概要
銀土(ぎんひじ)とは、空知英秋による漫画『銀魂』の主人公・坂田銀時と真選組副長・土方十四郎を恋愛関係(BL)と見たカップリングのことである。
見詰め合うと素直におしゃべりできない典型的ケンカップルとして取り扱われることが多い。
一般向けとの棲み分けのために「腐向け」タグを併用するのが好ましい。「銀土」タグだけでは「銀魂○○○user入り」「-腐向け」タグで検索した際に検索避けが機能しない。
坂田銀時 | 土方十四郎 | |
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身長 / 体重 | 177cm / 65kg | 177cm / 64kg |
誕生日 | 10月10日 | 5月5日 |
お互いの呼び方 | お前・テメー・オメー・マヨラー侍・土方くん・鬼の副長・V字ハゲ・多串くん・あの子 | お前・テメー・万事屋・腐れ天パ・野郎・毛玉・白夜叉殿・銀時(アニメツアー時) |
- 作中ではライバルとして描かれることが多いが戦闘能力は銀時の方が数段上である。しかし土方と遭遇するとそんなことはお構いなしに突っかかっていき、同レベルの言い合いを始めてしまう。
- 同じ身長でありながら銀時の方が1kg重いという何とも萌える設定がある。しかし本誌作画、フィギュア等での銀時のガタイの良さからたったの1kg差ということに疑惑が出ている。
- お互いの呼び方は多岐にわたるが本名はちゃんと知っている。特に銀時は近藤の「トシ」呼びがうらやましいのか、どさくさに紛れて何度か呼んでいる。ちなみに大串くんではなく多串くんが原作初出なので注意。
- 単行本6巻に掲載されている初期設定での土方は、目の死んでいない銀時そのもの。つまり二人は元は同じ魂。惹かれあうのも当然ということなのである。
銀土のあゆみ
◇池田屋回
第六訓 (単行本1巻 アニメ第5話)
銀土、運命の出会い。
初対面でお互いの目に言及する二人。
このときに土方が銀時の目を「死んだ魚のような目」と初めて表現した。
銀時の「いざという時に煌めくからいいんだよ」という応酬含めて、以降は坂田銀時を表す言葉として定着する。
ちなみに瞳孔は好きな人や興味のあるものの前で開くらしい。
◇屋根の上の決闘
第九訓 (単行本2巻 アニメ第9話)
土方の剣を「護るための剣」であるとして受け止めながら、振り向きざまに自分の武士道を語る銀時に土方は完全に恋に落ちた顔をしている。
この回で披露された多串くん呼びは一話のみだったのにもかかわらず、現在も銀土界で広く親しまれている。
◇花見回
第十七訓 (単行本3巻 アニメ第125話)
二人で挑発しあい飲み比べ、酔っぱらって道端で寝るという汎用性の高いネタを提供してくれた回。
このあたりで酔って一夜の過ちをおかすという王道パターンも多く見受けられる。
◇蚊みたいな天人の回
第三十三訓 (単行本5巻 アニメ第20話)
土方のだいしゅきホールドがみられる貴重な回。
ちなみにこの回の扉絵で万事屋と真選組で衣装交換を行っており、これを元とした真選組銀時×万事屋トシちゃんという派生パラレルも存在する。
◇サウナデート
第七十五訓 (単行本9巻 アニメ第48話)
似てる二人は喧嘩する
行く先行く先で出会ってしまうという二人の引力。
間に他人がいてもお互いのことしか目に入らず、ところ構わず喧嘩する銀土。
ケンカップルここに極まれり。
◇カブト狩り回
第八十三-八十四訓 (単行本10巻 アニメ第65話)
銀時による土方にゃんこつかみが見られます。
◇一日局長回
第百一-百二訓 (単行本12巻 アニメ第56話)
どさくさに紛れてトシ呼びをする銀時。
◇柳生篇
