概要
エゥーゴの『Z計画』によって開発された、同組織初の可変型モビルスーツ。形式番号MSA-005。
上半身と下半身が3本のアクチュエーターで接続された構造を採用しており、その結果強度的に問題を抱え格闘戦には不向きな機体となってしまっているが、その分メンテナンスが容易な機体に仕上がっている。
運用試験が行われた後、戦闘に耐えうる為の多少の改修を受けた上でアーガマに配備され、その実戦データがΖガンダムの開発に役立てられた。
また、変形機構がΖガンダムと比べ簡便なため、後のZⅡやリゼルには同じ変形機構が採用されている。
なお背部ユニット(MA形態時の機首部分)は艦内では干渉する事がある為、艦内を移動する際は機首を頭部に被せた中間形態的な状態になる。
当初はファとレコアが交代で搭乗していたがレコアがティターンズに寝返った後はファがメインパイロットとして乗るようになった(劇場版ではレコア機とファ機が別に存在し、レコア機が破壊された後にファ機が配備されている)。
グリプス戦争を駆け抜け、続く第一次ネオ・ジオン抗争においても運用されたが、ネオ・ジオンのMS相手には性能不足だった感が否めず、また戦闘を重ねる毎に機体のダメージも蓄積していき、最後は下半身を失った状態で出撃しZガンダムのサポートに回った際に被弾、制御不能に陥りコロニー『シャングリラ』へと流され放棄された。
武装
アーム・ビームガン
前腕部に搭載された半固定装備。砲身を180度回転させ、使用する。
モビルアーマー形態でも使用可能。
ビーム・サーベル
脚部に左右合計6本内蔵されている格闘戦用装備。
通常のサーベル状のビームの他、ヒート・ホーク状のビームを発生させる事も可能。
修理装置
スーパーロボット大戦シリーズに登場する際には修理装置が搭載されている。
これは、機動戦士ガンダムZZでジュドーのZガンダムのライフルの補給をしていたシーンが元になったと思われる(ジュドーが空のエネルギーパックのライフルで出撃してしまい、替えのパックを持って救援に行った)。
この他、劇場版では百式のメガ・バズーカ・ランチャーへのエネルギー供給もしている為、実際の劇中ではどちらかと言うと補給要員のイメージが強いが、補給装置が搭載されるのは第2次スーパーロボット大戦Zからである。
基本的に火力は低く、直接戦闘能力よりも修理機能を重要視されているが、ゲームでは欠かせない戦力である。
バリエーション
MSA-005 メタス(エーヴィ・アルヴァ専用機)
「ADVANCE OF Z 刻に抗いし者」に登場。
可変試作機であったメタスを実戦向けに改装した機体。
両脚に収納されているビームサーベル六基の内四基をビーム・ガンに換装し、オプションとしてグレネード・ランチャーを装備する事で火力を強化。
構造的に脆弱な胸部をカバーする増加装甲、フレキシブルバインダーの追加によって耐弾性・運動性を向上させている。
結果、ノーマルのメタスより重量が増加した分加速性能が低下してしまったものの、戦闘能力は増大している。
また、本機をSFSとして使用出来るよう、MS用グリップが背部ユニットに設置されている。
MSA-005K ガンキャノン・ディテクター
初出はZ-MSV
メタスのムーバブルフレームを流用した砲撃戦用機。
詳細はガンキャノン・ディテクターの項目を参照。
MSA-005M メタス・マリナー
初出はZZ-MSV
第一次ネオ・ジオン抗争時、アクシズによる地球降下作戦に対抗するため、地球降下からそのまま拠点制圧を行う目的で開発された水陸両用機。
大気圏突入には機体下部に専用のフライングアーマーを装着し、着水後はボートとしても利用でき、排除することで潜水を行う。頭部はバイザータイプのものに換装され胸部の張り出しがないものに変更された。背部には大型ハイドロシステムを装備し水中では高い運動性を誇る。股間部および脚部リアアーマーには計3基のスタビライザーが設置されている。爪先部にはセンサーが増設され、整流を考慮した形状に変更されている。
先行量産機がロールアウトした時点で既に戦局は宇宙へ移ってしまっていたため量産化には至らなかった。
MSA-005S メタス改
「Z-MSV」に登場。カラバの試作可変MS。
詳細はメタス改を参照。
立体物
1/144並びにHGUCシリーズにラインナップされている。 双方可変機構を忠実に再現しており、後者は艦内移動形態が再現可能で劇場版Zガンダムで百式のサポート時に使用したコードが付属する。
SDガンダムフルカラーでもラインナップされている※現在は入手困難
関連項目
ホシノ・フミナ:『ガンダムビルドファイターズトライ』に登場するキャラ。模型の世界へ飛び込む時のデビュー作として本機のHGUCのキットを選んでいる