概要
イギリスのウェールズ地方の言葉でビーバーを意味する水の魔物。古典文学においては『マビノギオン』などに登場する。
その名の通り大きな青黒いビーバーで描かれることが多いが、伝承によって巨大な怪物だったり、ワニのような姿だったりと、水に潜む魔物ゆえか、姿には諸説ある。今でいうネッシーのようなものか。
コンウィ川のシーン・アル・アーヴァンクという池に生息し、怪力の持ち主で性質はとても凶暴で、人を水の中に引き摺り込み、硬い爪で引き裂いて捕食するという。しかし、その一方でユニコーンのように美女が好きだという。このように典型的な水妖として伝わる一方で、あのキャスパリーグ並みに恐ろしい伝承を持つ。
ウェールズの詩人ヨロ・モルガヌグの話によれば、アーヴァンクは大洪水を起こしてブリテン島を滅ぼした。この大洪水を生き残った男女が今のイギリス人の祖先であるという。
このような怪物もいつかは英雄に敗れる物で、アーサー王やパーシヴァル卿の原型とされるペレドゥルに退治されたという。
創作作品では
アーヴァンクの動きを手本とした幻獣アーヴァンク拳ソジョが登場。
ちなみにソジョの名前は中国のネズミのモンスターに由来しており、十二支の子を意識した人選となっている。
黄色のブレイヴカード『アーヴァンクル』として登場。
デフォルメされたビーバーがシュノーケルを付けた姿として描かれている。かわいい。
女神転生シリーズ
初出は『デビルサマナー』で、種族は”妖獣”の仲魔として登場。
姿は伝承を元にした邪悪そうな巨大ビーバーである。
なお悪魔デザインの金子一馬氏のCG画集『金子一馬グラフィックス万魔殿―悪魔編〈上巻〉』では、名前の順で一番目に掲載されていたが、初版では二番目に掲載されたアイラーヴァタと説明文が同じという誤表記があった。