作以上に心を抉る内容になっているとか……)
同誌の定期刊行が終了した後、物語は2017年8月の単行本をもって完結。現時点では外伝作品群の中でも、最も長期に渡って展開された作品になっており、スマホゲーム「マギアレコード」にもいち早く参戦を果たした。
登場人物
コミックスオリジナルキャラクター
この話のキーパーソンであり事実上の主人公。1巻の表紙に描かれている緑髪の幼女。
両親を魔女に惨殺されたところを杏子に保護される。
強い杏子への憧れと一人になりたくないという想いから魔法少女(ネコミミ幼女)になる。
別編「symmetry diamond」では魔法少女にならず、杏子とも出会っていないが、彼女の存在が織莉子に影響を与えることになる。
白い魔法少女。「誰にも倒せない」何者かへの対抗策としてゆまの存在を見つけ出す。
何も知らないゆまをキュゥべえに契約できる少女がいると差し出し、杏子の死を予言、
再びひとりぼっちになる恐怖感を煽ることで魔法少女の契約を促した、この話の元凶といえる存在。
しかし、訪れる災厄を回避するために彼女が取った行動で、最終的に多くの命が助かっているのも事実である。
まどかとは別の意味で「魔法少女ものらしくない主役」。作者曰く「ラスボスみたいな主人公」。
番外編では本編と違った雰囲気になっている。
魔法少女狩りの犯人。黒い魔法少女。織莉子の手足。
どこか人格が壊れており、狂気の言葉と共に巴マミに襲いかかる。
[新約]「sadness prayer」ではついに彼女が本編のようになってしまった経緯が描かれた。
番外編「noisy citrine」は彼女の視点から描かれており、本編と設定は違うものの、「壊れて」いない彼女の本来の人格も垣間見ることができる。
番外編「noisy citrine」に登場。キリカの幼馴染の少女。
[新約]「sadness prayer」に登場。風見野の魔法少女で、他人の犠牲を顧みないトラブルメーカー。自身を粛清しようと追ってくる魔法少女たちを抹殺するため、織莉子たちと手を組む。
別編「symmetry diamond」でも登場しており、その際は見滝原の縄張りを狙って織莉子やキリカを抹殺しようとしていた。
織莉子と同じ中学校に通う女子生徒。魔法少女狩りの一番最初の犠牲者で、[新約]「sadness prayer」にてその詳細が描かれる。
本編では名前が出なかったが、別編「symmetry diamond」でモブキャラクターとして出た時に判明する。本編の時間軸での話の元となるエピソードに関わる重要な役割を担っている人物。
新約「sadness prayer」に登場。風見野の魔法少女で常に正しくあろうとするチームリーダー。沙々の非道な行いが許せずに彼女を追って見滝原までやってきた。
新約「sadness prayer」に登場。非常に好戦的な魔法少女。
新約「sadness prayer」に登場。アニメのヒロインに憧れて魔法少女になった。
美緒
新約「sadness prayer」に登場。沙々に殺された双葉(連載時は若葉だが彼女とは関係ない)の仇をとろうと単身戦いを挑むも乱入したキリカに殺される。作者のツイッターによると隠密の魔法が使えるとのこと。
本編登場キャラクター
本編での詳細はリンク先を参照の事
特に居場所を定めず魔女を狩っている魔法少女。
ひょんな事からゆまを拾ってしまったことをきっかけに「白い魔法少女」を巡る一連の事件に巻き込まれる。
過去、家族を失った経緯からゆまに対しては姉のように接している。
第1話・第2話のメインキャラクターであり、1巻の時点では「事実上の主役」と言っていい活躍を見せる。
見滝原をテリトリーとする魔法少女。第3話・第4話のメインキャラクターである。
キュゥべえから「魔法少女狩り」の噂を聞いた彼女はその犯人とされる「黒い魔法少女」の調査を始めるのだが…。
喧嘩別れしたのち長らく顔を合わせることのなかった杏子とも、この件をきっかけにお互い情報を交換し、共闘することになる。
見滝原をテリトリーとするもう一人の魔法少女。第5話~最終話のメインキャラクターである。
マミからの「魔法少女狩り」に関する警告を「知ったことでは無い」と一蹴し、「自分達に接触するな」と恫喝めいた言葉で彼女を遠ざけた。
この時間軸ではまだまどかやクラスメイト達とも友情を築いている。
