名古屋鉄道にかつて在籍していた吊り掛け駆動の旧型電車を呼称するグループ名の一つ。対になるのはHL車。
自動進段制御を備えた車両の総称であり、元は名鉄内部の用語であった。鉄道雑誌などで記載され名鉄ファンや私鉄ファンの中で広まっていったとされる。
概略
電車は車両を加速させる際に抵抗器をつなぎ替えることでモーターへ流れる電流を変化させ、それを繰り返して速度を上げていく構造であるが、AL車はこの一連の流れを自動的に切り替えて加速させていく。これを間接自動加速制御と呼ぶ。一方HL車はここを手動で切り替えていくという違いがあった。
このAL車はメインイラストにもある3400系いもむしや、850系なまず、車体更新車の7300系や6750系などがあった。経営面の理由もあり1980年代までは主力の一角を占めていたが高性能のカルダン駆動、更にはVVVF制御等の新世代の技術の登場により急速に数を減らし、2011年の瀬戸線6750系引退を最後に全廃されている。
(但し、駆動装置こそ違えど、直流主電動機でカルダン駆動している電車の主制御器は、基本的にこの系列の原理によっている)
保存車
AL車の保存車両としては
(モ800型)モ805+(ク2300型)ク2313 愛知県豊田市の鞍ヶ池公園
(名鉄豊田線の開業前試運転に使用された縁で保存)
(モ800型)モ811 日本車輌豊川製作所「メモリアル車両広場」
(車両製造元であることから。通常は非公開。一応公道からも見える。)
(通常は非公開)
の4両がそれぞれの場所で静態保存されている。
また豊橋鉄道譲渡後の姿ながら7300系についても保存車がある。
記事のあるAL車
前述の通り、メインイラストにも設定されている車両。愛称いもむし。
1937年デビュー。2002年全廃。
なまずの愛称を持つ車両。
1937年デビュー。1988年全廃。
名古屋発飯田行の急行列車に使用することを念頭に製造されたAL車。
1940年デビュー。1988年全廃
運輸省規格に則って製造されたAL車。
名鉄で廃車後も一部の車両は富山地鉄、豊橋鉄道、大井川鐵道に譲渡されて活躍を続けた。
1948年デビュー。1989年名鉄で全廃。
完全新造のAL車としては名鉄最後の形式。
1951年デビュー。1990年全廃。
7700系並の車体と廃車となった3800系とモ800形の機器を組み合わせて30両が製造された車両。
1971年デビュー。名鉄では1997年に全廃。28両が豊橋鉄道へ移籍。
東急電鉄から3700系の譲渡を受けたという異色の経歴の持ち主。
1975年デビュー。1986年全廃。
4両固定編成を組んだAL車で、SR車初代5000系の基礎となった車両。
1952年デビュー。1987年全廃。
瀬戸線へ導入された車体更新とは言え平成の時代に落成した名鉄最後のAL車。
1986年デビュー。2011年全廃。
本線系に導入された最後のAL車。
1987年デビュー。2003年全廃。