概要
黒龍ミラボレアスとは「モンスターハンター」シリーズに登場するドラゴンとも呼ばれるモンスターである。
古龍種に分類され、作中ではある条件を満たすとクエストを受けられる。
「黒龍」または「邪龍」とも呼ばれ、第1作から登場している。
モンスターハンターの世界では、おとぎ話に登場する怪物として知名度はそこそこ有るものの、誰もが「実在するハズの無い怪物」という認識で、伝説上の存在とされている。
一般的には「古龍種」の存在を疑う者も少なくない中、おとぎ話で世界を焼いたと言われる怪物の存在を信じる者は皆無に等しい。
一方では、おとぎ話では人類の敵という打ち倒すべきシンボルとして、そしてその力の象徴として、ハンターズギルドの旗等にその姿が描かれている。
全身は禍々しい黒の鱗と甲殻に覆われ、忌わしく黒光りする四本の角の生えた頭部、長い首と尾を持ち、背中にはその巨体を包み込めるほどの巨大な一対の翼を有するとされる。
またその胸殻には高熱を宿し、打ち倒したハンター達を武具ごと溶かして甲殻と一体化させることでより強固な部位としている。
おとぎ話の舞台となったとされる古代遺跡「旧シュレイド王都」には、何度かハンターの派遣が行われたが、その悉くが帰還せず、遂にその場所は侵入禁止区域となった。
ちなみに、名前の由来はギリシャ語。ギリシャ語のミラ(Moira 運命の女神)から運命、同じくボレアスは北風の神で暴力なども象徴するため、そこから「運命の戦争」ということだろう。
無印 ~ MHP2G
無印、MHG、MHPでは集会所でラオシャンロンを撃退すると戦えるようになる、真のラスボスとしての扱いを受けていた。
ラスボスだけあって攻撃力は最高クラスで、最高クラスまで固めた剣士防具でも、うっかりブレスや這いずりに被弾しようものなら問答無用でキャンプ送りにされる。
特に、這いずりは龍属性を帯びていたため、龍耐性をかなり意識した装備でないと基本的に一撃でノックアウトされる事になる。
一方で、ミラバルカンのメテオやミラルーツの全体落雷のような、広範囲を一度に攻撃できる技を持っておらず、動き自体も単調なので、ガンナーにとってはブレスや這いずりにさえ気をつければ完全に動く的のようなものであった。その為、遠くから安全に攻撃できるガンナー、特にボウガンで拡散弾や毒弾を現地で調合しながら撃ち続ける戦法(通称・拡散祭り)が好まれている。拡散弾の雨で絨毯爆撃並に、ただひたすらに陵辱し尽される黒龍の姿は哀愁が漂う。
様々な攻略戦法開発により、超上級者ハンターにとってはカモ扱いされる事も多く、レア素材狙いやタイムアタック狙いで、多くのミラボレアスが討伐された事だろう。
MHP辺りまでは何故か後脚に貼り付いていれば倒れ込み→立ち上がりをずっと行う習性があったため、剣士でも脚をずっと攻撃して撃退する通称脚ハメなる戦法が取られていたことも。
MH4 / MH4G
MH4
裏ボスとして復活。
今作では多数の旧大陸組のモンスターが復活しているが、まさかミラボレアスまで復活するとは誰も予想しておらず、復活が判明した際にはファンの間で喜びと驚きの声が上がった。
ただ、HR70以降にならなければクエスト「伝説の黒龍」が出現しないため、実際に闘えるようになるのはかなり後である(イベントクエスト「よみがえる黒龍伝説」ならばHR8から受注が可能)。
P2G以前に比べると尻尾を除く肉質が全体的にかなり柔らかくなった。
また攻撃力の大幅な引き下げが行われ、鎧玉をつぎ込んだ装備で身を固めていればそうそう即死する事はなくなった。
また、本作では乗り状態が実装されているため、ジャンプ攻撃から乗り状態に持ち込んでダウンさせることができれば、剣士でも角や翼を破壊することが容易に行えるようになっている。
一方で、これまでバルカンやルーツしか使えなかった滑空や前方引っ掻きを習得し、