「黒い魔法少女」という言葉から彼女が犯人に疑われることになるのだが……
ほむらのクラスメート。「マギカ」シリーズにおける全ての中心軸。
この物語における、その結末は……
素質のある少女達の前に現れ、魔法少女へ導く謎の存在。
表情はアニメのほうと同じ仕様であり、その胡散臭さも健在。
また、本作では飛行(と言うより浮遊)能力を持つことも明かされた。
第一巻では志筑仁美共々まどかのセリフにのみ登場。
第二巻では結界に呑まれた学校にて、仁美を庇いながら奮闘する。
今作では魔法少女になっておらず、出番は少な目。
第二巻64ページと65ページにのみ登場。
結界に呑まれた学校の、犠牲者その1という程度の役割であった。
魔女
本編同様、魔法少女が倒すべき対象・敵キャラクター。
1巻の巻末に「まじょ☆ずかん」が掲載されており、簡単なプロフィールと生前の姿らしきものを知ることができる。
なお、本編であった独自のルーン文字(通称まどか文字)ではなく、普通のカタカナ表記である。
結界内の文字も独自のルーン文字ではなく、ローマ文字となっている。
※漫画内では判明せず、「マギアレコード」のドッペルから判明した。
各話リスト
本編
話数 | サブタイトル | 発言者 |
---|---|---|
第1話 | 魔法少女になろうなんて考えるな | 佐倉杏子 |
第2話 | 泣いてなんかないよ | 佐倉杏子 |
第3話 | 愛は無限に有限なんだ | 呉キリカ |
第4話 | 絶対に許さない | 美国織莉子 |
第5話 | そのために私はここにいる | 暁美ほむら |
第6話 | いつかはいまじゃないよ | 千歳ゆま |
最終話 | 私の世界を守るため | 美国織莉子 |
新編
話数 | サブタイトル | 発言者 |
---|---|---|
第1話 | (タイトルなし) | (発言者なし) |
第2話 | あの少女には出会えない | 美国織莉子 |
第3話 | ただのやつあたりだよ | 呉キリカ |
第4話 | そのために今のわたしは在るのだ | 美国織莉子 |
第5話 | 魔法少女ってのもやってやるわ | 浅古小巻 |
第6話 | 一回くらいは頑張ってあげようかな | 行方晶 |
第7話 | 罪の重さに潰れてしまわないように | 美国織莉子 |
第8話 | 生まれ変わったような気分なんだ | 呉キリカ |
第9話 | わたしは繰り返す、この終末を | 美国織莉子 |
第10話 | 本当にあの時だったのかな | |
第11話 | こんなにいい子にしてるのに | |
第12話 | そんなことは知らない方がいいよ | |
第13話 | 彼女は悲惨な結末を遂げる | |
第14話 | だからわたしは子供でいてはいけない | 美国織莉子 |
第15話 | わたしに弱さを思い出させないで | 美国織莉子 |
第16話 | だからお姉ちゃんは怒ってるんです | 浅古小糸 |
第17話 | おまえは織莉子の敵だ | 呉キリカ |
第18話 | 彼女は未知の存在だ | |
第19話 | あなたのケーキは完成しない | 美国織莉子 |
第20話 | ごめんなさいってできないよ | |
第21話 | 君の願いを叶えにいこう | 呉キリカ |
第22話 | ただのわたし | 美国織莉子 |
第23話 | わたしはわたしの戦いをしよう | 美国織莉子 |
第24話 | わたしの世界を守るためよ | 美国織莉子 |
関連作品
- 魔法少女おりこ☆マギカ[別編]
キリカの過去が描かれた「noisy citrine」、織莉子の内面を描いた「symmetry diamond」の2作からなる。単行本には、これらの後日談を描いた読み切り「the last agate」が掲載されている。
本編とは別時間軸が舞台となっており、まどか☆マギカに登場する魔法少女たちは登場しない、本筋からは少し外れたおまけみたいなもの。そのため、後述する[新約]とは異なる描写も見られる。
- [新約]魔法少女おりこ☆マギカ
本編を補完する「sadness prayer」が連載されている。
関連タグ
魔法少女まどか☆マギカ 魔法少女まどか☆マギカの派生作品一覧
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