第百十-百二十三訓 (単行本13-15巻 アニメ第76-81話)
沖田総悟と組んで土方にちょっかい出す銀時。ドSコンビ爆誕である。
◇ミツバ篇
第百二十九-百三十二訓 (単行本15-16巻 アニメ第86-87話)
土方のかつての想い人である沖田ミツバ登場回。
彼女を亡くし屋上で一人涙する土方に、声をかけるでもなく陰で寄り添う銀時。
いろいろとお察しください。
◇OWee篇
第百四十七-百四十九訓 (単行本17-18巻 アニメ第98-99話)
きんちんというあらたな派生を生んだエピソード。
長老は仲良く半分こ。
◇真選組動乱篇
第百五十八-百六十八訓 (単行本19-20巻 アニメ第101-105話)
銀土史上最重要エピソードの一つ。
「くたばるなら大事なもんの傍らで剣振り回してくたばりやがれ!!」
「それが土方十四郎(てめー)だろーが!!」
魂をトッシーに乗っ取られた土方は、銀時の必死の呼びかけによって意識を取り戻す。
銀時が土方十四郎という人間の魂を特別に思っていたことや、腐れ縁という切っても切れない赤い糸でつながっていることが判明。
本編のラストは銀時による「一生チビチビたかった方が得だろ」というプロポーズがなされた。
◇文通篇
第二百三-二百六訓 (単行本24巻 アニメ第126-128話)
血液型の良いところを言おうとして土方の良いところを言ってしまう銀時。
「なんで俺が有りもしねぇお前の良いところを発掘しなきゃなんねぇんだ」と口では言いつつも、好きな人の髪型と髪質を褒める銀時は必見である。
◇歯医者回
第二百六十三-二百六十四訓 (単行本30巻 アニメ第175話)
なぜか同じタイミングで虫歯になり、歯医者で鉢合わせる二人。
好きな人の好きなものを知ろうとマガジンに手を伸ばす銀時。
また、ただの虚勢をお互い本気にしてコイツSUGEEEとなり、その上ナチュラルにデートの約束を交わす。
◇人気投票篇
第二百六十五-二百六十八訓 (単行本31巻 アニメ第182-184話)
外に出ればいつパンツを脱がされるかわからない。
そんな状況の中で、土方を外に蹴り出して言葉責めをするというドSコンビの本領発揮回。
「パンツも順位もズリ下げられてもいいんだもんね」と嬉々として土方弄りする銀時だが、本編では銀時の赤褌(レッドロイーンクロス)姿は拝めても土方のパンツは最後まで死守。
◇年賀状回
第二百九十四訓 (単行本34巻 アニメ第204話)
土方からの年賀状に「オイなんて書いてあんだよ」と胸の高鳴りを隠しきれない様子で食いつくものの、期待に反した内容でテンションだだ下がりの銀時が見れる回。
自他共に認める犬猿の仲設定の筈なのに「しばらく絡んでないから寂しくなったんじゃないアルか」と予想されてしまう土方など、隠せてると思ってるのは当人たちだけ疑惑も持ち上がる。
◇葬式回
第三百十六-三百十七訓 (単行本36巻 アニメ第231話)
銀土行きつけのデートスポット、定食屋のオヤジが亡くなるという何とも悲しい回であるとともに、チコン貝という新しいアイテムを提供してくれたありがたい回でもある。
ずっと自分たちを見守っていてくれたオヤジを息の合った連携で供養する。
土方によるツンデレキャラ定番セリフ「バカッ………」も必見。
◇工場見学回(パトリオット回)
第三百三十一-三百三十二訓 (単行本38巻 アニメ第216話)
工場長と従業員の織りなすハートフルストーリー回。
この回の見どころはずばりつなぎです。
ちなみに第三百三十二訓掲載のジャンプは11/22発売。
いい夫婦の日に発売されるにふさわしい良いGHでした。
◇銭湯回
第三百三十四-三百三十五訓 (単行本38-39巻 アニメ第220話)
