- 中国の三国時代の将軍。本稿で解説。
- 『真・三國無双』シリーズの登場人物。→夏侯惇(真・三國無双)
- 『恋姫†無双』シリーズの登場人物。→春蘭
夏侯惇(かこうとん)は、三国時代の曹操軍の将軍である。かこうじゅんと呼ばれることも。
概要
呂布との戦いの中で左眼に矢を受け失ったことから隻眼の将として知られている。
演義においてはその際に射られた左眼を「これは父母から貰った物である。どうして無駄にする事ができようか」と食した事で強烈な印象を残した。
上記のように武官としての印象が強い夏侯惇だが(そして演義や多くの創作物でその様に描かれるが)、史実では李傕軍にフルボッコにされたりと戦闘関連では意外に冴えない所がある(むしろそれは曹操の仕事だった)。
一方で軍費が足りない時には自分のポケットマネーから兵士の給料を出したり、宮殿の造営において駆り出された人夫たちと一緒に働いたりと、政治面ではその清廉な人柄によって曹操の名補佐役を務め上げ続けた。
その功から最終的には大将軍の地位に任ぜられ、るが、実際はどちらかというと文官向きの人だったのかもしれない。
(もっとも、14歳の頃に学問の師を侮辱した男を殺したというエピソードもあり、気性が荒い人物だったのは確かなようだ)
曹操からも絶大な信頼を置かれ、臣下の礼を取らないでよい特別待遇不臣の礼まで許して(魏ではなく漢の官位を与えられていた)遇しようとしたが、夏侯惇はそれを固辞し君臣の節度を守り続けた。220年、曹操が亡くなったのを追うかのようにその直後に死去。
ちなみに、演義では曹操に化けて出てきた人々の亡霊を通りすがりに見てしまい、そのまま病死したとされている。とんだとばっちりである。
近年発見された彼の陵墓から見つかった副葬品は、彼の清廉さを示すかのようにただ剣一本のみであったという。
なお、彼のトレードマークともいえる“隻眼”であるが、片目を失ったことは本人には相当のコンプレックスであったようで、「盲夏侯」とあだ名される事を大変に嫌ったり、鏡を見るごとに地面に叩きつけていたという。
ちなみに、曹操が皇帝になることについては資料によって発言がまちまちで、今一つはっきりしていない。
園田光慶の描いた漫画「三国志」に登場する夏侯惇は、最後の登場まで両眼で曹操に“経済の鬼”と評される人物になっている。
その他の二次創作等で曹操がはっちゃけた役柄になっている場合、概ね彼がツッコミ・ブレーキ役を引き受けることになることが多い。
反三国志では、演義以上に酷い扱いを受けている。馬休に右目まで潰され、生涯戦闘不能に陥る。つまり戦死さえ許されなかった(曹操の帝位簒奪の際、曹操から爵位を与えられているので生きているが、その後死んだという描写も無い)。
十三支演義
声:鈴木達央
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