曖昧さを回避
- トヨタの自動車の一つ本稿で記述
- 動物の一つ⇒ハイラックス(動物)
概要
1968年に初代が登場。以後2004年までに、6代にわたって製造・販売が行われた。ただし、2017年9月から販売は再開されている。北米以外では7代目(ヨーロッパでの現行モデル)および8代目(オーストラリアとタイ、そして日本での現行モデル)が存在する。なお、北米では5代目を持って輸出・販売が打ち切られ、タコマに移行されているが、このタコマは、初代に関しては、ハイラックスの北米バージョンと言える存在ではある。
一貫してトヨタのブランドで発売されているが、以前は開発・製造共に日野自動車が主に関わっていた。これは1961年から1967年まで日野が製造・販売を行っていたピックアップトラックのブリスカの流れを汲んだ車だったため。なお、ブリスカに関しては、1967年から1968年にかけての短期間、トヨタが販売している(製造は引き続き日野が担当)。なお8代目に関してはタイで生産される。
また、4代目と5代目に関しては、派生車種としてハイラックス・サーフが存在した。乗用車のノリのピックアップトラック的キャラクターの自動車だった。なお、ハイラックス・サーフは後にタコマベース、さらにはランドクルーザー(・プラド)ベースとなった後に2009年に消滅した(余談だが、実は先に宿敵である日産のダットサントラックが消滅していた・・・)。
なお、これに伴い、日本市場からハイラックスの名前がひとまず消えたのだが、先述の通り2017年9月に復活した。
5代目については、ドイツ・フォルクスワーゲンの工場でも作られたことがあり、フォルクスワーゲン・タロの名前で発売されている。
ハイラックス最強伝説
イギリスBBCの炎とクラッシュの自動車バラエティTopGearで、「ポルシェなら速さ、メガーヌなら安全性、ではコイツなら何をテストするか?頑丈さだ」と言い、耐久テストという名の数々の無茶振りに耐え、ギブアップ勝ちを取ってしまった。
具体的に言えば、中古(1000ポンド、走行距離11万9000マイル)の5代目ハイラックスを「部品交換不可、ただし基本工具での修理のみ可(ただし小屋への突撃の際にはフロントガラスが完全に破損しており、運転手が小屋の破片が飛び込んで危ないので防御用にアクリルプレートをフロントガラス部分に装着)」と言う条件で2週間にわたり、
階段の走行や立ち木への衝突から始まり、海中への完全水没、普通の車なら一発で足回りが死ぬ高さから落とす、TOPGEAR製作オフィス(と称した小屋)へ突撃、キャンピングトレーラーを上からぶつける、建物解体用の鉄球でボコボコにする、火を放つ、爆破解体する23階建てのマンションの屋上に設置して爆破解体に巻き込む(さらにその後重機で雑に回収される)と、徹底的に壊す気満々のテストを行った。
水没後、放火後、さらには爆破解体後(ここまでしてもサスペンションは生きていて、モノコックやフレームが原形を留めている上、エンジンブロックが曲がりすらしていないことがわかる)でも基本工具での修理(応急処置)のみでエンジン始動に成功し、スタジオまで自走してきた(この時シャーシが折れており、ボディがシャーシを支えるというとんでもない状態になっている)ことで、観客はもちろんジェレミー・クラークソンら辛口司会者陣の大喝采を浴び、結果「本当に凄い車」としてスタジオ内に常設展示される事となった。このハイラックスは最新シリーズでもかなり目立つ場所に展示されている(特に日本車紹介ではハイラックスの大写しから始まることも多い)姿が確認出来る。
しかし、何より凄いのが、戦場で活躍していることなのである。そもそも、ピックアップトラックというのは汎用性が高いことで有名で、紛争地域では信頼性の高い日本製ピックアップトラック(主にハイラックス)が人気があり、発展途上国や独立武装勢力はそのままの形あるいは装甲を強化して人員や物資の輸送、さらに荷台に重機関銃や対戦車火器(無反動砲や対戦車ミサイル)を搭載して、車上射撃を可能にしたテクニカルへと改造されており、これらは紛争の優劣を決する存在へとなっている。
なお、チャド内戦では政府軍、反政府軍ともにハイラックスをはじめとするトヨタ製のピックアップトラックを改造、使用しており、その様子がメディアに流れたことで、この内戦は「トヨタ戦争」と呼ばれるようになった。
その耐久性を活かして、ダカールやアジアクロスカントリーのようなラリーレイドでもワークス・プライベーター問わず活躍している。また、タイではサーキットでのワンメイクレースが行われているという・・・・・・・・・。