土方が浸かっている湯船で自分のパンツを洗ってみたりといつものように(性的に)土方弄りを楽しむ銀時だが、いかがわしい店に通ってると土方に思われた時には「か…通ってねーよ」と焦りながら強く否定。
普段から堂々と下ネタ発言をする人物とは思えない動揺っぷりは、まさに好きな子に対する男子のリアクションそのものであった。
◇雪山遭難篇
第三百四十四-三百四十六訓 (単行本40巻 アニメ第237-238話)
自分が言い出した下ネタを土方が口走ると「副長壊れだしたよ」「キャラじゃない」とNGを出すなど、銀時の中には確固とした土方像がある模様。
結構な大人数で遭難したのに「唯一いるのが能ナシ」と銀時しか目に入らない土方と、
下ネタキャラじゃないと思いつつもお偉いさまに性的接待しているんじゃないかと疑って「汚れ仕事は慣れたもんだろ」とどさくさに確認しようとする銀時。
◇ホスト回
第三百六十三-三百六十四訓 (単行本42巻 アニメ第241-242話)
「お前なんか ただの毛玉だ!!」と銀時を毛玉呼びする土方。
ちなみに定春が家出した回では子犬の愛らしさに心を奪われたあげく、隊士達からのツッコミには「うるせェェ あ…あくまで警察犬としてだ、かわいくも何ともねーよ こんな毛玉!!」とお手本のようなツンデレ発言をかましている。
毛玉が好きなのに素直に好きと言えないツンデレ気質な土方、という事実を踏まえて冒頭の発言を噛みしめよう。
◇バラガキ篇
第三百六十五-三百七十訓 (単行本42巻 アニメ第244-247話)
土方の生い立ちが判明するエピソード。
図らずも土方の過去を知ってしまった銀時は、佐々木からの依頼を終え、自分の好きにすると宣言したあと自ら白夜叉であった過去を明かしてから土方に協力。
国から重要危険人物とマークされる可能性も承知の上でのこの宣言、すべて土方のためだと思うと胸が熱くなりますね。
阿吽の呼吸で敵のヘリコプターを墜とすその姿はさながらケーキ入刀のようであった。
また、土方と濃く長い時間を過ごしていた銀時が「真選組まんじゅう(アニメではマヨ風味)」を手土産に万事屋に帰宅すると、その不在期間が要因となって坂田金時が誕生していたこと、それによって主人公の座や物語の根底を揺るがす金魂篇が始まることから、銀時にとっての土方という存在の影響の大きさを改めて認識させられる。
◇お見合い回
第三百八十四-三百八十五訓 (単行本44巻 アニメ第268話)
土方のことを「あのV字の髪型の子?」とナチュラルに“あの子”呼びしながら強引に会話にねじ込んでくる銀時が見れる回。
「真選組・万事屋 御両家」のお見合いが設けられ、羽織袴姿で相対する二人もまた必見である。
◇一国傾城篇
第三百八十六-三百九十九訓 (単行本44-45巻 アニメ第257-261話)
内助の功ここに極まれり。
銀時たちを牢屋から救い出す為に一芝居打ったり、銀時のピンチにおまわりさんとして駆けつけたりと、一歩下がりながらもしっかりと援護する土方。
◇男女逆転篇
第四百三十七-四百四十一訓 (単行本50巻 アニメ第275-277話)
女体化をやってしまうという公式が病気エピソード。
マニア向けなX子ちゃんにもお構いなしの銀時。愛である。
※ちなみにファンブック『広侍苑』にて銀子の体重が55kg、X子の体重が101kg(101.0kg)であることが判明。
お互いの誕生日の数字が性転換後の体重になっているという、運命の赤い糸の強さに慄く。
◇宝くじ回
第四百五十-四百五十一訓 (単行本51巻 アニメ第273話)
普段は銀時に振り回されることの多い土方が珍しく銀時を振り回し、それに対して銀時は無限大の包容力を発揮する、銀土界ではお馴染みの路地裏の二人が見れるなど萌えの宝庫回である。
