一見すると「ドスケベ条例」「壁尻オブジェ」「ヤリニケーション」など卑猥な言葉をちりばめたただのバカゲーのようにも見えるが（そしてそうした側面もあることはあるが）、「「町中でも乱交可能」という条例に対する外部の批判・非難をかわすためにどのような対策がとられているか」「町中の施設や装置がどのような仕組みで運用されているか」「現地住民はなぜ条例に異を唱えないのか」などが作中でちゃんと補足説明されており、ストーリーだけでなく世界観の完成度も高い。上記の通り初見だとバカゲーやヤリゲー（抜きゲー）のように思えるが、実際はスタイリッシュADVの名に恥じない内容となっている。公式サイト右上のVISUALCHANGERや、下記の2ndOPからその雰囲気をぜひ感じて欲しい。

また機動戦士ガンダムや仮面ライダーといった往年のシリーズや、果ては『ノロイ』『1984年』『フルメタルジャケット』といった映画まで、会話の隅々にまで散りばめられた多種多様な作品のパロディが特徴的で、個々のルート名はキャラクターによって「ガンダムネタ」「ライダーネタ」といったように縛りがある。

特にライダーに至っては『2』に2019年放送作『仮面ライダージオウ』ネタが挿入されるほどの力の入れようである(最新のネタは2018年12月9日に初登場したライドヘイセイバーネタ)。

また、奇しくも『2』の発売日は平成ライダー映画のトリを飾った作品の放映日と同じである。

2020年12月25日、電子コミック配信サービスのまんが王国にてまさかのコミカライズ(作画：まめおじたん)。

タイトルは微妙に変わり『ぬきたし-抜きゲーみたいな島に住んでるわたしはどうすりゃいいですか？-』。

内容は美岬ルートがベースになっている。

さらに2021年にはウルトラジャンプで12月号より掲載開始。

前述のとおり美岬ルートの為、広義に捉えれば畔美岬がジャンプヒロインになってしまう事態に。

また、ウルトラジャンプ連載記念として本編の美岬ルートを期間限定で無料公開していた。

2023年6月24日、「NUKITASHI」のタイトルでまさかの海外版がSTEAMで配信開始。英語・中国語に対応し、声優陣は続投し、新たに外国語でボイスをアフレコしている。宣伝も兼ねて公式YouTube・Twitterに投稿されている「ぬきたし英会話」は一見の価値アリ。

あらすじ

両親に先立たれ、生家のある青藍島の水乃月学園に転入することになった、誇り高き童貞にして処女厨である主人公・橘淳之介。しかしそこはセックスを推奨・半強制する”ドスケベ条例”なるものが施行され、その遵守を強要する権力が学内レベルにまで伸びている狂気の島であった。自身と愛する妹の純潔を守るべく、雄志一同と共に反体制組織・NLNS(No Love No Sex)を立ち上げるのであった…。

登場人物

NLNS

主人公が立ち上げた組織で、『No Love, No Sex』を掲げ、

青藍島に蔓延る愛のないセックスに抵抗する。人呼んで「反交尾勢力」いわゆるレジスタンス。

詳細についてはNLNSを参照。

橘淳之介(たちばなじゅんのすけ)(CVなし)

"No Love, No Sex"――愛のないセックスなどありえない、という意味さ。

本作の主人公。2年生。島においては多くの女性から毎日のように性交渉の誘いを受けているが、本人は望まぬ脱童貞・性行為を拒み、ドスケベ条例を潰すべく秘密結社・NLNSのリーダーとして活動する。

妹・麻沙音を「アサちゃん」と呼んで可愛がっている。

橘麻沙音(たちばなあさね)(CV:そらまめ。)

「大河ドラマで子役使わずに6歳の女の子の役やらせても違和感なさそうなくらいすごかったー」

主人公の妹で1年生。小学生レベルの算数すらできない劣等生だったが、今では引きこもりになり、ネットで他人を煽ったり炎上しているアカウントをウォッチして楽しむ問題児と化した。

渡会ヒナミ(わたらい-)(CV:飴川紫乃)

