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227系の編集履歴

2019-12-27 14:02:49 バージョン

227系

にひゃくにじゅうななけい

JR西日本が広島・和歌山地区に導入している近郊型直流電車。

共通事項

基本仕様は225系をベースとして、先頭部を521系3次車仕様に変更し、ワンマン運転に対応させた車両となる。


JR西日本の在来線用車両としては初採用となる技術が数多く盛り込まれており、具体的には「新保安システム」(番台毎に異なる)、戸挟み検知機構、伝送速度100Mbpsの制御伝送システム、フルカラーLED式行先表示器、グラスコクピットが該当する(後2者N700系が初)。車両制御システムに互換性がないため、在来系列との併結運用は不可能である。


この227系の顔は、その後225系2次車、323系にも採用されており、「227系顔」としてJR西日本の新たな顔となった。もっとも、一番最初にこの顔を採用したのは先述の通り521系3次車なのだが………

JR West Newest Faces


フルカラーLED式表示器

JR西日本では221系以来種別・行先表示器は「種別幕+2色LED」の形態が続いてきたが、とうとう本系列よりフルカラーLED式の採用に至った。これに伴い側面の表示器は種別幕と行先表示器が一体化されている。


この表示器の汎用性を生かして、種別表示部に特殊な表示を出すことも可能であり、0番台にはカープ坊や、1000番台にはパンダや鹿などが入っている。いずれも新製時から用意されており、カープ坊やは2016年のプロ野球・広島東洋カープの優勝を機に満を持して登場、翌年以降も同様の掲出がなされている。

西日本豪雨からの復興時には、「がんばろう!広島」のメッセージを通常表示と交互に出す編成も現れている。


0番台(広島向け)

【HD-J西_電07】広島支社の本気じゃけえの!【227系】

国鉄型車両が大量に残っていた広島地区向けとして2014年10月に登場。JR西日本発足後、初めて広島地区に投入される新型車両であり、国鉄時代から数えても広島シティ電車政策で導入した115系3000番台以来32年ぶりとなる。


2015年3月より営業運転を開始し、2016年2月までに3両編成42本・2両編成16本の158両が登場。その後2年間の増備休止を経て、2018年春より増備を再開。2019年春までに3両編成64本、2両編成42本の計276両が揃い、広島近郊の国鉄形電車を全て置き換えた。

3両編成はA編成、2両編成はS編成となっており、編成ごとに各車両の車番末尾を揃えるため、S編成は車両番号が-65からスタートしている。


外装・車内

カラーリングは「広島らしさ」(県木のもみじ、広島東洋カープ厳島神社大鳥居など)をイメージした赤基調の新デザインとなっている。このデザインに至るまでは、複数のカラーリング案が検討されていた。駅施設のサインシステムと一体化したこのデザインの評価は高く、2015年度グッドデザイン賞の受賞に至っている。


車内は扉間が2+2列の転換クロスシート、車端部がロングシート。先頭部の幌が翼を広げたように見えることや、将来の広島近郊の公共輸送を担うことなどから、「未来へ羽ばたく赤い翼」という意味の「Red Wing(レッドウィング)」という車両愛称が付けられた。


走行装置

足回りはベース元の225系とほぼ同一で、「0.5Mシステム」を引き継ぎ採用している。

制御装置はIGBT-VVVFインバータで、形式はWPC15A。東芝製と三菱製が存在する。

主電動機は車体風洞方式のWMT106A。妻面にワンマン運転用の窓を設けられた関係で、動力台車上の車体側面に主電動機冷却用のルーバーがある。

台車は、運用上高速走行をしないことから、225系にあったヨーダンパとトーションバーが省略されている。


中間車のモハ226は、225系のモハ224と違って動力台車が下り側に配されるのも特徴。新保安システムとして、ATS-DWを中心とした能動的車両制御を行う「D-TAS」が搭載されている。


1000番台(和歌山向け)

227系1000番台

JR西日本が保有している105系は奈良・和歌山地区(桜井線和歌山線紀勢本線用)にも残っており、また117系も使用されていたことから、その代替車両として2018年9月に登場、翌2019年3月より営業運転を開始した。

車体カラーは緑色基調で、車内はオールロングシート。車両側面に入口・出口標識と車載型IC改札機を搭載してワンマン運転に対応している他、2021年に導入される無線式ATCにも対応している。


走行機器は323系で採用された最新型となる。制御装置は主回路にSiC適用型半導体素子を用いたもので、形式はWPC16で、こちらも東芝製または三菱製。このうち東芝製は、東京メトロ2000系と共にフルSiCモジュール初採用の事例となった。

主電動機は全閉外扇式のWMT107。冷却風の取り込みが不要となったため、0番台にあった側面ルーバーがなくなっている。ヘッドライトもLED式に変更された。


2019年9月までに2両編成28本の計56両が揃い、117系105系4ドア車の置き換えを完了。翌2020年3月には113系も置き換え、阪和線から国鉄車は消滅となる。


余談

  • 投入地区や車内設備、最高速度から「225系の地方向け簡易版」と言われることが多いが、先述した通り在来系列の上位互換とも言える装備を数多く装備しているため、機能自体は225系の上位互換である点に留意する(車内設備や最高速度などは、あくまで投入線区に適した設定がなされているのみで、性能的な制約ではない)。
  • 最初に登場した0番台のA01,A03編成は減速時のVVVF音がかなり大きく、「グオオオオン」という爆音を発していた。2本とも営業運転開始までに改修されており、現在では聞くことができない。

関連タグ

225系 323系 521系 キハ127系 JR西日本 近郊形電車

山陽本線 可部線 呉線 シティライナー 安芸路ライナー

桜井線 和歌山線 紀勢本線

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