周りにいる人間すべてがヒャッハー系モヒカンギャングに見えてしまう土方であったが、銀時のことだけは正確に認識し、共に行動した。
公衆の面前で着物に手を突っ込まれても気づかなかったり、人質にとられて強盗に従うことになったり、一緒に逃避行したりと二人の関係性をこれでもかと見せつけた。
◇死神篇
第四百六十三-四百六十九訓 (単行本52-53巻 アニメ第279-281話)
土方に向けた七代祟るぞという言葉に込められた「何度生まれ変わっても一緒にいような」という銀時の深い想いに感動する。
◇入れ替わり篇
第四百七十-四百七十六訓 (単行本53巻 アニメ第287-289話)
俺がマヨラーであいつが甘党で
事故にあった銀時と土方の魂が入れ替わってしまうという薄い本も真っ青なエピソード。
入れ替わりモノにおいて主人公と入れ替わることが定石なヒロインのポジションに土方が当てられることにより、土方ヒロイン説を色濃くする事となった。
銀時が滞納していた給料や家賃を、わざわざ銀時名義に変更した自分の口座から支払ってあげる土方や、土方のマヨ柄パジャマ(土方がパジャマ姿で寝てる描写は今までなかった為、大切に仕舞っておいたパジャマだった可能性もある)を無断で着てしまう銀時など、楽しい入れ替わりライフを披露した。
また、銀時が土方に頼りすぎな隊士に対して「土方さんの手を煩わすな」という牽制をしたり、土方がダメ人間扱いしていた銀時を実は社長と認めていたことがわかるなど、二人の距離が想像以上に近くなっていることに驚く。通称「おれあい篇」。
◇時間停止回
第四百八十四-四百八十五訓 (単行本54巻 アニメ第266-267話)
銀時が時間停止している土方の身体を好き放題して「てめェは電池じゃなくてチ○コでも握ってろ」と大問題発言も飛び出す何ともアレでアレな回。
停止した時間を進めたと思ったら、土方の寝姿から入浴姿までをじっくり観察してしまうなど、銀時のムラムラします感情がダイレクトに伝わってくるとにかくアレな回。
◇将軍暗殺篇
第五百二-五百二十四訓 (単行本56巻-58巻 アニメ第300-307話)
将軍・茂々を暗殺しようと一橋喜々が動き始める。
将ちゃんをダチ公として守らんと、万事屋・真選組・忍者たちとで護衛をする道中で、公然と将軍様プレイで土方を弄る銀時や、
額に青筋立てながらもちゃんと万事屋三人分のお茶を出す良妻っぷりをみせる土方が見られたりと、最初こそギャグテイストで話が進むが、
中盤からは、高杉ら鬼兵隊や神威ら第七師団が絡み始めて、怒涛のシリアス展開が始まる。
敵味方入り乱れての乱戦の中、二人は背中合わせで刀を振るったり、負傷して敵に襲われる土方を銀時がかばったり、シンクロで敵を倒したりと息の合った闘いを見せる。
しかし、この話で将ちゃんは……。
◇さらば真選組篇
第五百二十五-五百五十一訓 (単行本59巻-61巻 アニメ第308-316話)
一橋喜々が新将軍となり、近藤・松平は将軍暗殺の責を問われて逮捕、真選組は解体を言い渡される。
失意に沈む土方を見て、銀時は土方の左遷先の上司である小銭形に様子を尋ねたり、いかがわしい店に連れて行かれそうになったと知って怒るなど、心配を隠さなくなっている。
また周囲にも、銀時=土方を元気づける相手と思われているようで、
ハジが「銀さん連れてきて良かったですね。落ち込んでいた副長が元気に……」と言ったり、
小銭形がそれを受けて「男ってやつにはいつだってキ○タマ袋を引き締める『敵』が必要」と独白。
実際この話から数話にかけての銀時は、悪者から身を挺してかばったり、扉の前で躊躇する背中を押したりと、土方に対して惜しみなくスパダリっぷりを炸裂させている。