「じつりょくこーし……っていうことは、つまり……どういうことだ？」

3年生。幼女にしか見えない体型で、対象年齢外とみなされたため誰からも手を出されていない。

意外と責任感が強く、「お姉さん」「先輩」を自任してメンバーの世話を焼こうとするが、幼女体型のこともあって空回りしがち。

高所に手が届かないため常にパイプ椅子を持ち歩いており、有事の際には武器として用いる。

片桐奈々瀬(かたぎりななせ)(CV:柳ひとみ)

「だってアタシたちのリーダーは、アンタなんだから」

2年生。実は生娘だが、ギャルっぽい容姿ゆえに経験豊富と勘違いされており、自身もビッチを装って性行為を拒絶している。

家事全般が得意で、料理は橘兄妹が絶賛するほど出来が良い。

畔美岬(ほとりみさき)(CV:こはる凪)

「おいこらアサちゃん、アタシとセックスなのだわ！」

2年生。影が薄いため性行為に誘われたことがない。己の容姿に自身が無く、「モブ女」「デブ」と己を卑下している。

何故か運転技術に長けており、無免許にもかかわらず作中では自動車から飛行機まで運転してみせた。

???

NLNSのピンチをたびたび救う謎の少女。着物姿に古風な言葉遣いが特徴。遠距離からの狙撃を得意とする。

生徒会/SS構成員

水乃月学園の生徒会および風紀委員。

SHOの下部組織であるが、学園内部に関してはある程度の自治が認められている。

学園の諸活動以外にも学園内外の治安維持活動にあたることもあるため、軍隊さながらの訓練が日夜行われている。戦闘力が高めであるため油断はできない。

各ヒロインのルートにおいて、下記三人のうち一人がそれぞれのシナリオに深く関わることになる。言わば裏ヒロインとしての役割を果たしているともいえる。

冷泉院桐香(れいぜいいんとうか)(CV:花澤さくら)

「戦わなければ生き残れない、と礼が言っていましたよ？」

生徒会長の1年生にして、条例を校内で強制する組織・SSの長。お嬢様育ちでかなり優秀な人物だが、『2』では一転して「1人では階段も昇降できない」と発言するほどだらしない人間と化した。

糺川礼(ただすがわれい)(CV:水野七海)

「思考盗聴しただろぉ！？」

「やめろ！離せ！私は礼だぞ！離せ！ああくそ、熱が出てきた……今すぐ豆腐パスターしたい……パリに豆腐を買いに行かなければ……」

3年生。風紀委員長にしてSS戦闘部隊大隊長にして組織のナンバー2、そして生粋の特ヲタ。

詳しくは当該項目参照。

女部田郁子(おなぶたいくこ)(CV:倉田ありあ)

「いっぱいあるみたいだよ。性帝グッズ。これは……こっちの世界のレイちゃんの発案だったかなぁ」

2年生。SS一番隊隊長で常に日本刀を持ち歩いている。

取り澄ました言動で装っているものの、根は戦闘狂であり己より強い存在を許さないタチ。

読んで字のごとく卑猥な名前をしているが、女部田という苗字は実在する。

彼女が歌った「ドスケベ音頭」はニコニコ動画で話題になり、これを題材にいくつもの音MAD動画が作られ、本作が一部ネットユーザーの間で人気になる一要因となった。

スス子(-こ)(CV:藍沢夏癒)

「小判焼きっすね！」

性帝のオペレーターであるSS五番隊隊員。「～っす」という話し方が特徴で、物怖じしない無邪気な性格。

常にオウムの「チュパちゃん」を連れており、人語を話し、解せるほど知能が高いが、動物愛護団体の庇護と権力を笠にきてやりたい放題(ケツを容赦なく嘴で突くなど)する外道である。

花丸蘭(はなまるらん)(CV:天知遥)

「ひぎぃ性帝のおちんちんを模したオモチャぁああ！？」

オモチャ「セイ！　テイ！　セイ！　テイ！　セイ！　テイ！　セイ！　テイ！」

2年生。主人公の同級生で、学級委員長を務めている。気弱な性格で、妹である凛の起こしたトラブルの後始末を担わされる苦労人。

花丸凛(はなまるりん)(cv:天知遥)

