作品における概要
リメイクとほぼ同義だが、創作において概ね「作品の世界観をリセットする」という限定的な意味合いで使われ、さほど長く作品の製作期間が空いていないものを指すことも多い。
目的としては、「複雑化した設定や話の展開を一度真っ更にし、整理してから改めてやり直す」、「シリーズが長丁場となり、新規の顧客が付きにくくなったので新鮮さを取り戻す」といった様々な理由から行われる。このため、キャラクターや専門用語などは同一のものを使うことが多い。
ただし、一部の作品にて「お祭り」的に全作品の同名キャラクターが一堂に会する展開も見られる。
なお、ガンダムシリーズやプリキュアシリーズのようにタイトルキャラクターを利用したシリーズ作品は、リブートと言われることが基本的にない。
海外ではかねてからこの手法が取られていて、日本でも近年は見られるようになった。混同されがちなリメイクは、同じ内容の作品を現在の技術で再度作り直すということにも使われる。一方、リブートは大半が「再始動」に用いられるものである。
リブートされた作品
特撮
日本を代表とする怪獣映画。昭和、平成、ミレニアム版などと、定期的に世界観がリセットされている。全てではないが、第1作から定期的に枝分かれしたパラレルな世界観が多い。
公式で「リブート作品」とされているものだが、本項目であげられている定義とはやや異なる。
「アマゾン」という名前を借りた、仮面ライダーシリーズとしても異質な別作品となっている珍しい例。
アニメ
- ドラえもん(テレビ朝日版)
2005年から始まった、テレビ朝日版ドラえもんの第2期。関係キャストのオールチェンジに伴い、世界観や設定なども変更。同世界観に合わせた旧作映画のリメイクも行われている。
リメイクと呼称されることが多いが、「再始動」という観点ではリブートとしての面も持つ。ただし1期と2期のみ地続きの続編である。
ゲーム
「スターフォックスゼロ」よりリブートを敢行。それまでの作品と繋がりはなく、声優も全て変更されている。
2018年発売の『6』においてリブートであることを公表。『5』では1608年だったが、『6』は1586年を中心に1583年から1590年を舞台にしている。
漫画
1995年に原作漫画の連載終了後、2014年から2015年にかけてキャラクターデザインや時代設定を現代風にアレンジしてアニメ化、二部作の実写映画『寄生獣』『寄生獣 完結編』が公開された。2018年からはスピンオフ漫画『寄生獣リバーシ』が連載されている。
2013年に原作漫画の連載終了後、「再起動」として2016年にフル3DCG映画『GANTZ:O』が公開、スピンオフ漫画『GANTZ:G』の連載、2018年には舞台『GANTZ:L‐ACT&ACTION STAGE‐』が上演されるなどのメディアミックス展開が行われた。
海外映画
1943年に実写化されて以降、リブートを繰り返している作品。1966年のテレビドラマシリーズの劇場版、原作コミックの雰囲気に合わせた1989年版、再びコメディに回帰した90年代のシリーズを経て、近年ではダークナイト・トリロジーなど。特にダークナイト・トリロジーはハリウッド映画にリブートの概念を一般化させたと言われ、これを期にリブート展開が行われる作品が増加した。
1948年に実写化されて以降リブート。アニメーションと組み合わせた白黒時代のシリーズ、1951年のテレビドラマに先駆けた劇場版、オリジナルと題した1978年から2006年までのシリーズ、原作コミックの設定に回帰した2013年以降のシリーズなど。
1968年から1973年までのオリジナルシリーズ、リブートされ2011年から2017年にかけて公開された『創世記』『新世記』『聖戦記』と副題を冠した三部作。
1979年から1985年までのオリジナルシリーズ、リブートされ2015年に『マッドマックス 怒りのデス・ロード』が公開された。
1979年から2002年までのナンバリングされた作品と、「新スタートレック」の登場人物を含めたオリジナルシリーズ、リブートされ2009年から始まったシリーズに区別される。
1987年に公開され、2014年にリブートが行われた。ただし話の筋書きそのものはオリジナルのリメイクとなっている。しかし2018年に1987年版の続編の製作が決定するなどしている。
- スパイダーマン(映画版)
2002年以降の映画版がリブートとされている。初期の三部作の監督が降板したことで、新シリーズ「アメイジング・スパイダーマン」がスタートし、以降は一つのシリーズとなっている。
なお、これ以前にテレビドラマ化された東映版スパイダーマンもあるが、これ自体が異質で、リブートと別件と言える側面もある。