また、船上での闘いの最中に「俺達に もし戻る所があるならば そこはお前らもいる場所だ」と何回目かのプロポーズを申し込み、
対する土方も初めて江戸を「帰るべき、護るべき場所」と認識するなど、連載開始から十年以上の時を経て、二人の関係が単なる「腐れ縁」でなくなったことが描写された。
最終的に真選組は江戸から離れる事になってしまったが、土方はいつもの定食屋で銀時にお気に入りの酒を譲って必ず帰ってくることを約束し、
その後二人は土方スペシャルと銀時丼を交換して食べ、不味いと言いながらも最高の笑顔で笑い合い、晴れやかな表情でそれぞれの道へと歩き出す。
この章だけで、ここには書ききれないほど多くの、深く・強く・熱く結びついた絆が描かれているのである。
◇銀ノ魂篇
第五百九十六-七百四訓 (単行本66巻-77巻 アニメ第342-
「さらば真選組篇」以降、全く出番のなかった真選組であるが、神楽たちの故郷で繰り広げられた「烙陽決戦篇」を経て、第六百五訓(アニメ第345話)において満を持して再登場する。
隊服をリニューアルし、虚の底知れなさに心折れかけていた銀時たち万事屋の前に颯爽と現れ、さらば篇での借りを返すべく「勝負はこっからだろ」と鼓舞。
そのままカッコよく敵を散らすかと思いきや、その後丸々二話に渡ってギャグを繰り広げ、万事屋の面々を盛大に呆れさせている。
しかし真選組メインキャラがほぼ総出演しているにもかかわらず、銀時と土方は真っ先に互いに向けて憎まれ口を叩き合っており、
さらにその様子を隊士たちから微笑ましく見守られ、「我等の愛した江戸はここにあります」と互いに変わらない愛と再会を祝福された。
※ちなみに真選組が再登場したのは少年ジャンプ2016年10月10日号
銀時の誕生日に二人は再会である。
その後、江戸には解放軍のほかに三大傭兵部族まで乗り込み、真選組は敵の戦力を分断・分散させるために万事屋たちと別行動をとることになるが、
同じ想いを胸に、かぶき町で共に交戦した。
そして、戦いの終結から約2年。桂が総理大臣となる1か月前、真選組に処分がくだされ、真選組は解体となり、土方はある田舎に左遷された。
その地はかつて松下村塾が開かれていた場所であり、土方は松下村塾の跡地にやってきた銀時と再会する。そこで2人は2年のブランクを感じさせないほど息ぴったりな掛け合いを見せた。
以下、ネタバレ注意
当初は左遷とされていたが、第六百九十二訓にて土方が松下村塾の跡地へ行った本当の理由や真選組解体を受け入れた理由が語られている。
真選組の解体は、総理大臣として次世代に誇れる国を作りたい桂の提案に近藤が賛同したことによるものであった。真選組屯所を片付けている最中、真選組の解体を受け入れられない沖田に、土方は「たとえ3人が納得していたとしても、真選組や世界の終わりを止めてくれた万事屋がこのまま解散することを認めてはならないのではないか」「俺は万事屋を捜しにいくよ」「今度は俺達の番だろ」と告げる。
つまり、万事屋の解散を認めないことが、さらば真選組篇を始め、様々な場面で真選組を守ってくれた万事屋に対する土方なりの恩返しなのであり、そのために桂の提案を受け入れ、松下村塾の跡地へ向かい、1か月ものあいだ銀時を待ち続けたのである。
※第六百九十三訓で、松下村塾の跡地を見つめている土方の後ろ姿は、第六百七十三訓で村塾跡地の前に立つ銀時の後ろ姿と重なり、立ち位置のみが左右対称になっている。
1か月の時を超えながらも二人は並び立ち、同じ光景を見ている。
最終訓である第七百四訓では、松陽の元に向かう銀時を、近藤・沖田と共に出迎えた土方は「さっさと立て」「いくぞ」と膝をつく銀時に声をかける。
