この世に悪があるとすれば
それは人の心だ
―――エドワード・D・モリスン
概要
テイルズオブシリーズの第1弾として1995年にスーパーファミコン版として発売された。
略称は「TOP」。固有ジャンル名は「伝説のRPG」。タグはファンタジアで登録される事が多い。
キャラクターデザインは藤島康介。
スーファミでは異例とも言えるOPで主題歌が流れる(なお最初は『ダウン・ザ・ワールド』)ことが特徴。
スーファミソフトとしては末期に登場したソフトで、前年にプレステやセガサターンが発売、同時期にはドラゴンクエスト6が発売されたこともあって、発売当初はそれほど注目されなかった。
しかし、口コミで人気が高まり、数々のシリーズ化に繋がることになった。
当初は出荷数が少なく、中古価格もなかなか下がらなかった。
テイルズシリーズ最初期の作品であるが故にキャラクターの中の人の入れ替わりが後年の作品と比べて非常に激しい。
ゲームシステム
第1作目ということもあり、本作オリジナルのシステムの他にも後のシリーズのシステムの元となるものがいくつかある。
- 戦闘システム
後のシリーズの基盤となる「リニアモーションバトルシステム(Linearmotion Battle System,略称LMBS)」を採用。
「LMBS」とは、RPGでよくあるターン制や、素早さの順番でキャラが行動するシステムではなく、同じ直線上に配置された敵・味方全てがリアルタイムで動き、行動することで戦闘が展開するシステム。
キャラのステータスや特殊技能といった基本的なRPGの概念だけではなく、キャラごとの動作の個性、敵と味方との位置関係、攻撃を受けることで行動が阻害される「仰け反り」など、アクションゲーム的な概念を取り入れている。
敵を全滅させると勝利となり、逆に味方が全滅すると敗北とみなされ、ゲームオーバーとなる。
- フードサック
「食料袋」の意。パンや肉、果物といった食べ物系のアイテムを使用するとフードサックに補充され、歩くごとにHPが回復する
リメイクでの追加・変更要素
- 戦闘システム
戦闘が上記の「LMBS」を進化させた「プログレッシブ・リニアモーションバトルシステム(P-LMBS)」に変更された。
- グレードショップの追加
エンディング終了後にクリアデータを保存して、そのデータから再開するとオープニングの前に「グレードショップ」を利用することが出来るようになった。
グレードショップとは、「ゲームの各種設定」を買うことが出来るシステムであり、その時「お金」の役割を果たすのがプレイヤーの戦闘内容の評価をポイント化した「グレード」である。
グレードショップを利用することによって最初から強力な技や術が使えるようにできる「術・技引き継ぎ」などの2周目が有利になる設定の他、「最大HP減少」や「経験値半分」など何を買うかによってプレイヤーの好きなように設定出来る。
- 料理システム
PS版から登場。フードサックシステムから自分で食材を使って料理するシステムに変更された。
各キャラによって料理の上手い下手がある。
- ストーリーのフルボイス化(PSP版のみ)
メインストーリーがフルボイス対応になっており、これに伴ってミントなどの一部キャラクターの声優が新しくなっている。(インデグニションもインディグネイションからインデグニションと録り直されている)
…他にも「戦闘時のキャラクターの頭身を2頭身から3頭身に変更」、「フェイスチャットの追加」などがある。
- let's go arch
GBA版のみの追加ミニゲーム。
すずの時空が舞台となりアーチェとすずが困っている人を助ける内容である。
ストーリー
ある日、トーティスの村に住んでいるクレスは、いつものように友人のチェスターと一緒に南の森(精霊の森)へと狩りに出かけていった。
ところが猪を仕留めたとき、村には異変が起きていた。
危急を告げる半鐘の音を聞いて帰ってきたクレスとチェスターの目に映ったのは、何者かに壊滅された村と虐殺された村人達であり、その中には、クレスの両親やチェスターの妹アミィの姿もあった。
二人は村が襲われた原因が、クレスがかつて父親から誕生日のプレゼントとして貰ったペンダントにある事を知る。
チェスターと一度別れたクレスは、両親と村の人々の仇を取ろうと村を襲った連中の手掛かりを探すが、逆に彼らに捕まってしまう。
そこで、同じように捕まっていた法術師の少女・ミントと出会う。
ミントの母親・メリルの形見のイヤリングの力を借りて、彼らは牢屋からの脱走に成功するが、村を襲った黒鎧騎士のマルス・ウルドールは奪ったペンダントを使って、ある儀式を行おうとしていた。
クレスとメリルのペンダントは、伝説の魔王ダオスを復活させるために必要なものだった。
阻止しようと地下墓地へ向かうクレス達だったが、ダオスは復活してしまう。
永い眠りから再び覚めたダオスはクレス達を殺そうとするが、チェスターが身をもってダオスの詠唱を止め、間一髪でクレスとミントはトリニクス・D・モリスンの法術によって過去へ飛ばされる。
クレス達はダオスを倒すために旅に出る。
旅の途中でクラースとアーチェとすずが仲間になり、時空を超える冒険に飛び込むことになった。
キャラクター
詳細は各キャラクターのタグを参照。
なお藤島康介によるキャラクターデザインは開発後期にナムコによって後付けされたものであるため、SFC版のドット絵は現在のデザインとは大きく異なっている。(ダオスのみ同じ)
パーティキャラクター
クレス・アルベイン…主人公。剣士。性格は熱血的な正義漢。
ミント・アドネード…ヒロイン。法術師。物静かでおっとりとした性格。
チェスター・バークライト…クレスの親友。熱血漢。
クラース・F・レスター…学者。性格は気難しく偏屈。
アーチェ・クライン…魔法使い。ハーフエルフ。酒豪。
藤林すず(SFC版のみ服部すず)…くノ一の少女。年齢の割にはクール。PS版以降パーティーキャラとなる。
ロンドリーネ・E・エッフェンベルグ 謎多き少女、XEのみのパーティキャラ。
敵キャラクター
ダオスとその配下
ダオス…ラスボス。かつて魔王と恐れられ、封印された男。
その他の敵キャラ
精霊
カメレオン(SFC、GBA版のみ)
その他の登場人物
主題歌
- OPテーマ
「夢は終わらない 〜こぼれ落ちる時の雫〜」
作詞:藤林聖子/作曲:関口敏行/編曲:岩崎文紀 /歌:吉田由香里(SFC版、GBA版)、よーみ(PS版、PSP版)
- EDテーマ
「星を空に…」
作詞:岸本大河/作曲:竹中敬一/編曲:竹中敬一/歌:吉田由香里(PS版)
当時、SFCのゲームに主題歌が流れながらムービーが流れることは珍しいことであった。
このスタイルは今後のシリーズにも引き継がれている。
リメイク・移植
1998年12月23日 PSでリメイク版が発売。
2003年8月1日 SFC版をGBAに移植。
2006年9月7日 PS版をPSPに移植。
2010年8月5日 なりきりダンジョンのリメイク作品「なりきりダンジョンX クロスエディション」となって、PSPで再度発売。ファンタジア本編にも追加キャラがいる。
2013年9月24日 iPhone版が発売(現在はサービス終了)。
余談
もともとは緋王伝の外伝という設定だった。
マーテルも緋王伝に登場する樹の精霊・ベアトリクスであったが、ナムコ販売となったことで無かったことになった。
関連イラスト
関連タグ
関連作品
小説
はるかなる時空 真紅の瞳 紺碧の絆 琥珀の回廊 瑠璃の夢 語られざる歴史 魔剣忍法帖
他、ドラマCD、OVA、漫画、サントラ等