KAIKANフレーズ
かいかんふれーず
概要
新條まゆ原作の漫画「快感フレーズ」をベースに制作されたアニメ。テレビ東京系列局、三重テレビ、岐阜放送、奈良テレビ、テレビ和歌山に加えて、日本テレビ系列局約5局、TBS系列局約6局、フジテレビ系列局約6局、テレビ朝日系列局約3局において1999年4月から2000年3月まで(一部ネット局で多少のずれあり)全44話が放送された。
バンド「リュシフェル」のサクセスストーリーを描いたもので、バンドアニメの先駆け的存在。
アニメーション制作はスタジオ雲雀。
内容等に関するあれこれ
序盤はTVQ九州放送を除いたテレビ東京系列局5局においてはゴールデンタイムで放送されてたり、主題歌にGLAYを起用していたり、劇中のバンドが実際に「Λucifer」名義でデビューする(後述)などかなり凝っていた。
キャストの方も三木眞一郎や鈴村健一など今なお知名度や人気の高い声優陣ばかりという豪華ぶり。
しかし、原作一部描写が一部描写であるが故にアニメ化に対する懸念があったことも確かであり、作者の新條自信、「こんな内容だから深夜アニメだろうな流石に」と思っていたところゴールデンタイムで放送されることを知らされ、戸惑ったほどであった。
(ひとまず)Λuciferの結成からの成長物語を描くという、原作のプレストーリー路線とすることで新條を納得・安心させた上で放送、と言うことになった。
だがそれが裏目に出て、ファンからは「なぜ雪村愛音を出さない!?」という声が多く出るなど評判ははかばかしくなく、視聴率も「伊東家の食卓」(日本テレビ系列局ほか)に押され思わしくなかったことから、19話で愛音を投入するも20話からは放送時間が深夜域に移行したのだった。ただし、テレビ東京系列外のネット局の中には、元から深夜に放送していたテレビ局も少なからずありはした。
後半に入り愛音が登場した後も、愛音が理不尽に性的に弄ばれることはなかった。やはりそのままではテレビでの放送自体ままならなかった事は想像に難くない。
2009年には舞台こそ全く違えどバンドアニメのけいおん!のヒット、バンドではないが作風がよく似た2011年のうたの☆プリンスさまっ♪がヒットしているのを見る限り、文字通り人類には早すぎた作品だったのかもしれない。
アニメ終了後はほとんど音沙汰がなかったが、近年のバンド作品ブームに乗っかってか、DSソフト「堕天使の甘い誘惑×快感フレーズ」として10年ぶりに同作がピックアップされた。
また、これに合わせて鈴木達央や榎本温子などキャストもアニメシリーズから一新された。
もっとも、キャスティング変更に関しては、あまり評判は良くなかったらしい。
リュシフェル
咲也→MAKOTO(ボーカル)、雪→YUKI(ギター)、敦郎→ATSURO(ギター)、TOWA(ベース)、サン太→SANTA(ドラム)で結成されたバンド。
話は前バンドを脱退したばかりのサン太と雪がメンバーを集める所から始まる。
実は主人公の咲也は元々ピアノが得意な一般人で、バンドとも全く縁がないという設定。
サン太が脱退したのは付き合っていた彼女(前バンドのボーカル)に信頼されなくなった事にショックを受けたため。
雪の方はサン太のドラムのリズムが自分に沁みついているので「お前が抜けるなら俺も抜ける」といった形で脱退した。
Λucifer
「劇中のバンドを実写化する」というコンセプトの元、結成されたヴィジュアル系ロックバンド。1999年9月15日「堕天使BLUE」でデビュー。
メンバーはボーカルのMAKOTO(越中睦)を除いて全員がアニメの担当キャラと同じ名前である。
また、アニメのイメージを損なわないように極力ビジュアルにも似たものを選出しているらしいが、MAKOTOはともかく、どう見てもアニメのイメージとかけ離れ過ぎているメンバーがいるため、HEY!HEY!HEY!ではダウンタウンにそれを突っ込まれていた。
前述通りアニメの評価こそは悪かったが、Λuciferの評判はかなり良く、CDもヒット。
楽曲にはJUDYANDMARYのTAKUYAや、PENICILLINの千聖なども参加している。
予想外に反響があったため、アニメ終了後も2003年の解散まで精力的に活動が続けられた。
その後2010年には期間限定で再結成され、ライブも行っている。
また、ボーカルのMAKOTOは日本よりタイの方が人気が高い事でも非常に有名で、その影響を受けて2014年にはタイ・バンコクのイベント「Tofu Music Festival 2014」にもΛuciferとして出演している。
ちなみに劇中でリュシフェルのライバルとなったバンド「エミュー」はΛuciferとは真逆ですでに実在するバンド「e.mu」を元に作られたキャラクター。こちらも2000年4月にメジャーデビューしている。