これは第六百六十二訓の虚戦で、大怪我を負いながらも近藤の元に這って行こうとする土方を、必死の形相で駆けつけて敵の攻撃から護り「さっさと立てェェェェ!!」と叫んだ銀時へのお返しなのだと思われる。
そして、崩れゆくターミナルで、銀時を松陽のいる場所まで送るために、土方が銀時を思いっきり蹴飛ばして向こう側に渡らせるのである。
江戸とかぶき町はようやく平和を取り戻し、最終回をまとめようと皆が『すまいる』に集合。
銀時は、土方の為にわざわざマヨネーズの被り物を事前に用意してきて、被らせて弄るなど、そこには愛が駄々漏れている。
このときに、銀時が土方に呼びかけた「副長 副長」という言葉は、銀時を万事屋に戻そうと動き、ずっと銀時を「万事屋」と呼び続けていたことに込められていた土方の想いに、真選組の副長に戻った土方を「副長」呼びすることでしっかりと応えているようにも捉えられる。
最終回を迎えても、銀土の物語は、まだまだ続いていくのである。
アニメのみで見られる銀土
第166話 「一つより二つ 一人より二人」
銀時と土方が手錠で両手をつながれてしまう神回である。
両手がふさがっていながらも、いつものようにケンカして、即興で社交ダンスを踊って、一緒にトイレに入って、サーカスさながらのアクロバットで攘夷浪士を撃退して、と、なかなか他人同士じゃできないことを難なくやってのける。
仲が良いと言われる度にムキになって否定するものの、結局、仲が良いと結論づけられてしまうケンカップルな二人。
あざといシリーズ
アニメ銀魂には作中にあざといジャケット(チケット)という銀土っ子ホイホイが存在する。
鎖SMプレイの第92話(2008年2月7日放送)、土方誘い受けの第145話(2009年2月19日放送)、紅桜の宣伝のはずなのに銀土推しな第193話(2010年1月28日放送)の3種があり、
特に第92話に登場したジャケットは禁断の99巻と呼ばれ、未だにその発売を待つ者であふれている。
ちなみにこのシリーズのくだりの絵は第145話も第193話も第92話と同じであるが、シリーズの部分だけは毎回新作イラストが描きおろされていた。
第163話のイラストコーナー
余った時間をどうにかしようと考案されたおまけコーナーのうちのひとつ、イラストコーナーにて、青木ひろ子ちゃん(4)が「銀魂で1番好きなシーンを頑張って描きました」と前述の土方誘い受けのあざといジャケットのイラストを4歳らしい絵柄で仕上げたものが紹介された。
「劇場版銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ」における銀土
5年後の世界において万事屋の2人ですら認めたわけではないという珍宝を名乗る銀時を、土方はただひとり「あいつに似て冴えねぇ野郎だな」と何かを感じ取っていた。その際、珍宝(銀時)に煙草の煙を吹きかけているが江戸時代では男が男へ夜のお誘いをするときの合図らしい。
また銀時が姿を消してから魘魅や蠱毒についていろいろと調べていた模様。
終盤の共闘シーンではお互い背中を預けるわけでもなく、競り合うようにただひたすらに目の前の敵を倒していくという銀土そのものを表した戦い方であった。
体格的には近藤が銀時をアシストするのが自然だが、当然のごとく土方が旦那の土台となり嫁の務めを立派に果たした。
銀土よ永遠なれ。
V字前髪
今でこそ一般的に定着した名称であるが、銀時が土方を「V字の髪型の子」と呼んだことをもとに広まった呼び方である。
Aをさかさま、ぴったりヘアーなど試行錯誤を重ねたうえで一番しっくりくる呼び方を編み出したことに、いかに銀時が土方のさらさらストレートヘアを気に入っているかがうかがえる。
