本記事には『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』第10章の重大なネタバレが書かれています。
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概要と考察
マギウスの翼によって半魔女「エンブリオ・イブ」と化した環ういの魔女形態の正式名称である。第10章において???魔女の手下の名前が「幸福な魔女の手下」であることが明かされ、さらにイブ戦においても真名共々この名前が明かされることになる。
プロフィール
考察
これまでの魔女は「○○の魔女」であるのに対し、この魔女は「幸福な魔女」とされている。この点だけ見れば異質な要素ではあるが、それを解き明かす鍵は使い魔たる幸福な魔女の手下の説明文にある。
神浜市中でその姿を見るツバメの姿をした魔女の手下。どうやら主への献呈品として魔力を集めて回っている模様。
さらにイブの姿も王冠や宝石で飾られている。これはすなわちオスカー・ワイルドの童話『幸福な王子』がその元ネタと考えられるという事になる。王子は金箔と宝石を恵まれない民に与えるようツバメに託した。それが幸福な魔女においては逆にツバメの姿をした使い魔が主のために魔力をかき集めている。
そして真名は「shitori egumo」。これはこれまでも作品がドッペルの元ネタとして引用されてきた宮沢賢治の詩集『春と修羅』収録の「永訣の朝」の一節「ora orade shitori egumo」から来ている。
この詩は賢治が妹トシ(とし子)の臨終を題材としたもので、トシが亡くなる間際の言葉を岩手弁の「おら、おらでしとりえぐも(私は、私は一人で逝きます)」と綴り、それをさらにローマ字に置き換えた物である。
死の淵にあるトシとそれを想う賢治の姿は、本作における環いろは・うい姉妹に投影できるものとなる。