さらにはMH3Gのグラン・ミラオスのモーションを多数継承し、超射程薙ぎ払い火炎放射や直線粉塵爆破を習得するなどモーションは洒落にならないほど強化されている。おまけに遠距離対応技は全てガード強化が必須。以前と同じ感覚で挑むと、粉塵爆破で爆殺され、這いずりと滑空で轢殺され、ブレスと火炎放射で焼殺され、チャージブレスで消し炭にされる。決して油断しないように。
なおこれらの調整により、これまでの「ガンナーで挑まなければまともに戦闘できない」「戦闘自体が単調でつまらない」という事態が払しょくされたため、
ファンの間では今作のミラボレアスはかなりの良モンスターになっていると評価する声は多い。
そして、2014年2月21日についに亜種も復活することになる。
MH4G
G級個体がまさかの常駐クエスト不参戦。
このため、発売からおよそ5か月にわたってG級黒龍の素材が入手できず、武具の強化が行えなかった。
その後、2015年3月13日にイベントクエスト「運命の黒龍」が配信されたことで、ようやくG級個体との戦闘が可能となった。
ミララースと同様、チャージブレスの反動を利用して後方に飛びずさり、そのまま一気に滑空へとつなげるコンボを習得している。他にも中~遠距離の相手に対しては這いずりではなくブレスや火炎放射で攻撃するようになるなど、若干行動パターンに変化が生じている。ただ、変更されているのはこれくらいであり、あとは上位までとそれほど変わらない感覚で戦うことができる。
MHXX
MHXには登場しなかったが、その拡張版のMHXXで復活。
基本的にはMH4GのG級個体とほぼ同様の仕様である。
MHF-G
『怨毒蠢く暗雲に晃る巨星』
2014年1月8日、MHF-Gの「極限征伐戦」にもリニューアルされたミラボレアスが登場。
外見もかなり変化しており、頭部の角が増えたほか、胸部に謎の青い炎が燻っているのが特徴。一定ダメージを与えると覚醒し、胸部だけでなく頭部や手足も青白く輝くようになり、どこぞのメガシンカポケモンを髣髴とさせる外見に変貌する。
従来のミラボレアスの攻撃モーションの他、ドラギュロスやジンオウガ亜種のような赤黒い龍属性の雷を落とす、上空に浮かぶ謎の巨大なエネルギー球をフィールド上に落下させ、ハンターたちを一網打尽にするといった攻撃を繰り出す。
さらにLv1000の個体ともなると、討伐後に一度だけ巨大なエネルギー球を落とす技を使って蘇生するという前代未聞の大技を持っている。
これは装備にも反映されておりG級スキルである最期ノ閃黒が発動し、死んだ場合『回復不可』・『常時スリップダメージ』の条件の元、1度だけ火事場力+2、餓狼+2常時発動&怯み完全無効の超パワーアップ状態で復活することができる。
MHW:I
アイスボーンのリリースがシリーズ15周年ということもあってか、これまで明かされていなかった禁忌のモンスターのモデルや設定などの情報が突如次々と解禁されたり、果てはボレアス初のグッズとしてフィギュア化されるというモンハン界における異例の事態が続々と発生。
さらには15周年記念PVとして頒布されたモンスターのサイズ比較動画の大トリにワールドグラフィックのミラボレアスが現れるというサプライズもあったためか「復活の伏線なのでは…?」という反応の声が飛び交った。
いざ発売されたアイスボーンでは、歴代のパッケージモンスターが新大陸進出を決めついにはあいつまでもが姿を現したことで、登場説が濃厚となっていった。
そして…
伝説は、再び舞い降りる
アイスボーン最後の無料タイトルアップデートとなる第5弾アップデートでついに実装が決定した。
最後のアップデートだけあって、内容も豪華なものとなっている。
・戦闘マップはもちろんシュレイド城となり、マップも刷新されている
・現大陸から討伐依頼を伝達にやって来た新NPC「将軍」の登場
・5期団の陽気な推薦組がMH4に登場する筆頭ハンターの一員「筆頭ルーキー」と同一人物であることが改めて明かされる(デベロッパーズダイアリー参照)
・後述の専用BGM「舞い降りる伝説」が新アレンジ
・防具も他を圧倒する性能
…等々最後にふさわしい内容である。
