概要
1984年に発売されたファミリーコンピュータ用光線銃シリーズ第2弾。
光線銃型コントローラ「ガン」を使用しないと遊べないゲームである。
原型になった作品は1976年発売の玩具「光線銃ダックハント」(詳しくは後述)。
ゲーム内容
茂みから出てきたカモを打ち落としていくAモード、難易度が上がったバージョンのBモード、手前から奥へ飛んでくるクレーを撃っていくCモードが存在する。
ファミコン版で登場する猟犬は、茂みに入り込み、カモを茂みの外を追いやるのが役目である。打ち落としたカモの襟首を持ち上げ、しっかり獲物を捕れたことをアピールしてくれる。
しかし1匹も撃ち落とせなかった場合は、猟犬が馬鹿にしたかのようにプレイヤーを笑う。その腹立たしい笑い顔に国内…というより海外のプレイヤーからの怒りを買っており、不人気ゲームキャラの投票では、意外にかなりの票が入り上位に来ている。挙句の果てには、この猟犬を射殺しまくるFlashゲームまで作られてしまう程の徹底的な嫌われっぷりである。後年癪に障る笑いをしている時、ついにツッコまれた。
2014年12月24日、Wii U バーチャルコンソールで配信が開始された。
Wiiリモコンを光線銃に見立てて操作する形が取られており、十字キーで照準表示の有無を設定する機能を追加するなど、若干のアレンジもなされている。
注意点
このゲーム(ファミコン版)をプレイする場合、現在広く出回っている液晶テレビではプレイ出来ない。
何故ならブラウン管テレビでないと、光線銃型コントローラー「ザッパー」が走査線によるターゲットの命中を認識できないからである。
従ってこのゲームをプレイする場合、モニターとしてブラウン管TVに接続する必要がある。
バーチャルコンソール版はWiiリモコンで代用しているため、当然液晶テレビでも問題なくプレイできる。
[pixivimage:25474806m]
歴史
原型になった作品は、1976年に「光線銃カスタムシリーズ」という単品のおもちゃの一つとして発売。これは1970年以降に発売され大ヒットした「光線銃SPシリーズ」の流れを汲み進化した玩具で、プロジェクタに映し出した光のカモの影を打ち落とすというものだったのだが、当時で9,800円とおもちゃとしてはかなり高価すぎたこともあり、あまりヒットしなかった。
その後、任天堂は1980年発売のゲーム&ウオッチや1983年発売のファミコンで再び大ヒットをおさめ、上記の光線銃ダックハントを改めてファミコン用に作り直したのがこのゲームである。
アメリカではNES(海外ファミコン)本体とセットで販売されていたり、スーパーマリオブラザーズとの2in1のお徳用カセットなどが発売されていたため、(主にアメリカの影響で)世界での売り上げ総数は非常に高く、アメリカでは非常に知名度が高いゲームとなっている。
また、海外ではアーケード版「VS.ダックハント」もリリースされている。
コラボレーション
『大乱闘スマッシュブラザーズDX』では、このゲームに登場するカモがフィギュアとして登場している。
『メイドインワリオ』及び『まわるメイドインワリオ』ではカモを撃つプチゲームが、『さわるメイドインワリオ』ではクレーを撃つプチゲームがそれぞれ収録されている。
『テトリスDS』ではスタンダードレベル19でダックハントのゲーム画面が登場する。
『はじめてのWii』ではステップ1のシューティングの的としてカモが登場。さらにレベル3はクレー射撃である。
そしてまさかの…(ネタバレ注意)
[pixivimage:45930140m]
『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS/Wii U』では、なんと隠しキャラクターとして参戦。
