「アア..美シイ...!! 命ノ輝キ...」
「...マルデ...夏ノ花火ノヨウ...!!」
概要
吸血鬼病ウィルスに感染し吸血鬼となる...という通常のプロセスとは異なり、変異種達は蟲の王様と呼ばれる強力な混血種の吸血鬼が持つ能力によって無理やり体を変形させられた人間である。
変異の進行
犠牲者となる人間達は、蟲が王様が腹部より放つ羽虫の毒牙に刺されると瞬く間に肉体の変形が進行し始める。
多くは蟲の王様の創造した怪物の姿となって人々を襲うようになるものの、羽虫による攻撃が中断されるなどすると変異が不完全に終わって意識が残ることもある。
(例えば変異が腕のみに収まった勝次の左腕などは変異種にしては珍しく知性をある程度は持っており、勝次本人の意思とは関係なく泣き声を上げたりもする。)
また拷問野郎のように特殊な混血種には王直々に彼の脳細胞が分け与えられており人格を持って高度な命令に従うように設計されている。
主な変異種達
- 歩兵型変異種
最も数の多い変異種。
球状の胴体と円形に広がる強力な顎、そして2本の足がついただけのシンプルな形状が特徴的。
サイズは個体により微妙に異なるが約1~2mほどと変異種の中では最も小さく、攻撃手段も口による攻撃に頼っているため遠距離から銃火器で一掃すれば十分に対処可能。
...しかし数こそパワーと言わんばかりに徒党を組んで襲いかかってくるので気が抜けない。
腹一杯に人間を食べ終えると引退となり、食料貯蔵庫として王への使命を全うする。
全体的に球状のフォルムを持った、巨大で強靭な顎と脚を備えたかなり大型の変異種。
眼や鼻などの感覚器がないもののどういうわけか正確に獲物を襲うことができる攻撃的な変異種。
普段は地上付近の地中に地雷のように埋まっており、国会議事堂付近に不用意に近づいた犠牲者を粉微塵に爆破する。
爆発の威力は絶大の一言であり、戦車をも一撃でスクラップに変える威力を持つ。
その名の通り、蟲の王の巣の入り口付近の天井に常に張り付き続けている変異種。
巣の内部に詳しい十条二尉によれば見張り役の変異種であり、襲撃者に突破されそうになると甲高い鳴き声を出すことで巣の奥深くに警戒を呼びかける役目を持つ。
攻撃に特化した4本の鎌を腕に備えた巨大な変異種。
国会議事堂地下の通称「開かずの間」と呼ばれる空間を守護する番兵であり、十条二尉曰く侵入者を排除する虐殺部隊。
鎌の部分は凄まじい硬度を誇るものの、それ以外の箇所は本体が素早い反面比較的柔らかく銃火器によるダメージが通る。
決戦時には爆弾型などの他の変異種との連携を取ることで多くの隊員の命を奪った。
明達に拷問野郎、鮫島にはお手手野郎と呼ばれた、両手が蟹のような形を模した不気味な変異種の個体。
普段は王の言伝を授かると同時にワガママの多い彼の世話を行うなどの業務をこなす他、捕獲した自衛隊員を拷問にかけて地上の情報収集を行っている。
王自身の脳細胞を与えられているため他の変異種と比較して知能がずば抜けて高く、約束事や嘘はもちろんのこと命乞いまでやってのける。
(また、現在はデブの左吉の体を奪って逃走中)
遥か数十メートルにも及ぶ巨大な体長を誇る、傍に槍を携えた巨人の姿を模した変異種。
王様自身の知覚とリンクしているのか単純に気付いていなかったのか、最初に広間へと到着した明達が目の前を通過するも華麗にスルーしたという空前絶後のド天然とポンコツさを併せ持っている。
蟲の王自身の姿もまた彼が作り出した創造物の一つである。
女性の顔のようなものが爬行生物のような胴体から浮き出しているというクスリでもキメてたかのようなデザインであり、しかも体内には夥しい数のバッタが犇いている。
心臓が動く限り如何なる攻撃も通用しない究極の怪物であり、この世界の神様であるという自負の元に多くの人間の生命を変異能力で弄んだ。
(...ちなみに手足の本数は安定しない。10本だったり12本だったりする)
作中での活躍
日本を滅ぼし、国会議事堂を占拠し地下深くへとその牙城を築いた吸血鬼のボスの一人蟲の王が自らのノートに描かれた落書きを具現化して生み出した怪物群...
そんな彼らはある日突然国会議事堂を襲撃し、周辺に住む人間達は次々に変異させられてしまった。
蟲の王と交戦した自衛隊一個中隊の指揮官である連隊長 は羽虫の攻撃により片目に深傷を負ってしまい、すぐに羽虫を引き抜いたものの身体に回った変異は完全には止まらず四肢を失った上に顔面も醜く変形してしまった。
しかし連隊長が一命を取り止め、王の能力の片鱗とその脅威が明らかになったことで陸上自衛隊は王の完全な討伐を決意。
そして、彼が占拠した日本国の政治的中枢である国会議事堂の奪還へと向けて策を巡らせることとなった。
また、その後しばらくして自衛隊は遠く上野を支配していた絶大な力を持つ吸血鬼姑獲鳥様を撃破した人間の救世主宮本明の協力を仰ぐこととなったのだった...
そして蟲の王討伐後は変異種達の変異能力の根源となる王が死亡したことで能力が解除され、体の一部に変異が進行していた連隊長や地下の怪物達は人間の姿へと戻っていった。
しかしどれだけ待っても山本勝次の左腕の変異が元に戻らなかったことで蟲の王の能力の一部を引き継いだ彼の片割れ、拷問野郎ことカニパンが決戦後も未だどこかでしぶとく生存していることが明らかになったのだった。
戦いはカニパンが逃亡した先にあるという、吸血鬼の作り上げた楽園である血の楽園編へと続く____
余談
変異種の存在自体、もともとが吸血鬼ウィルス由来のものではなく蟲の王個人の変異能力が由来となった生物群である。
...ただし王本人がまだ精神的にも小学生であるためか、それら変異種達の中には出鱈目に多くの手足の生えたもの、人間の顔面に華が咲いたようないい加減な継ぎ接ぎ生物、そして50mを悠に超えるなど生物学的に存在し得ないサイズのものも多い。
(例:洞窟の入り口よりも遥かに大きい門番型変異種など。)
また、変異種は血を飲まないと他の吸血鬼同様邪鬼化するのか...?という問題であるが、作中で死ぬまで天井に張り付いて獲物を待つ変異種などが登場しているため時間経過による邪鬼化の恐れはおそらく無い...ものと見られる。違ったらすまない。