V字に辿りつくまでの変遷
◇似てる二人は喧嘩する(第七十五訓/アニメ第48話)
「そのピッタリヘアー どうやってセットしてんだ!? マヨネーズでセットしたんじゃねーの!!」
喧嘩のどさくさに紛れて、土方の髪への憧れを隠さない銀時。
このときの土方の髪の毛は、艶やかながらもつんつんと跳ねて見えることから、ピッタリつやつやヘアーに見えてしまう銀時は既に恋に落ちていたのでは?とも思わせられる。
◇文通篇(第二百六訓/アニメ第128話)
「前髪が Aを逆さま みたいになってるよね」「広がらない パサつかないよね」
A型の良いところを言うはずがなぜか土方限定となり、シャンプーCMのキャッチコピーまで飛び出してくる。
※ちなみに元ネタのCMは、上記のフレーズで『しっとり』と『さらさら』のシャンプーが宣伝されている。土方の良いところとして、瞬時にこれが思い浮かぶ銀時なのだ。
◇お見合い回(第三百八十四-三百八十五訓/アニメ第268話)
「あのV字の髪型の子?」「あのV字ヘアー」
ようやくV字に辿りついた記念すべき回。
嬉しくて仕方ないのか、本人の前でもさっそくV字弄りを始める銀時。
これ以降は「セットしても前髪V字になってく」など、銀時のなかでV字が完全に定着。
何かと土方の髪に言及する銀時だが、本人が天然パーマがコンプレックスでサラサラストレートに対する憧れを普段から隠してないことを踏まえて考えると、改めて深い想いを感じざるを得ない。
そして、土方においても『劇場版銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ』での銀時が失踪している5年後の世界では、何度セットしてもV字になると言われた前髪をわざわざ真ん中分けにセットしてデコ出しの髪型にしていること、
この髪型の土方は、銀時に出会ってから銀時を失った世界軸にだけ存在することを考えると、誰よりも己のV字前髪を愛した男に対しての深い想いが伝わってくるのである。
丼交換
さらば真選組篇での最終訓になる第五百五十一訓(551訓)にて、銀時と土方がお互いの好物である『宇治銀時丼』と『土方スペシャル』を交換して食べ、今までに見たことがないような最高の笑顔を二人が見せる、銀土の歴史の集大成とも、すべてがここに集約されてるといっても過言ではない、あまりにも多くの想いが詰まっているシーンである。
エンゲージ丼とも呼ばれており、7月27日は丼交換記念日として銀土の歴史に深く刻まれている。
丼の歴史
◇似てるふたりは喧嘩する(第七十五訓/アニメ第48話)
偶然にも同じ時間に、同じ行きつけの定食屋で好物丼を頼む二人。
異常な量のマヨネーズがかかっている土方スペシャルを見て「そんなモン横でビャチャビチャ食われたら食欲が失せる」と絡んでくる銀時に、小豆が大量にかかっている宇治銀時丼を見て「ご飯に小豆をかけて食うようないかれた味覚の奴」と応酬する土方。
「ネおじさん」を挟んで、子供じみた言い合いを続ける負けず嫌いで似た者同士の二人が堪能できる。
◇葬式回(第三百十六訓/アニメ第231話)
味覚バカ二人の良き理解者であった定食屋の親父が亡くなり、葬式に参列する銀時と土方。
彼らなりの方法で弔ってから、親父の幽霊が二人の為に作ってくれていたそれぞれの好物丼を並んで食べる。丼の中に隠されていたチコン貝を同時に口にして、同じ表情で青ざめる二人。
親父は本当に良き理解者でした。
◇入れ替わり篇 (第四百七十訓/アニメ第287話)
銀時と土方の身体が入れ替ってしまうが、二人とも気づかないままに定食屋のおばちゃんに「いつもの」と好物丼を注文。
銀時(外見は土方)に犬のエサ(土方スペシャル)、土方(外見は銀時)に猫のエサ(宇治銀時丼)が渡されたことから、自分たちが入れ替わっていたことにようやく気づく。
