概要
軍役に従事する女性。
その歴史は意外にも古く、何と日本の弥生時代には既にいたらしい。(出土した人骨による)
女性は男性に比べて総じて身体能力で劣るため後方支援や技術関連などの役職に就くことが多く、歩兵や砲兵といった前線で戦う女性兵士は歴史的には稀である。
イラクやアフガニスタンなど、イスラム教圏では検問などでの(アバヤやブルカ等で武器を隠していないかなど)身体検査の際には戒律に触れないよう男女別に検査を行うため重要な役目を負っているが、髪や肌を露出していたり車両の運転をしていることから戒律に触れる行為を行っていると問題にもされている。
ただし、ソ連軍は別。独ソ戦では戦車兵、狙撃兵、パイロットなどの職務に就き、男性兵士同様の勇猛な活躍を見せた女性軍人たちの伝説が多々伝えられている(ロシア人には堂々たる体格の女性が多いことにもよる?)。
若い女性たちも数多くいて、これらはソ連の共産主義が良い意味で男女平等を訴えていた事や、悪い意味で従軍がブームになって少女たちが流行に気軽に志願した事なども大きな要因となっている。
二十四歳から前線に立った約一年間で309名もの狙撃戦果を挙げ、歴史上最高の女性スナイパーと讃えられたリュドミラ・パヴリチェンコもその一人。
しかしソ連においても女性兵士の活用は窮余の策であり、戦後には女性兵士の前線勤務は廃止されている。
また女性兵士の動員を想定していなかったため、様々なトラブルも発生している。
下着などを始めとする備品の不足や、女性だから軽視されたりといった差別、投入された戦線での悲惨で過酷な戦い、そして戦後に復員した女性兵士たちもその来歴故に差別されたりなど、決して華々しいだけのものではなかった。
これらについては彼女たちソ連女性兵の体験談を纏めたノンフィクション『戦場は女の顔をしていない』に詳しい。
2019年からは小梅けいと氏によるコミカライズがコミックウォーカーにて連載中である。
現代の女性兵士
第二次世界大戦後、女性の社会進出が進む中で「軍人となる権利」もまた男女を問わず解放されるようになり、女性兵士は世界的な増加傾向にある。(兵役の義務が男性の参政権の根拠とされた歴史上の国家も多く、女性兵士の存在は男女同権に関する社会的意味も持つようになった。)
当初は機甲・野戦砲兵など特定の地上戦闘部隊には加われなかった米軍でも、2015年から規制を撤廃し、すべての戦闘任務への従軍を認めている。
徴兵制としても、短期教育制度であり軍事教練を行わないイスラエルやマレーシアなどの例から、対露軍備を考慮したスウェーデンやウクライナのように軍事力の一端として女性を含む徴兵制度を持つ国も存在する。
近代以降の日本の女性兵士
旧日本陸軍においては、女工や事務要員として軍属の女性はいたが、兵士に近い制度として女子通信隊という組織が存在した。1942年に設立され、東部軍および中部軍に配置がされていたことが判明している。
また戦後の自衛隊には女性自衛官が存在し、役職も旧軍より広く存在する。女性自衛官の総数は2018年時点で約1.5万人。2020年には最も過酷な精鋭部隊とも呼ばれる陸上自衛隊の第1空挺団にて、女性初の空挺団員が生まれた。
別名・表記ゆれ
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【女性兵士特集】米軍&世界各国の強く美しき兵士たち!(2019年3月29日公開)
※アメリカ軍 公式YouTubeチャンネル『USA Military Channel 2』より転載
【ベラルーシ共和国・首都ミンスク:戦勝記念日75周年パレード】(2020年5月9日撮影)