このモンスターの登場によって、5期団の調査地であった新大陸と従来の狩猟地であった現大陸がストーリー上で繋がるという奇跡のような光景が見れることとなる。
本作のミラボレアスは「火力」「体力」「素早さ」どれをとっても他を圧倒する。
防御力や火耐性をどれだけ上げようと二,三発で力尽きさせる攻撃力、ソロでも6万以上の体力(例として、アン・イシュワルダが約2万、アルバトリオンが約5万)、そして振り向きと攻撃をほぼ同時に行う。そのため、矢継ぎ早に繰り出してくる致命的な攻撃を捌き、その膨大な体力を30分以内に減らし切らなければならない超強力なモンスターへと仕上がっている。
また本種最大の大技として、フィールド外に飛び立って広場全体を焼き尽くす「劫火」が追加された。連続微小ダメージを与える一波と、装衣解除を伴う強制即死判定の二波という構成となっており、広場にある遮蔽物や防護壁を起動しなければ確実に相手を焼き尽くす必殺技となっている。ただし、後述の灼炎状態時に繰り出す劫火のみ、頭部を一段階でも破壊していれば強制即死判定を喪失させ、ただの超特大ダメージ攻撃に弱体化させることが可能である。この場合、防御力や火耐性、残りの体力や精霊の加護によるダメージ軽減などによっては生還することが出来る。
さらに体力が半分を切ると胸殻を煌々と輝かせる「灼炎状態」へ移行。
繰り出す火炎が青色に輝き元々高かった威力がさらに増加。チャージブレスを三連発する上にその威力は300(アン・イシュワルダの入滅蓮華劫珠砲の2倍以上)に達する。ここまでくるとどれだけ防御を固めようが一撃必殺。常に瀕死の危機に晒されることとなる。
一応頭部を部位破壊することでその威力を和らげることはできるのだが、いかんせん頭部の部位耐久力が近い上に高い所にあるわブンブン動くわでその達成は困難を極める。
総じて、まさしくアイスボーン最後の追加モンスターに相応しい難敵となった彼?だが
その狩猟難易度に見合った武具性能となっている。
どの武器種も他のものより頭一つ抜けた攻撃力、斬れ味は素で短めの紫だが匠で延長可能、装飾品スロットもLv4×2と極めて高水準。属性値が低いのと会心率がマイナスなのが欠点だが、それを考慮してもあらゆる武器の中でもトップクラス。
特に話題となったのが防具ドラゴンEXシリーズ。最高峰の防御力は勿論のこと、二部位以上で全ての極意が解放される「継承」、四部位以上で真・業物/弾丸節約+常時体力とスタミナ+100になる「超越」というバカげたシリーズスキル「黒龍の伝説」を獲得した。
それ抜きにしても弱点特効や見切り・回避性能といった実用性の高いスキルが発動する上に、βシリーズに至っては全部位装飾品スロット数Lv4×3というどこぞのカマキリを彷彿とさせるスキル自由度を誇り、最後のモンスターだからと半ばヤケクソに調整してるんじゃないかとツッコミを入れたくなる性能となっている。
亜種
ミラボレアスには2種類の亜種が存在しており、そのいずれもが原種を遥かに凌駕する極めて高い戦闘能力を誇っている。
ミラボレアス亜種(ミラバルカン)
「紅龍」ともよばれる、『モンスターハンターG』(MHG)から登場した個体。
ミラボレアス亜種(ミラルーツ、ミラアンセス)
別名は「祖龍」。『モンスターハンター2(dos)』(MH2)から登場した個体。
黒龍伝説
遡ること約1000年前に存在し、シュレイド地方で栄華を誇った「古シュレイド王国」。
しかし突如として国は東西に二分され、滅亡。
王城であるシュレイド城は瞬く間に朽ち果ててしまう。
様々な憶測が飛び交う中、この歴史の中に黒龍との戦いがあったと推測されている。
そして王国の建国者が裏切りによって命を落としたとき、
何処からか「赤衣の詩人」が現れある詩を詠んだといわれている。
これがその時に詠まれた詩である
数多の飛竜を駆逐せし時 伝説はよみがえらん
数多の肉を裂き 骨を砕き 血を啜った時
彼の者はあらわれん
土を焼く者
【くろがね】を溶かす者
水を煮立たす者
風を起こす者
