概要
この駅は名古屋線、山田線、大阪線のデルタ線となっており、形式上は終点である大阪線が、始点である名古屋線および山田線へ合流することになるため、主要駅として機能する。
発着する路線 | 駅番号 | 隣の駅(特急系は省略) |
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大阪線 | D61 | 普通:川合高岡駅(D60)、急行・快速急行:榊原温泉口駅(D57) |
名古屋線 | E61 | 急行・普通:桃園駅(E43) |
山田線 | M61 | 普通:伊勢中原駅(M62)、急行・快速急行:松阪駅(M64) |
また、対面乗換(島式ホームの両側に止まった列車相互で乗り換える形式)が可能であり、一部の列車では両方の扉があき、乗り換えしやすい状態になっている(3・4番線は線路の両側にホームがあり、最大で2~5番線の間で下の通路を通ることなく平面で移動可能な構造)。折り返し列車の設定もある。一方で、一部の近鉄特急には当駅を停車・経由しない列車も存在する(阪伊甲特急・名伊甲特急・しまかぜ・名阪特急)。
ダイヤ上、名阪間乗継利用の対面乗換中に連絡線を通る名阪甲特急「ひのとり」が通過・先行していくパターンもあり、間接的な同格待避ともいえる。
歴史
開業は1930年(昭和5年)。駅名は松阪市の前身、一志郡嬉野町の大字に由来している(現在の所在地は嬉野中川町)。
この駅は大阪電気軌道の子会社であった参宮急行電鉄により作られ、本線の一部である参急本線(参急中川駅 - 松阪駅間、のちにこの区間は山田線となる)および津支線(参急中川駅 - 津駅、のちに名古屋線になる)の駅として参急中川駅として設立された。その後参急本線は延伸され、参急中川駅 - 佐田駅(後の榊原温泉口、この区間は大阪線となる)が設立され、現在の路線の形がすでに成立している。
1938年(昭和13年)には伊勢電気鉄道(もともと津と四日市をつなぐ鉄道を運営する予定だったが後に伊勢神宮への路線に手を出し、他社との敵対もあり経営が行き詰まり参宮急行電鉄に買収された)が敷設し、大阪電気軌道が名古屋まで延伸させた路線に電車を直通させるため津支線を狭軌に敷設しなおした。
1941年(昭和16年)に参宮急行電鉄が親会社の大阪電気軌道に合併され、関西急行鉄道となったため、駅名を現在の名称に改めた。また、この際参急本線は系列分割され、大阪線および山田線の始発駅および終着駅となった。1959年(昭和34年)には名古屋線を標準軌に敷設しなおし、これにより大阪~名古屋間が直通可能となった。1962年(昭和37年)に駅構内に短絡線を導入、これにより名阪特急は座席の向きを変えなくて済むようになった。
旧国名がつけられたのは、開業当時すでに山形県に中川駅(省線。国鉄を経て現・JR東日本)があったためといわれる。
ただし地元住民には単に「中川駅」として知られ、以前は、列車の行き先表示でも旧国名の伊勢を省いていた(当駅のみならず河内長野→「長野」、大和西大寺→「西大寺」などの例がある)。
駅構造
島式4面・単式1面の計6線。
ホーム有効長は、3~5番線は10両分あるが、唯一単式ホームとなる6番線は2両分しかない。
なお、改札は地下連絡通路に1箇所のみ設置されている。
利用状況
- 2017年(平成29年)度の1日平均乗降人員は8,272人である。
利用状況比較表
年度 | 乗降人員 |
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2008年(平成20年)度 | 7,606人 |
2009年(平成21年)度 | 7,430人 |
2010年(平成22年)度 | 7,392人 |
2011年(平成23年)度 | 7,390人 |
2012年(平成24年)度 | 7,416人 |
2013年(平成25年)度 | 7,710人 |
2014年(平成26年)度 | 7,642人 |
2015年(平成27年)度 | 7,918人 |
2016年(平成28年)度 | 8,142人 |
2017年(平成29年)度 | 8,272人 |
2018年(平成30年)度 | 8,345人 |
2019年(令和元年)度 | 8,322人 |
関連項目
中川かのん:名字の「中川」は伊勢中川駅を由来とする。
中川駅(無印):横浜市都筑区(横浜市営地下鉄ブルーライン)と山形県南陽市(JR東日本奥羽本線)にある中川駅についてはそちらの記事を参照。