カナン
かなん
曖昧さ回避
地名
現在の地図で言えば神奈川県…ではなく、イスラエルおよびシリア近辺に相当する。
ヘブライ語で "כנען" (クナーアン)、英語表記は "Canaan" (ケイナン)。
語源については諸説あるが、新石器時代には人間が居住していた痕跡があり、シュメール文明の頃には既にこの地名があったともいわれ、古代エジプト王朝に属する州の一つでもあった。
現在のシリア西部で発見された古代都市・ウガリットの遺跡からは、ウガリット神話を記した粘土板が出土している。
ここには旧約聖書に繋がるカナン神話の原型が含まれ、セム系神話の研究において重要な役割を果たしている。
聖書ではアブラハムの子孫に神が与えた『約束の地』であり、ここに到達してからは家畜がよく育ち、赤子のいる母親たちも母乳のでが頗る良くなったことから『乳と蜜の流れる地』と表現される。
イスラエル人が来る以前は複数の民族が共存する地であったとされ、ヘブライ語を含むイスラエル王国の文化の多くは元々この地にいたカナン人のものが元になっているとする説もあり、ギリシャ人が呼ぶところのフェニキア人はこのカナン人と同一、もしくはカナン人から分かれた民族ではないかとも言われる。
「428~封鎖された渋谷で~」「CANAAN」のカナン
「428本編」での人物像
演:シンディ・ジョンソン
本編の登場人物の1人。10代の少女で、左手に蛇の入れ墨がある。それ以外の容姿については本編のネタバレを含むため、詳述は控える。
一見すると大人しそうな少女だが、その実は凄腕の傭兵であり、テロリストとして認識されている人物。かつて謎の武器商人「アルファルド」に大切な仲間を殺されたことから、「アルファルドへの復讐が生きる目的」なのだという。
大切な“サディーク(友達)”の大沢マリアとは、中東の街で出会った。ちょうど誘拐されかけていたマリアを気まぐれに助けたのだが、その時に懐かれた。カナンにとってマリアは“懐かしい色”を持ち、危険人物である自分に笑顔で接してくれる、稀有で天然な人。彼女からはあやとりを教わり、その礼として彼女に護身術を教えた。マリア曰く、カナンは「感情の読めない目をしている」「喜怒哀楽が乏しい」らしいが、親友と呼べる彼女との間では、カナンは普段は暴力に染まった生業を持つとは思えぬほど鷹揚な性格を見せる。
マリアが渋谷で危機に陥ったことを知ったカナンは、すぐさま日本へと飛んだ。本編で「カナンとマリアの会話を成立させる」と、カナンを主人公とするボーナスシナリオ「カナン編」をプレイできるようになる。
「カナン編」は実写ではなく、全編がTYPE-MOONのアニメイラスト+ボイス付きという異色のシナリオ。カナン編でのカナン、アルファルドのキャラクターデザインは後述のスピンオフアニメCANNANと同じものであり、本編に登場する実写の容姿とはイメージが異なる。
「カナン編」及び「CANNAN」での人物像
注意:「428」本編でのネタバレ含む
CV:沢城みゆき
独立している五感を同時に機能させる能力(共感覚)を持つ“鉄の闘争代行人”。好物はスティックシュガー。オリーブドラブ色のフレームを組み込んだベレッタPx4 Stormを愛用しており(幼少期はベレッタM93Rの初期モデルを使用)、共感覚と優れた戦闘技術により超人的な戦闘能力を発揮する。
幼い頃、戦争により家族を失ったところをシャム(後述)に拾われ育てられる。生来の共感覚者だがウーアウィルスの影響でその力は強化されており、それにより戦闘技術の師であるシャムが(自らを超越していく存在であるという意味で)「絶望」と呼ぶほどの能力を持つに至った。
「CANNAN」ではNGOの夏目に依頼され。宿敵「アルファルド・アル・シュヤ」が率いる組織「蛇」との戦いに臨む。一度はアルファルドに敗北し、上海の国際会議場を占拠した「蛇」との戦闘では共感覚を失った。その後乗り込んだ「蛇」の研究施設「ファクトリー」では完全に能力を取り戻したが、サンタナ、ハッコーの死で初めて恐怖感を覚え、アルファルドとの決戦の前には鋭敏すぎる共感覚のため死者たちの幻覚を見る。しかし苦闘の末、アルファルドを最後には圧倒して勝利した。
マリアたちと別れた後も闘争代行人を続けており、最終話のラストシーンでは再びアルファルドと相見えることが仄めかされている。