概要
1966年より製造された中型ディーゼル機関車。
おもにローカル線における客貨列車の牽引や駅・操車場・車両基地等での入換業務を目的とし設計・開発された形式。
牽引・制動力の確保と軸重制限を両立させるため動軸は5軸となっており、そのため1端側(ボンネットが長い側)の台車は3軸台車となっている。3軸台車は曲線区間で横圧が大きくなることを避けるために各軸が独立して首を振るように工夫がなされている。
本線運用や入換業務に手頃な車両であったことから、1978年までに708両が製造された。
しかし、客車列車・貨物列車の削減や各駅の貨物扱い廃止による入換作業の激減により多数が失職。
1987年の国鉄分割民営化に際してJRグループ全7社に361両が承継された(東海車は既に全廃)。
中には新製後僅か9年で余剰廃車になった車(1757号機など)も存在した。
エンジンはV型12気筒ディーゼル機関のDML61ZA(1000番台以降はDML61ZB)を1基搭載。
重連総括制御装置を持ち、一般仕様の全車が重連運転可能である。
DD51形とも総括制御により重連運転が可能だが、最高速度は75km/hに制限される。
派生形式として貨物ヤードにおける重入換業務に特化したDE11、除雪用機関車としての機能を付加したDE15がある。
どちらかといえば目立たない運用が多かったが、国鉄時代には寝台特急「あかつき」や「日本海」の一部区間の牽引機を務めた時期があった。
JR化後は1990年から1997年まで陸羽東線を経由して運行された寝台特急「あけぼの」の同線内での牽引機を務めた。
また、各地で観光列車・イベント列車の牽引機としても運用されている(地方の第3セクターでも譲渡機で同様な例が見られ、また専用鉄道では同型機が運用されていることもある)。
老朽化や車両需要の変化から現役両数は減少傾向にある。
貨物以外の会社で廃車となった一部の車両がJR貨物に移籍している。
近年は国内の1067mm軌間中古車輛の海外譲渡が目立つようになっているが、同系列の設計であるDD51やDD16が軌間を変えて譲渡されるケースがあるのと異なり、当形式はそのような譲渡実績が全くない。
譲渡先は現在全て日本国内の1067mm軌間の鉄道事業者等のみであり、かつその数も少ない。
内側軸受の駆動台車部分が2軸側・3軸側共に複雑な構造をしており、改軌どころかバックゲージ修正のための調整すらJRの機関区でも出来ない(工場送りになる)事が余剰になろうとも譲渡先を探しにくい一因とされる。
派生形式であるDE15からミニ新幹線用ラッセル車(DD18)を作る際も、転用された部分はラッセルヘッド部分のみである。
2017年8月より下今市~鬼怒川温泉間でJR北海道所有の貸出機C11-207牽引のSL大樹の後補機として運用されている。同機の故障時や定期点検中は「DL大樹」として列車の先頭に立っている。
関連イラスト
関連タグ
HD300:入換業務の後継機関車
DD200:汎用用途の後継機関車
旧国鉄・JR以外で同形を所有する(していた)鉄道事業者一覧