概要
第1話より登場し(出番で言えばグールギラスよりも早い)、物語の舞台であるツツジ台の中に深い霧の中に居座っているが、ただその場に鎮座しているだけ(銅像や石像に見える)で動くことはなく、また、当作に登場する他の怪獣達と違い、グリッドマン同盟や新世紀中学生にしかその姿を認識できない(但し、同盟も最初は響裕太にしか見られておらず残りの二人はサムライ・キャリバーによってグリッドマンがアップグレードされた以降になって初めて見えるようになった)。
最初に見えたのは一体だけだったのだが、実は町中には多くのこれと同じ姿の怪獣がそびえ立っている。
その正体(ネタバレ注意)
第6話におけるアノシラス二代目の話によれば、やはりこの怪獣もまたアカネが生み出したいわばツツジ台の「管理怪獣」で、アカネ自身が引き起こした怪獣災害およびそれで殺された人間の情報をガスによる記憶改竄で書き換えて町の人間に怪獣の存在を知られないようにしていた。
そもそもツツジ台とはアカネが作り出した街であり、そこ以外には人が住めるような地理は存在しないとし、街の住民がツツジ台駅に停車する電車に乗ると窓の外が濃霧に覆われた瞬間に眠たくなる描写があったのもツツジ台の外には何もないことを悟られぬようこの怪獣が人間の意識に干渉する催眠性のガスをばら撒いていたためだという。
人間の意識の書き換えだけでなく町の状態の維持にも関わっているらしく、アノシラスの説明中に流れた街を作るゲームのような場面でデフォルメされたこの怪獣が複数現れてグールギラスが破壊した街を修復していたように表現されており、その解説の終わりにはツツジ台の町そのものがベノラの形に描写され、最後にアノシラス二代目は「町そのものが怪獣になってしまった」とも言及している。
作中で「ベノラ」の名前が登場する事は無いが、記憶に作用する毒ガスを発生させる能力からグリッドマンには「毒煙怪獣」とベノラの別名と同じ呼称を使われていた。
しかし、第10話にてアカネの精神状態の影響のせいで誕生したと思しき怪獣ナナシBによって全ての謎の怪獣が首を斬られる形で撃破され、町を包む霧が消滅、以降住人の記憶の改竄や街の周囲の偽装も行われなくなり、その後、最終回にてグリッドマンのフィクサービームによって街の修復と世界が広がると同時に残っていた亡骸も全て消滅した。
アレクシスいわく元々何もなかった世界を怪獣によってスクラップアンドビルドしてきたそうなので、最終回で明かされた他の真実とかみ合わせるとツツジ台に最初に生まれた怪獣はこの怪獣だったのかもしれない。
なお、なぜこの怪獣が元々藤堂武史の被造物だったベノラに似ていたのかについては最後まで説明されることはなく、ネットに出回っていた設定資料によると思春期の子供が作る怪獣は自然とこのベノラに似た姿になると記載されていたが、これに関しての具体的な理屈も意味不明である。
一説には本作が特撮版の続編と仮定した場合、それの25話と26話でベノラとグリッドマンの存在が現実世界の人間たちにも知れ渡ったという経緯から、そのことを記憶していた現実のアカネがベノラをモチーフにしてこの怪獣たちを作り上げたのではないかと言われているが、それもやはり明確な根拠はない(これだと実際のアカネは既に成人している世代のため、当時の新聞やニュース映像などで知ったとも考えられるが、アカネはなぜか同時に伝えられていたはずのグリッドマンのことは知らなかった)。