タランテスワーム・パープラ
たらんてすわーむぱーぷら
詳細
英語表記 | TARANTEWORM PURPURA |
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身長 | 214cm |
体重 | 122kg |
概要
第22話「誕生特別編」に登場したワーム成虫態。
蜘蛛(タランチュラ)に似た能力を持ち、体から生えた触手を伸ばして対象を串刺しにする攻撃を得意とする。
タランテスワームというワームはこの個体しか登場しないが、個体名が設定されている。
リーダーとしてタランテスワームが作戦を立案し、手先のブラキペルマワーム2匹と行動を共にして、工場で育てたワームの卵を守り孵す事を使命としていた。
劇中での動向
(以下第21・22話のネタバレ注意)
加賀美「ムーンボウ?って…」
「月の光で見える、虹のことだよ。それを見るとね、幸せが訪れるんだって」
演:桑代貴明
その正体は、工場で逃げ延びていたと思われた少年・マコトの本性にして、オリジナルの彼に擬態していたワーム。
工場でマコトとして加賀美に接触、ワームに襲われた彼を隠れ家に匿った後、「警備員として働いていた父親と工場に住み込みだったが、他の従業員がワームに殺されるのを目撃した」「誰も自分の話を信じず、次々に擬態され果ては父親も殺されてしまった」「逃げ回っているうちに隠れ家を見つけて逃げ延びていた」と状況を説明。
マコトは自分の望遠鏡を手にし、この望遠鏡でムーンボウを見るのが夢だ、と話す。ムーンボウを知らない加賀美に彼は項目トップの台詞を語り、手で輪を作ってから広げる動作を交えて説明した。
加賀美の励ましで一度は脱出するも途中で望遠鏡を落としてしまい、拾おうと手を伸ばした加賀美はワームに見つかり取り囲まれる。加賀美は、マコトは隠れ家に戻ること、自分は助けを連れて戻ってくるとマコトに叫んだ後、フォークリフトを動かしてワームの群れを突破した。
…しかしZECT本部の見立てでは、工場は既にワームの巣と化しており、マコトも例外ではないと見られていた。
加賀美はマコトが人間である可能性を信じ、彼を救えると見られる手段・ガタックゼクターに挑み大怪我を負う。入院となり、一度は無様な結果を自嘲した加賀美だが、「たとえ1%でも人間である可能性が残っているなら信じたい」と思いは揺るがず、田所修一の後押しもあり怪我を押して工場に突入。
同じ頃ZECT本部では、シャドウを動かしワームの巣と化した工場を爆破する準備が進められていた。
加賀美は工場に突入、マコトと合流するが、工場内で大量のワームの卵が発見された際、動揺する加賀美とは対照的に彼の表情は変わらなかった。
そして、ブラキペルマ オーランタムに遭遇、加賀美と共に退避した後天道総司が現れてカブトに変身、オーランタムとカブトが交戦する隙を見て加賀美と共に逃亡する。
しかし今度は加賀美に擬態したブラキペルマ ビリディスに発見される。そしてマコトは、彼を守るため鉄パイプで突撃するも無惨にやられた加賀美の隣に立った後…
「もういいよ。お兄ちゃんを逃がしたのは、殲滅作戦を引き延ばしてくれないかと思ってね…。だからもう、用済みさ!」
触手を伸ばし加賀美の胸部を貫いた後、擬態を解除し本性を現す。
加賀美を殺害した後は加賀美に擬態したビリディスと場所を後にしたが(人前に現れ本人になりすます算段だったと思われる)、何者かから与えられたライダーベルトの効果で生き返った加賀美が登場。「人と人との信頼をも利用するワーム。…俺は絶対許さない!!」と意を決した加賀美はガタックゼクターを呼び寄せ、遂にガタックへの初変身を遂げる。
ビリディスと連携してガタックと交戦するもパワーには押し負け、ビリディスはガタックバルカンの砲撃で爆散。
ガタックと対峙したところに、マコトの姿を出現させ命乞いするという卑劣な手に出る。
現れたカブトがとどめを刺そうとするも、ガタックの意向で1対1で合間見えることとなった。
ライダーフォームにキャストオフしたガタックに身構えクロックアップ、続いてクロックアップしたガタックと交戦。ダメージを受け地に伏せてなお、「お兄ちゃん…まさか僕を?」となおもマコトの姿で揺さぶりをかけるが、ガタックはガタックダブルカリバーで工場の天井に穴を開ける。
「どうしても君にこれを見せてあげたかった」と語るガタックが穴を開けた場所には、昼間の満月がムーンボウを作り出していた。
ムーンボウの光は彼を照らし、止まっているに等しい時の中で輝きを放ち続ける。
マコトの願いを真の形で叶えるため、ガタックは彼の望遠鏡を手渡しに向かうも、「お人好しだね…お兄ちゃん」と半ば呆れたような口調で彼は望遠鏡をはたき落とす。
時を同じくしてクロックアップが解除され、タランテスワームはガタックに反撃。
そのまま突進するも、意を決したガタックのライダーキックが直撃。直後ゼクトルーパーによって設置された爆弾が工場の爆破を開始、もう長くないと悟ったのか、最期の力で立ち上がり爆風からガタックとカブトを庇う形で消滅した。
かつてマコトの姿で見せた、手で輪を作り広げる仕草を見せて…。
オリジナルのマコトの意識が、加賀美のひたむきさによってワームの意識を上回ったのか。彼に向かって突進していったのも、ガタックに倒されるためだったと取ることも可能である。
ワームとしての所業は己の種がためだけに人間との絆・信頼を利用し、素性が割れてもなお命乞いの手段に用いるという加賀美の弟に擬態したワームを思わせる十分卑劣なものだったが、最後の最後で人間としての意識が上回ったことは特筆に値する。
彼を人間とひたむきに信じ続け、ワームと判ってもなお情を捨てきることができなかった加賀美でなければ掴めなかった結末と言えるだろう。
余談
タランテスワームとブラキペルマワームは「セクティオワーム」や「ベルバーワーム」といった個体名なしの個体が存在しない。これは同じ蜘蛛モチーフのアラクネアワームにも同じことが言える。
このワーム及び擬態元のマコト少年を演じた桑代貴明氏は、後に『仮面ライダーウィザード』第10・11話で片山直己役を演じている。
この回で取り上げられたムーンボウだが、『太陽』を象徴するカブトに対しガタックは『月』を象徴することを示していると思われる。
カブトとガタックの対を成す要素には「モチーフ」「複眼とボディの色」が挙げられやすいが、「太陽と月」という点でも両者は対になっている。