概要
渋谷系の意味するところは、時期により以下に分けられる。
1.
90年代前半に六本木のWAVE(レコードショップ)の隆盛やJ-WAVEの開局、CDの普及などで大きな勢いとなったJ-POPの一系統。60年代や70年代をリスペクトしたりモチーフとすることが多い。
当時の邦楽(特にロック)といえば、(ヴィジュアル系に代表されるような)ド派手なメイクと激しいサウンドがメインストリームであったため、敢えてそれに逆行するようなファッションや音楽性を全面に押し出したジャンルといえる。
初めは否定的な文脈で用いられていたようだが、やがておしゃれな意味としてとらえられ、現在では再評価もされている。
主な渋谷系ミュージシャン
- ピチカート・ファイヴ…代表曲は「東京は夜の七時」「ベイビィ・ポータブル・ロック」など。
- フリッパーズ・ギター…小山田圭吾と小沢健二が属していたグループ。
- オリジナル・ラヴ…上記ピチカート・ファイヴの一員だった田島貴男が設立したバンド。
最近ではPerfumeやきゃりーぱみゅぱみゅの楽曲提供でも有名な中田ヤスタカ、いとうせいこうなどが参加している□□□(くちろろ)などがネオ渋谷系の代表的アーティストである。ゼロ年代のアキバ系の影響を受けたアイドルマスターなどの音楽もアキシブ系と呼ばれ、ネオ渋谷系の一種と考えられる。
2.
ゼロ年代における、原宿系ファッションの一派。こちらは区別のためにシヴヤ系とも表記される。
3.
上の二つを含む概念。パルコの渋谷進出から始まった渋谷、原宿での若者文化の総称。古くは竹の子族などのストリート文化も含む。アキバ系に対する概念であり、新人類世代以降のサブカルチャーはファッションの渋谷系とオタクのアキバ系に分けられるとされる。
結局、渋谷=おしゃれなイメージがこの言葉の核心といえよう。