木を薙ぐ者
炎を生み出す者
その者の名は ミラボレアス
その者の名は 宿命の戦い
その者の名は 避けられぬ死
喉あらば叫べ
耳あらば聞け
心あらば祈れ
ミラボレアス
天と地とを覆い尽くす
彼の者の名を
天と地とを覆い尽くす
彼の者の名を
彼の者の名を
これが、記録に残る最古の「ミラボレアス」という単語を著した詩である。
あたかも黒龍によって王国が滅亡することを示唆しているようである。
そして実際に王国末期には謎の大混乱があったといわれている。
各地で手毬唄として歌われることもあり、おおむね「キョダイリュウノゼツメイニヨリ、デンセツハヨミガエル」という節から始まる。
余談
- 公式ガイドブックやオフィシャルサイトでは徹底された情報規制が成されており、これらに「ミラボレアス」という単語が載せられた事は一度も無い。武器や防具そのものに関しては例外のようだが、ミラ系の素材は全て「????」と表記されている。そんな中、ハンター大全の中で語られている唄とその考察の中にだけ、その名を確認する事ができる。
- クエストの依頼主では「赤衣の男」が依頼することが多い。この男はMHP2Gのラージャン2頭相手のクエスト「最後の招待状」を依頼したり、MH3ではアルバトリオンの強化個体を相手する「神への挑戦」を依頼したりしている。この男は何者なのだろうか?
- MH3Gにて体形のよく似たグラン・ミラオスという古龍種が登場。「煉黒龍」という通称、硬化状態、「ミラアルマ」の名が付く防具から、ミラボレアスと何かしら関係があるのでは…という説がある。実際、MH4で再登場したミラボレアスおよびミラバルカンには、グラン・ミラオスと共通するモーション(正確には流用されたモーション)がいくつか存在することから、両者が生物学的に近しい関係にある可能性は極めて高いと思われる。
- MHシリーズ15周年に際して、なんと公式からビジュアルと一部設定の公開、各種グッズの発売が行われた。公開された設定によると、はるか昔より伝説として語り継がれていたが、シュレイド城の陥落とそこに棲みついたことにより実在が確認。しかし城に向かった調査者は誰一人として戻らず、進入禁止区域となったことから再び伝説の存在とされる数奇な運命を辿っている。
- アイスボーンでは「ミラボレアス」という言葉は「あらゆる自然現象によって起こる災厄」という現象を表す言葉だったが、いつ頃か黒龍という個体の名前へと変わっていったことが明かされた。故に先に触れた紅龍や祖龍が区別無しに「ミラボレアス」と一括される点にも納得が言えるし、黒龍伝説もまた違った風に見えてくるかもしれない。
戦闘曲
曲名は「舞い降りる伝説」。ミラボレアスおよびミラバルカンとの戦闘ではこの曲が流れる。
森丘での汎用戦闘曲(&リオレウスのテーマ曲)である「咆哮」にコーラスをつけたもの。
コーラスの中で歌われているのは、上記の「黒龍伝説」だとされている。
オーケストラコンサート「狩猟音楽祭2017」ではアンコールにおいてサプライズ演奏された。
奇遇にも老山龍の曲も演奏されているのでまさしく「キョダイリュウノゼツメイニヨリ、デンセツハヨミガエル」といったところだろう。
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ドラガリアロスト 黒龍、まさかの襲来。
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ただし装備の一つである「竜輝の護符」の「漆黒、纏いて挑む」を闇属性キャラに装備すれば、
最大3回までこのデメリットを含む状態異常を完全に防げる。必ずセットで装備しよう。
別に呪いを解除できる仲間キャラもいれば、思う存分力を振るえるだろう。
アビリティはこの呪いと同時に、攻撃力が無条件で最大50%、闇属性なら更に最大30%アップ。
彼の素材を使った武器も手に入る。イベントに出てくるモンスターに大ダメージを与える特攻アビリティを持つ。