◇さらば真選組篇(第五百五十一訓/アニメ第316話)
真選組が江戸を離れる前日、雨の中で土方が来るのを座って待っている銀時。
二人はいつもの定食屋へ行き、貶しあいながら距離を近づけてきた二人の関係の象徴とも言える好物丼を「悪いなおばちゃん今日は…」「「逆なんだ」」と交換して食べると、同時に「「マズイ」」と言って声をあげて晴れやかに笑う。
このときの二人の会話、表情のすべてがここでは語り尽くせない程に深く、尊い。
近藤が捕縛され連れて行かれたときの姿を、松陽が捕縛され連れて行かれたときの姿と重ねながら銀時が口にした「忘れものを取り戻させてもらったのは 俺だ」というこの言葉は、
屯所前で悩み立ち止まる土方に「忘れもんか」と声をかけ、「俺も同じだ」「昔 似たようなことがあった」と、自分が護ろうとしたものをどちらも失ってしまった過去があること、今でも癒えていない傷になっていることを吐露しながら、
「だが お前は迷う必要なんてねェじゃねェか」「まだ今なら間に合う」と土方の背中を押し、共に屯所の扉を開いた銀時の心情を考えると、銀時にとっての土方がどのような存在であるかを伺い知ることができる。
つまり、銀時にとって土方は“失わなかった自分”なのであり、土方に失わせなかったことは銀時にとっても救いになっていたのである。
丼交換には銀土の歴史のすべての愛が詰まっているのだ。
WJ表紙登場権争奪銀魂オールキャラ総選挙
「銀さんと一緒にジャンプの表紙を飾るキャラを決める」という名目の人気投票で2位以下に大差をつけ見事1位に輝いた土方。
堂々と二人でジャンプ表紙を飾った。
※ちなみに表紙を飾ったのは少年ジャンプ2014年5月5日号。土方の誕生日である。
表紙では「銀時と散らす火花のX」というコピーで、銀時と土方がXの形に自分たちの木刀と刀を交差して合わせている。
2019年10月には、この刀の形をモチーフにしたホールドリング(別名:エンゲージリング)が公式グッズとして発売された。
派生カップリング
さまざまなパラレル派生があるのも銀土の魅力の一つである。
それぞれの設定に呼び方があり、定着している。
◇ぱっつち
スピンオフ作品である「3年Z組銀八先生」を元とする学園パラレル。
銀八×土方を指す。
生徒銀時×教師土方を指す。
◇金土
原作5巻に収録されている「金魂」を元とするホスト設定。
土方の職業は同業、刑事、学生など様々。
ストレート金時×土方と混同されるが、銀土においてはホスト設定を指す。
◇W副長
銀時が土方とともに真選組副長職についている設定。
※このタグがついていても銀土とは限らないので注意
◇寅丑
「銀魂みくじ~干支ver」を元とする獣化ネタ。
銀時はラムちゃんのような寅柄ビキニ、土方は丑柄ワンピースがデフォルト。
白夜叉×武州時代土方を指す。
◇パー土
女装した銀時(パー子)×土方を指す。
原作沿いが多い。
アニくじ「銀魂~流行りものには巻かれろ・はろうぃん妖怪編~」を元とする妖怪パラレル。
九尾狐銀時×烏天狗土方を指す。
◇副トシ
真選組副長の銀時×万事屋トシちゃんの土方という原作逆転設定を指す。
◇きんちん
owee篇に登場する設定勇者きんとき×勇者ちんかすを指す。
◇弁不
弁護士坂田銀時×金髪不良少年土方十四郎の現パロ設定を指す。
◇弁検
弁護士坂田銀時×検事土方十四郎の現パロ設定を指す。
劇場版銀魂完結篇 万事屋よ永遠なれに登場する魘魅銀時×5年後土方を指す。
関連イラスト
銀土はこの世のそこかしこに揺蕩っているのである。
辛いことがあったらパソコンのキーボードを見てみよう。
ほらそこに銀土。