画面内では上記の猟犬とカモがコンビを組んで戦っており、主に地上攻撃を猟犬が、空中攻撃をカモが担当する。猟犬のあの癪に障る笑い顔も健在である。
さらにホーガンズアレイの爆発するカンやワイルドガンマンのギャングなどもワザにより登場しており、ファミコン光線銃シリーズ全体を包含したキャラクターとなっている。
前述のカンやクレー射撃およびスマッシュ攻撃では、ターゲットが現れて画面外から狙撃されるが、参戦ムービーでは謎の手がテレビ画面の外側から(海外版の)ザッパーで撃っていることになっている。
この手はフィギュア名鑑でも「誰か」としか説明されておらず、素手であるためマスターハンドやクレイジーハンドとも無関係と思われる。
ムービーのタイトル『一匹、一羽と一丁と』からも分かる通り、彼らは実は対地の猟犬・対空のカモ・特殊ワザのザッパー(を持った画面外の手)のトリオキャラである。
ちなみにこの謎の手は「スマ知識では第三者」「フィギュア説明文では誰か」「ピットのスマッシュアピールでは謎のガンマン」と表記がゆれており統一されていない。
このためか、カンとクレーの場合、たとえ自分が移動していてもガードしていても、はたまたアピールしていようがふっとばされていようが任意のタイミングで追加入力が可能。
クレーの場合は撃ち抜かれたクレーが破裂して追加ダメージを与え、カンの場合は設置技でありながらこれで斜め上に跳ね上げることができる。
追撃に妨害にと、使い方は幅広い。
最後の切りふだは、『ダックハント』のカモが相手に襲いかかり、『ホーガンズアレイ』の的と一緒に並べた上で『ワイルドガンマン』のギャングが一斉掃射する「光線銃セット」。その名の通り光線銃シリーズ3作の要素が集約されており、シリーズを知っている者には感動のオールスター演出である。
Wii U版では自身の出典ステージ「ダックハント」を引っさげて参戦(後に3DS版にも更新データにより追加された)。
実は、最初は関係者のリークによってネットに情報が出回り、「誰得枠」「他に出すべきキャラもっと居るだろ」と一部から酷評されていた。
しかし実際にゲームが発売されると、「一部の技が本体状況とは無関係に操作可能」「多彩かつ自在な飛び道具によって弾幕を展開出来る」と言った今までのスマブラにはいなかった個性的な性能が発覚し、あっという間にプレイヤーの支持を獲得した。
この扱われ方は前々作からのMr.ゲーム&ウォッチや、前作のロボット・ウルフに近い。
なお、海外でのダックハントは、NES本体+かのスーパーマリオとともに付属のセットが存在しており場合によってはマリオレベルで知名度がある。
ニンドリでの桜井氏の発言によると、初期開発時には既に候補として名前が挙がっていた模様。
ちなみに3DS版で勝利したとき、画面隅に表示されるカモのシンボルが、画面外に見切れるというバグが初期から発生していたが、結局最後まで修正されなかった。他のキャラのシンボルは皆画面内に収まっているのに…。
最新作の大乱闘スマッシュブラザーズSPECIALに続投。前作までは星になったときだけ犬のボイスが存在したが、今作ではそれ以外にもボイスが追加された。
今作では必殺技すべてに手が入り、その為前作と操作性が大幅に異なっている。
トリックショットは缶が跳ねる距離が良くも悪くも大きく山形に。フレーム数とベクトルが変更されたことで被弾中の自爆抜けと、自爆抜けからの撃墜が殆ど不可能に。ベクトル反転させた缶で自分の方に吹っ飛ばす事が困難にと総合的に見ると弱体化気味。
ガンマンは射線が表示され、退場するまでの時間が増加し弱体化。倒されると更に長くなる。さらに攻撃が貫通しないように。その為前作の様な連発や敵の飛び道具を貫通して攻撃する事が不可に。
また、特定のガンマンの攻撃が缶に当たっても跳ねないというバグらしき仕様がある。
