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鉄道車両の形式名のひとつであるが、2024年現在名古屋鉄道でのみ確認されるため本項では名古屋鉄道3900系を解説する。


概要編集

18m級2ドア車体を持つ吊り掛け駆動AL車。製造は日本車輌

1952年から名古屋本線の特急用として製造され、晩年は支線区での運用がメインとなったものの、それでも急行・高速など優等列車運用が多かった。

名古屋鉄道の本線系新造車では最後のツリカケ駆動車である。


1987年までに全車廃車となった。廃車後に台車や一部の機器が3300系(2代目)6750系に流用された。

車体・接客設備編集

ウインドウ・シル/ヘッダー付きの張上げ屋根車体で、台枠を強固に製作してその上に車体を構築する旧型電車としては標準的な構造となっている。

名古屋鉄道ではこの形態の車両は本形式が最後となった。

台車は電動車は重量級のゲルリッツ式台車FS-107形を、制御車・付随車はペデスタル式台車FS-13形を装備していた。

制御器は3500系(初代)を電装解除した際に取り外した芝浦製作所製油圧カム軸式制御器を搭載したが、後に東洋電機製電動カム軸式制御器に交換された。


車内は戸袋部にロングシートがある以外はボックスシートが並ぶが、後の改造で扉の両側がロングシートに変更された。

照明は名鉄で初めて蛍光灯を採用したことで従来車よりも遥かに明るい車内を実現した。


編成編集

当初はモ3900とク2900で2両編成を組んでいたが登場の翌年にあたる1953年にサ2950とモ3950を組み込んで4両編成化された。

この際にク2900にパンタグラフを装備し中間のモ3950に給電する方式を採用した。


1954年に増備された最終編成の第4編成は5000系(初代)の開発に必要なデータ収集のために編成構成が他の3編成と大きく異なり、両端が制御付随車で電動車を中間車に集約していた。ただしパンタグラフは両先頭車に配置された。

制御装置も三菱電機製ABFM型電磁空気単位スイッチ式多段制御器を採用、発電ブレーキも装備していた。

独自仕様だったため他編成との連結ができなかったが1974年に連結対応改造が施された。

3850系では撤去されてしまった発電ブレーキも残され、時速105km運転も可能だったが実際にはカットして走ることが多かったという。

運用末期は中間車が先に廃車となり先頭車だけの2両編成に戻された編成もあった。


余談編集

ABFM型制御器を搭載していた3850系と3904編成は他のAL車と比べハンドルの大きいマスコンが特徴だった。

本形式と3850系は当初SR車として扱われていたが、5000系の登場後はOR車(オールドロマンスカー)と呼称されるようになった。

当初は3850系と本形式のみの通称であったが、車両運用の都合上3400系7300系など4両固定編成のAL車の総称として呼称されるようになった。


関連タグ編集

名古屋鉄道

3900形

3800系 4000系

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