『週刊少年チャンピオン』1985年20号から33号にかけて連載された。
単行本全2巻。文庫本1巻。
最近では絵師神の絆に根沖トロ子が登場したことで知った人も多いのではないだろうか。
あらすじ
根沖トロ子は、どんな番組に出演しても失敗ばかりのダメタレント。
だがそんなトロ子を起用し続け、不自然なほどヨイショする東西テレビに、三流ルポライターの間久部緑郎(ロック)が探りを入れる。
東西テレビで最大の13号スタジオは、3年前から怪奇現象が多発していたが、トロ子がスタジオにいる間だけはそれが静まるのだという。
その理由はトロ子しか知らない。トロ子こそ、13号スタジオに住む妖怪ブッキラの秘密の恋人であった。
概要
テレビ局に憑いた妖怪のブッキラ、タレントのトロ子、ルポライターのロックらが巻き起こすコミカルな怪奇漫画。
序盤は、ロックがトロ子の周辺をかぎまわるが、ブッキラにしてやられる展開。それ以降は、トロ子が怪奇現象に巻き込まれ、ロックとブッキラがドタバタしながら解決に奔走する話が続く。
手塚治虫がアニメの制作で忙しくなったため、短期終了している。
登場人物
東西テレビの13号スタジオに居ついていた妖怪。
少年と狸を混ぜたような獣人の容姿。狸の尾を思わせる縞模様のネクタイ。下半身は丸出し。
人間の言葉を話すことができず、人間からすれば不可解なカタカナ言葉しか発しないが、これは妖怪の言語。
空を自由に飛びまわり、物を動かしたり泥を出したりといった超能力を使う。
妖怪学校の登校拒否生徒で、実は妖怪の世界とつながっている13号スタジオにやってきた。
トロ子になつき、意思疎通ができる。トロ子に近づくロックには容赦しない。
東西テレビのタレント。
天然ボケでマイペース、わがままで、時にヒステリック。虚言癖あり。
ドラマに出ても演技はできない、番組を任されても失敗ばかりの上、余計なことばかりしてめちゃくちゃにしてしまう。
しかし呪われた13号スタジオを使うにはトロ子がいなければならず、上層部は頭を抱えている。
ブッキラの恋人。トッポちゃんというヤギのぬいぐるみに話しかけることでブッキラを呼び出すことができる。
アパートで一人暮らし。序盤以降、トロ子がスタジオにいても怪奇現象が起こるようになったため、局に干され、家にいることが多くなった。趣味はぬいぐるみの収集。
うさんくさいと評判の雑誌『クロスカウント』のルポライター。
また、金貸しをして他人の弱みを握るといったことも行っており、他人からの信頼はゼロ。愛したことも愛されたこともない孤独な男。
東西テレビを調べるうちに、トロ子・ブッキラと知り合い、数々の怪奇事件に遭遇する。
ブッキラを金のために売ろうとしたり、トロ子に対してはうだうだ言いながらも、結局は二人を助けるために行動してしまう。
手塚スターシステムによって出演しているロック・ホームに当たる。黒髪、黒スーツ、サングラスと、いつものロックだが、サングラスが半透明で表情が見やすくなっている。今作ではコミカルな表情が多い。
仁古見宇呑(にこみうどん)
東西テレビのプロデューサー。
トロ子を使うことに現場のスタッフからせっつかれるが、13号スタジオの怪奇現象を話すことができず、板ばさみにあう。
ロックに借金があり、ヤクザを使って脅しをかける小悪党。
手塚スターシステムのハム・エッグに当たる。
ザザプトン先生
学校が不良のために荒れており、困っている。