解説
ダウナー提督と艦娘たちの日常を描く漫画であり、艦これの二次創作漫画シリーズとしては珍しく戦闘シーンが全く無い。そういった部分の描写は出撃直前・帰投直後や、大破して死にかけるシーンの過去回想程度が精々で、本当に日常のやり取りのみに焦点を絞ったある種稀有な作品群。
また、作者の片割れ(「ムンム's」は作画担当とネタ担当の二人一組のペンネームである)が陸上自衛隊経験者であり、その背景を活かしての設定やネタが散見されるのも特徴。
pixivにおいてはニコニコ静画に投稿されたものをまとめて投稿する形式が取られている。
特に作品に対する呼称は決まっていない……というか、絵師の通り名である『顔芸に定評のあるムンム』の方が有名すぎるため、作品群そのものを指す呼称がなくとも特段問題がなかったという部分が大きい。
このため当記事においては、この作品の見所の一つとして知られる「顔芸」と、当シリーズの中心人物である提督「久村夏樹少佐」から取った『久村顔芸艦隊』の名称を暫定的に使用する。
ぴったりな呼称お待ちしてます。
登場人物
登場する艦娘たちは原作のイメージを大まかに踏襲してはいるが、作中でもわざわざ触れている通り、濃すぎるキャラ付けにより元のキャラや二次創作の鉄板からの乖離が激しい艦娘も散見される。
(例:神戸生まれのワイルドな重巡、所かまわずゲス顔で悪戯に邁進する白露型一番艦 等)
とはいってもこういったケースはごく一部にとどまっており、国柄のメタネタ、陸自出身のネタ担当の豆知識などを織り交ぜての個性豊かなキャラクター達が描かれている。
しかしなにより特筆すべきは、様々なタッチで描く顔芸の数々であろう。
登場人物の総数が多いため、ここでは絞って記載する。
久村夏樹
顔芸艦隊を統べる提督。階級は少佐。好きな飲料はココア。水着はビキニと競泳が好み。
作中では旧陸上自衛隊出身で、軍部再編により設置された海軍へと出向して指揮を執っている。初期艦は叢雲。なお、派遣されて来た彼女との初対面は工廠以外何もない地で久村自らが更地に一から基地を建設中の場面という衝撃的過ぎる(叢雲談)ものだった。艦隊創設時に充てられるはずの予算が各部署の手違いで当初のきっかり半分しか支給されず、それを補うマンパワー確保のため建造に資材を全投入した(その際叢雲に半ベソで怒られたそうな)という逸話を持つ。結果、叢雲 加古&那智 初春&響 衣笠&熊野 白露&木曾 妙高&由良 古鷹(着任順)の最古参組は艦隊として活動する以前に基地建設に従事することとなった。
ちなみに基地建設に明け暮れていた時期の艦隊のスローガンは「エンピ・ツルハシ・バンガロール」だったとか。
多くの艦娘たちから(色恋方面で)好意を寄せられているが、自分から一線を超える選択肢は選ばない。既に経験済みの艦娘は例外なく女性の側から回避不可能なように迫った結果である……。
艦娘誕生以前は小笠原方面部隊で深海棲艦と戦っていたが、派遣された島において同僚たちが悉く命を落とし、唯一の生還者となってしまったという経歴を持つ(詳細は不明だが生き残った味方同士で殺し合ったらしき描写もある)。また、その際の光景を悪夢に見るのか十分な睡眠がとれていないようで、しょっちゅう執務室のソファーで昼寝をしている。
が、やっぱりここでも夢見が悪いようで執務室で眠る際はほぼ必ず艦娘が誰かしら付き添っている。
提督とはそれなり以上に付き合いが深いが別に提督LOVEというわけではなく、恋愛というより親愛や友愛方面の感情を持っている……らしい(同時に金剛お姉さまLOVE成分もかなり低い)。しかし作中では正妻の如きポジションで、提督が精神的に疲弊していると真っ先に察してフォローに回る等、良き理解者の一人。だが色恋についてもしっかり理解しており、提督と艦娘の信頼関係にはそういうコトもアリと考えてよく提督や艦娘たちにちょっかいを出している。
殆どが所謂「全部知ってるやつ」ポジションに立っての愉快犯のような立ち回りではあるが。
久村艦隊における提督LOVE勢筆頭。海外艦勢の取りまとめのようなこともやっている(主に行事の際)。週に何度か他の海外艦勢と共に提督の自室へ泊まりに行っているが、これは個人的な理由だけでなく他の海外艦娘が早く日本の艦隊に馴染めるようにという狙いもあるとのこと(このため当然ながら夜戦は無い)。
初めては逆レ……と言うことになっている。
オスカーと言う名の黒猫を飼育しており、鎮守府各所に出没している。一応飼い主はビスマルクのはずだが、現状は鎮守府全体で可愛がられる共有ペット状態。
久村艦隊では比叡共々古参の部類に入る。鉄底海峡での作戦に参加した際、大破して艦隊から落伍し敵地ど真ん中の島で一人死にかけていたところに単身救助に来た提督に命を救われたことがある。
そして帰還後そのまま初体験した模様。提督の飲料の好みについて知る数少ない一人。
当然の如く提督LOVE勢だが、比較的新顔なせいもあってかこの手の二次創作では珍しく出遅れている。未経験。大型戦艦や海外艦勢が提督と桃色メイクラヴしていることを知っては嫉妬から強烈な顔芸を披露するのが通例。また、同じく新参かつ未経験の榛名とは一緒に行動する場面も多く、提督関連の話題で醜く争うこともしばしば。この点も基本的に姉妹に対しては良き姉であるケースが多い艦これ二次創作界隈では珍しく、全体的にあまり他所では見ないキャラ付けとなっている。
主に提督執務室に出没する覗き魔。どうやら憲兵扱いで派遣されてきているらしい。
無警戒に眠っている提督に手を出そうとしたビスマルクの前に突然姿を現してゲス顔で煽ったり、逆に眠っている提督で遊びに来た龍田に簀巻きにされて床に転がされたりとかなりアレな扱い。
昨今は久村艦隊をスパイした資料を作成しているという一人遊びに興じていたり……。
この作品における(現状)唯一の提督HATE勢。
「大本営のクソッタレ上司共よりはマシ」とかなり辛口な良いんだか悪いんだかよく解らん評価を下しているが、その理由として「艦娘を(自分から)性的に襲わない上に指輪も買わないから自分の査定が上がらない」と言い放つ辺りかなりアレな感じ。……一応、コレが本音かどうかは判らないということは記しておく。
アル重の通称で知られ、二次創作界隈では専ら飲んだくれては姉に折檻されるのがデフォとなりつつある(実際初登場時はそんな感じだった)中、まさかの休肝日習得や1か月以上の禁酒に成功。ただしアクィラ着任パーティーで休肝日発言をした時は驚愕した姉&戦艦姉妹からものすごい勢いで問い詰められた。
深海棲艦たち
久村艦隊は主に北方方面に展開しているが、その地域の深海棲艦たちと当鎮守府は友好関係を結んでいる模様。例を挙げると、お中元を寄越しにわざわざ連れだって鎮守府までやってくる、哨戒中に遭遇した久村艦隊の艦娘と与太話に耽る、別艦隊から落伍した艦娘を保護して送り届け、挙句飯を食っていく等。