ダックジャンプは途中にキャンセル可能な時間ができた。その為攻撃や回避、壁キックなどが可能になり、完全な無防備ではなくなった。
だが逆に言い換えればキャンセルしてしまうという事なので、ダックジャンプで横移動しながら缶を射撃すると、クレーが暴発してしまう事に。
その為復帰しながら缶の操作に非常に神経を使う羽目に。また、キャンセル可能になったとはいえ撃墜されやすい技に変わりなく、受け身の為に回避ボタンを連打しているとこちらも回避が暴発してしまう。
おかげで受け身の為にボタン連打で対処するのが不可能に。さらに今作は吹っ飛ばしの初速が非常に速いため、受け身への反応速度が前作よりも必要に。
とはいえ空中回避で距離を伸ばせるので強化はされている。
そしてクレー射撃変更点は、謎の手がヘタクソになった事。前作まではクレーを確実に破壊できたが、今作ではある程度速度が落ちるまで弾が当たらず破壊が不可能に。
その結果、クレーの連発速度の低下、クレーの破壊が遅れる=缶の操作不能時間の増加=クレーor缶を使いたいときに使えない場合の増加と、前作とは完全に異なる使い勝手になった。
また、クレーを自分以外に破壊されると自分にも当たり判定が出るようになり、半自爆技に。
だがクレーを当てた後のコンボルートが増加し、クレーから上強orスマッシュ、クレーからメテオ、小ジャンプ大ジャンプと組み合わせて3連続でクレーを当てるといった芸当が可能に。
弱体化された技の養分を吸ったともっぱらの噂。
必殺技以外の技もリーチの低下、吹っ飛ばし力の低下など弱体化が目立つ。
さらにゲームスピードの上昇と、全体的に後隙が少ない仕様も相まって、主力の技に後隙が多いダックハントには辛い環境。
綜合的に見ると当たれば強いクレー頼りになり、逆に言えばクレーを当てられないととにかく辛いキャラになった。
その為、如何にしてクレーを当てるかが肝になっていた。
なっていた
Ver2.0.0のアップデートでクレーが大きく弱体化。
クレー破壊時の破片の当たり判定が縮小され、さらに発動後の隙の増加と相手の拘束時間の減少によってクレーを絡めたコンボがほとんど不可能に。
かろうじて残っているコンボも相手との距離やダメージ%、ベクトル変更で繋がるかが制限されている為、安定したコンボというのは実質没収。
その代わりなのか缶発動後の隙が減ったが、クレー弱体化をカバー出来るほどの強化ではないため結局マイナス。
ユーザーからは「forと比べて大きく弱体化したが、クレーが強いのでクレー主軸にして戦えという事なのだろう」という見方をされていたが、クレーも弱体化されてしまいアップデート当日は阿鼻叫喚の地獄絵図となった。
Ver3.0.0ではクレーと缶のシールド削り値が低下。弱体化に思えるが缶をガードする機会が多いため、敵も味方もシールドブレイクされる危険性が低下したためプラマイゼロか。
Ver.3.1.0では空中上攻撃の拘束力が強化。以前は最後まで当たらずすっぽ抜けやすかったが、これによりすっぽ抜けにくくなった。
「勝ち上がり乱闘」におけるダックハント編のタイトル名は…
キングクルールPVのデデデ大王ポジションでバンジョーとカズーイ参戦のPVに登場。
今回は犬だけではなく鴨も一緒に笑っていたが降ってきた二人に吹っ飛ばされた。
また、PVの最後にキャラが勢ぞろいするシーンで唯一犬だけ背中……というか尻を向けている。ダメージが残って立てないのか、それとも……。
ダックハントが選ばれた理由としては「鳥とのコンビキャラつながり(スマブラのダックハントは厳密にはトリオだが」「ダックハントの8Pカラーがバンジョーとカズーイっぽい色をしている」「鳥に頼ったアクションが多い」「PVのネタが天丼な為、デデデ以上の煽り芸ができるキャラが必要だった」などの理由が考えられる。
鳥とのコンビというアイデンティティが脅かされ始めたダックハントの明日はどっちだ。