- 20世紀最高の魔術師アレイスター・クロウリーに「法の書」を授けた高次知性体。本記事で詳しく解説する。
- 1を基にしたとある魔術の禁書目録の登場キャラクター。魔術師アレイスター=クロウリーに「法の書」の知識を授けた高次知性体。本記事で詳しく解説する。
- 女神転生(通称、旧約)に登場する仲魔。種族は幻魔。
史実・魔術師におけるエイワス
英国の魔術師アレイスター・クロウリーがエジプトのカイロでホルス召喚の儀式を行った際に、「声」により「法の書」を授けた高次元生命体。
1904年、クロウリーとその妻ローズ=ケリーの旅行の際に行われた空気の大精シルフの召喚作業中にローズに謎の高次元存在が憑依した。その名も「エイワス」。現代の米国の魔術師は「アイワス」または「アイウォシュ」と発音する。
クロウリーはこの知性体を自身の聖守護天使とみなした。同時に秘密の首領(シークレットチーフ)、地球外生命体、ホール・パアル・クラアト(ホルス)の使者でもある。
エイワスの知識(法の書)はクロウリーの新興宗教「テレマ」の土台となり、テレマの神秘体系において、エイワスからの啓示があった1904年は新たな時代「ホルスのアイオーン」の幕開けと考えられた。
それまでの旧時代はキリスト教の奴隷であるオシリスのアイオーン、原始宗教が蔓延るイシスのアイオーン等と呼ぶ(テレマの創始者クロウリーが新時代の預言者)。
コロンゾン、30以上のアエティール、アブ・ウル・ディズ、アマラントラ、ラム。クロウリーに影響を与えた数ある知性体の中でも特に重要な存在と言える。
別名はセト、あるいはヨグ=ソトース。
クロウリーの思想と相容れない魔術師は、エイワスを人類を破滅に導く者とも言う。
セトのアイオーン
クロウリーの後継である悪魔崇拝者にして米国の元陸軍マイケル・アキノ中佐、彼もまた聖守護天使エイワスこそ「セト」と同一存在だと主張する。
曰く「ホルスのアイオーン」は人が神という一元的な妄執から解放される新時代の中で1904年に到来したテレマの預言者クロウリーの時代。
次は「サタンのアイオーン」。1966年以降のサタニズム「悪魔教会」の始祖アントン・ラヴェイの過渡期の時代。
次が「セトのアイオーン」。1975年以降の完成された最新の時代らしい。
出典
「英国魔術結社の興亡」
「霊視と幻聴」
「クロウリーの魔術日記」
「黄金の夜明け」
「図解 クトゥルフ神話」
「黒魔術のアメリカ」
「封印された黒聖書(アポクリファ)の真実」
「魔術の歴史」
メガテンにおけるエイワス
とある魔術の禁書目録のエイワス
名前の初出は7巻、登場は19巻。
魔術師アレイスター=クロウリーに「法の書」の知識を授けた者。聖守護天使、秘密の首領(シークレットチーフ)の真なる者、地球外生命体、ドラゴンなど様々な称号で呼ばれている。
ただし、本人曰くドラゴンのほうが本質により近いらしい。
法の書 - ホルスのアイオーン
史実通り、1904年アフリカ旅行中にクロウリーの最初の妻ローズ=ケリーに憑依、彼女の口述から「法の書」が執筆されている。
同書はテレマ僧院、そしてテレマ僧院を科学に擬態させた「学園都市」を始めとする魔術師クロウリーの科学思想の土台となる。
クロウリーにより1904年に人類が真なる目覚めを果たす「ホルスの時代(アイオーン)」が宣告され、古きオシリスが終焉を迎え、新たなホルスが産声を上げた。
魔術(運命)に反旗を翻したクロウリーにとって、エイワスがもたらした反キリスト的な魔術思想は魅力的で、その思想は作中時代に至るまでのクロウリーの足跡にも残っている。
恐らく最も有名なのがトート・タロットであろう。
これは晩年に編纂されたカードで十字教の誕生からハルマゲドンの到来、すなわちエイワスの接触があった1904年を起点に次の時代を謳歌する配列が組み込まれている、彼の名作の一つである。
作中では「ドラゴン」のコードネームで匿われる謎の存在として初登場。ヒューズ=カザキリ(風斬氷華)を製造ラインにして、この世界に再び現出。「オシリスのアイオーン」の力に囚われたアクセラレータを叩きのめした。
性格
見た目も価値観も超然としているが「全ての命は幸せになるための努力を怠ってはならない」という考えを持っており、命ある者への態度はやや暑苦しく意外とフランクな事もある。
予め身籠っていたローズに憑依し、クロウリーの娘「ニュイ=マ=アサヌール=ヘカテ=サッポー=イザベル=リリス」の生命力を位相に退避させ、リリスを救ったのもエイワスだった。
この時の彼の熱いセリフにもその熱が感じ取れるのではないだろうか。
ただし、作者はあとがきにて「エイワスは善人」ではないと言っていたが、これが何かの布石でないことを祈りたい。主にクロウリーと読者のメンタルのために。
対の様な立ち位置の存在の大悪魔コロンゾンに対してはかなり口が悪い。
毎回汚い物や酷い物に例えて呼び、事あるごとに貶して詰るなど、徹底的に蔑んでいる。
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