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アップフェルラント物語の編集履歴

2019-07-10 17:12:45 バージョン

アップフェルラント物語

あっぷふぇるらんとものがたり

『アップフェルラント物語』とは、田中芳樹による冒険小説。これを原作とした舞台公演(ミュージカル)・漫画・アニメ映画も制作されている。メイン画像は本作のヒロインであるフリーダ。

作品解説

20世紀初頭の中央ヨーロッパの架空の小国「アップフェルラント王国」を舞台に、廃鉱山に埋蔵されたという超兵器を巡る争いを、主人公の少年ヴェルギールおよびフライシャー警部の視点から描いた冒険小説。


1990年3月、徳間書店より初版刊行。小説は田中芳樹、挿絵および漫画版はふくやまけいこが執筆。

電信や飛行機が出る等、一応「科学は進歩であり、進歩は幸福であると信じこむことができた時代」を描いているが、

  • 大国が小国の重鎮を操りクーデター騒動を起こさせ、その鎮圧を名目として軍事力にものを言わせた併合を目論む。
  • ぽっちゃりしたおばさん」として描かれる小国の女王が、「ドイツへの怨念をたぎらせ復讐のための根回しをしている血族」と接触し外交努力する

など国家間の権謀術数が描かれてもいる。


なお作中で言われる「ホクスポクス・フィジブス」は、「『ケストナーの終戦日記』から取った」とあるが、マジシャンの唱える一般的な呪文である。


登場人物

※(声:)はアニメ映画版の声優名、(演:)はミュージカル版の俳優名を表記

  • ヴェルギール・シュトラウス(声:山口勝平)(演:大和光)

本作の主人公であるアップフェルラント人少年。周囲からは「ヴェル」と呼ばれており、詳細はそちらの項目を参照。

  • フリーダ・レンバッハ(声:皆口裕子)(演:恋香うつる)

本作のヒロインであるドイツ人少女(ロシア在住)。

  • アルフレット・フライシャー(声:江原正士)(演:東雲あきら)

もう一人の主人公と言える、30代前半のアップフェルラント人男性。王国警視庁警部で、乗馬に長けている。

  • アリアーナ・ヴィシンスカ(声:勝生真沙子)(演:千爽貴世)

もう一人のヒロインと言える、20代後半のポーランド人女性。当時、分割占領されていた祖国の独立を志す。


余談

 初版された書籍には、田中芳樹の「近代または現代の欧州の何処ぞに架空の国をでっち上げ、そこで大冒険をする話を描くぞ」という本作刊行前のマニフェストが収録され、そこで「列車砲は火を噴くわ、複葉機は墜落するわ」という話の宣伝(Wikipediaでは否定的であるが、こういう描写が本作にはある)をしている。こっちで力説して「他を書けとは言われんだろう」と言ってはいたが、そのインスパイア源である『ゼンダ城の虜』に出てくるルリタニアに似た国名の「ルシタニア」が出てくる『アルスラーン戦記』の方こそ巻数がでている。


関連作品

夏の魔術 - 本作と同じ作家および挿絵画家による小説シリーズ。

薬師寺涼子の怪奇事件簿 - 本作と同じ作家による小説シリーズ。30代前半の男性警察官と20代後半の女性が主人公。


明日のナージャ - 本作と同じく20世紀初頭のヨーロッパを舞台にしたアニメ。

異世界はスマートフォンとともに。 - web小説版にて、作品名や発言者名は伏せられたものの、とある台詞を「昔、読んだ小説に書いてた」として主人公が引用する。また、「ヴェルの女性版」といえる人物が、主人公の妹分兼使用人として登場する。

関連タグ

田中芳樹

アニメージュ - 1992年2月号から1992年11月号まで漫画版が連載された。

講談社 光文社

徳間書店 - 本作を最初に刊行した。

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