概要
近鉄が運行する特急系統の1つで、大阪と伊勢志摩を結ぶものを指す。
基本的に毎時2本設定されており、1本が大阪上本町~鳥羽、もう1本が大阪難波~賢島を結ぶ。大和八木駅で京橿特急との接続があるほか、乙特急は名阪特急の停まらない布施、大和高田、榛原、榊原温泉口(及び早朝深夜以外通過する伊賀神戸)にも停まるので、名阪特急の補完にもなる。なお、布施駅は日中のみの停車であり、桔梗が丘には朝の上りと夜の下りのみ停車(名阪特急も同様)。
早朝・深夜を中心に松阪止まりや名張止まりとなる列車もあり、昼間時と異なり通勤ライナー・ホームライナーのような利用を想定している。
昼間時は4・6両編成での運行が基本であるが、ラッシュ時を中心に8・10両編成で運行される特急も多い。長編成の場合名張で後部2~4両を切り離す。
名阪特急同様甲特急と乙特急があるが、甲特急は伊勢志摩への観光客が減少した2000年代以降一気にその数を減らし、現在では土休日に1往復が走るのみである。ただし、これとは別に甲特急と同様に停車駅の少ない「しまかぜ」が2013年に新設されている。
甲特急と一部の乙特急は23000系「伊勢志摩ライナー」で運転される。1993年のデビュー当時も甲特急の大半を同列車が担ったが、その後の運用変遷で伊勢志摩ライナーやビスタカーが乙特急、一般車が甲特急に充当されるような時代も続いた。現在では甲特急そのものの減少もあり目玉列車である伊勢志摩ライナーの充当に戻っている。
下り大阪難波20時50分発の阪伊乙特急は、後続の21時発名阪「準」甲特急(甲特急だが、津以降は乙特急と同じ駅に停車)に名張駅で追い抜かれる。新幹線を除けば通年設定される日本唯一の特急同士の同格退避例である。
停車駅
汎用特急(阪伊乙特急)
大阪難波-大阪上本町-鶴橋-(布施)-(大和高田)-大和八木-(榛原)-名張-(桔梗が丘)-(伊賀神戸)-(榊原温泉口)-伊勢中川-松阪-伊勢市-宇治山田-五十鈴川-鳥羽-志摩磯部-鵜方-賢島
太字は当駅発着がある駅。
(括弧内)は一部の列車のみ停車。
鶴橋までと伊勢中川から先は全列車の停車駅が共通。日中は大阪難波発の賢島行きが大和高田・大和八木・榛原・名張・伊賀神戸に、大阪上本町発の鳥羽または宇治山田行きが布施・大和八木・名張・榊原温泉口に停車する。
夕刻以降は全便が鳥羽以北までとなるが、大阪上本町発が布施を通過する以外停車駅は基本昼間と同じ。
上りで10時までに大阪上本町に到着する列車及び下りで大阪難波を20時台以降に出発する列車(殆どが松坂以北発着の通勤ライナー的性格の列車)は布施を除く全特急停車駅に停車する(ただし桔梗が丘は一部通過)。
しまかぜ・阪伊甲特急
大阪難波-大阪上本町-鶴橋-<大和八木>-伊勢市-宇治山田-鳥羽-(志摩磯部)-鵜方-賢島
しまかぜは<大和八木>に停車し(志摩磯部)を通過。甲特急はその逆。
しまかぜは火曜運休。甲特急は土曜休日にのみ運転。
発車メロディ
大阪難波駅で「しまかぜ」の発車を知らせる際には、ヨハン・ブルグミュラーの18の練習曲第2番「真珠」が流れる。大阪上本町駅の地上のりばで特急の発車を知らせる際には、ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルの「水上の音楽」第2組曲第2曲「アラ・ホーンパイプ」が流れる。