「たまには性帝もいいこと言うじゃないですか。特別に花マラポイント+0.1点あげましょう」

後述の花丸蘭の妹。SHOの監視役補佐を仰せつかったSSの一員にして組織屈指の問題児で、姉にすら突っかかったり、話を混ぜ返したりする言動が多い。

公益社団法人SHO

Seiranto Health Oganizationの略で、公益財団法人だが事実上島の統治組織。

定期検診や検疫などの保健活動の他、治安維持や観光PRなども行なっている。

ちなみにマスコットキャラクターとしてハメドリくんが案内している。

仙波光姫(せんばこうき)(CV:伊ヶ崎綾香)

「いやああああぁ！　集団ストーカぁあああああああ～！！」

SHOの広報担当。主人公曰く「20代くらいに見える」とのことだが、実は31歳のミリオタ。

「誰もが知っている日本一の大学」を出ていながら、病気の家族を養うために動画配信業を行い、その果てに全裸でサバゲー配信を行って炎上、内定取り消しの憂き目に遭い、露頭に迷った末にSHOに転がり込むという悲しい過去がある。しかし元々痴女気質であり、今の仕事との相性が良いため根に持ってはいない。

管理職でありながら、「銃が持てるから」という理由で現場での汚れ仕事も積極的に行う。

名前の由来は江戸時代の農具「千歯扱き(せんばこき)」からか。

その他

手嶋俊英(てしまとしひで）(CV:椨もんじゃ)

青蘭島の裏風俗を取り仕切るヤクザ組織の元締め。若頭代行と呼ばれている。心理学に長け、鋼のイチモツにより相手を屈服させ男女問わず傀儡として洗脳する方法を得意とする。そのイチモツは金的蹴りどころかゴム弾の直撃さえ意に介さない。

美岬ルートにおけるラスボス的存在。言葉巧みに淳之介に近づき信頼を得、文乃を奪った。

実は本来のイチモツは短小であり、そのコンプレックスから鍛えあげ鋼のイチモツを手に入れたという過去を持つ。そのために「短小」と呼ばれると普段の余裕ぶった態度を崩し激昂するという特徴がある。

ヒナミルートでは中ボスとして登場し、淳之介と礼の共闘により撃破された。

ハメタルマン(CV:不明。モブキャラは全て社員が声を担当しているが、誰かは不明)

「申し訳ない。そうだ」

島で人気のヒーローだが、何の役にも立たない無能。

脱衣(キャストオフ)して腰の動きを加速(クロックアップ)させ、勃起(ハイパー)になった股間の兜(カブト)を激しく前後させる変態。

腰のベルトを礼に「どこかで見たような」と言われるシーンがあるが、これは元ネタのメタルマンのベルトが仮面ライダーカブトのカブトゼクターの玩具の無断流用であることに因んだ小ネタである。

1stOP

2ndOP

そしてまさかの……

2020年3月5日、テレビ東京放送の『勇者ああああ～ゲーム知識ゼロでもなんとなく見られるゲーム番組～』内の【俺の名作ソフトはこれだ！勇者ああああ Game of The year 2019】にて、野田クリスタルの紹介で『エロゲー界を支えてほしいで賞』としてまさかの地上波デビュー。

なお公式ツイッターでは痴情派射精ビュ～と呼ばれた。

さすがに内容が内容のため、地上波で公式の画像が流されることは無かったが、野田クリスタル氏の手描きイラストによる紹介と『ドスケベ条例』、『ギロチンの刑』などの解説は凄まじいインパクトを残し、見事勇者ああああ Game of The year 2019に輝いてしまった。

同時にツイッターでも「ぬきたし」でトレンド入りを果たしてしまった。

なお正確にはノミネートされたのは2019年発売の『2』なのだが、実際に解説されたのは無印の内容である。

そして続き2020年8月27日、【徹底討論！ド～なる!? ギャルゲーの未来】でも、同じく野田クリステル氏によって『ファミコンからPS4まで全部やった上で一番泣けるゲーム』として紹介される。ただし手描きイラストによる畔美岬の紹介中にアクメ漱石という名前が出た時点で、スタッフより「ここ広げても使えない」と注意が入り、結局ほとんどがカットされることになった。