概要
機械やサイボーグなどに搭載される架空の装置。動くスピードを爆発的に加速させる装置である。
この表記の場合は、漫画『サイボーグ009』で使われた、使用者を加速する装置を指すことが多い。
作中では009(島村ジョー)の奥歯に装着されており、噛み締めたり、舌で押さえつけることで体感速度を含めたすべてのスピードが上昇。走る速さはマッハ3に達する。また、002(ジェット・リンク)も加速装置を持つが、使用される場面は少ない(例えば原作では初期でしか使用していない)。他にも音速に加速するサイボーグ(0013)なども登場している。
難点として、この加速装置を使用すると、体幹速度が引き延ばされるため周囲が猛烈なスロー(地の文によれば「相手が1動く間にこちらは10の動作が出来る」)になってしまい、あらゆる音がビロンビロンの低音にしか聞こえない(進行方向と同じ向きの場合、音を追い越してしまい全く聞こえない)、逆にこちら側が話す音はチップとデールみたいな超高音になりとても聞いてもらえないという事が挙げられる。また、トップスピードで闘う場合は、周囲が静止して見えるため非常に気色悪い光景が視界を揺さぶるらしく、序盤で同じくマッハ3に加速した0013と戦闘した際には、009はかなり精神ダメージを受けていた。
なお、加速時には『仮面ライダーカブト』の「クロックアップ」や、『ドラえもん』のマッドウォッチのように時間軸をずらしているわけではないため、本人にはすさまじいGと大気摩擦がかかり、速度の二乗に応じて破壊力も増す。従って、加速した009に触れた物体は、マッハ3で動く巨大砲弾が衝突したのに等しいダメージを負う(作中でもこれを利用して防弾ガラスを体当たりで突き破っている)。よって、生身の人間を加速装置で救助すると即死する可能性があるとジョーも言及している。……その割に原作では市場から高速でカニを買って来たりしているが。
『結晶時間』というエピソードではこの加速装置が暴走し、ジョーは1か月もの間完全に静止した時間で過ごさねばならなかったという地獄のような展開になった。ちなみにこの話は仮面ライダーディケイドの「カブトの世界」の原作でもある。
ちなみにこの”加速装置”、原点はSF作家アルフレッド・ベスターが1956年に世に送り出した傑作SF小説「虎よ、虎よ!」に登場する主人公ガリヴァー・フォイルが使ったものである。
奥歯のスイッチを噛みしめて起動させるところも009と一緒である。