概要
『超電磁マシーンボルテスV』に登場する地球外知的生命体。
黄金城に君臨する皇帝ズ・ザンバジルをトップとした帝政国家であり、角の有無によって貴族と労奴に分けられ区別される、極端な差別の文化を持つ貴族優位主義社会を形成している。
「角のない異星人は労奴にも劣る下等生物であり、ボアザン貴族の支配下に置くべきである」という大義名分を掲げて宇宙の各地に侵略の魔の手を伸ばしており、地球人も「それなりの科学力を持つ哺乳類」「犬や猫と同レベル」とみなしている。それゆえド・ズールが地球人には愛情があると報告した際には一笑に付している。
地球征服軍戦力として戦闘指揮艦スカールーク獣士や鎧獣士を、ボアザン星防衛の戦力として巨大人工衛星ソドムとゴモラ、宇宙戦闘艦ザルダン、そして守護神ゴードルを所有する。
一見盤石に見える貴族優位主義社会だが、実際には他の惑星への侵略を良しとしない和平派や貴族による理不尽な差別に不満や憎悪を抱く労奴が少なからず存在し、大きな火種を抱えていた。
最終的にはボルテスチームがボアザン星に突入した際に、反攻の機会をうかがっていた労奴達がクーデターが勃発、逃げ惑うしか術のなかった貴族階級は全員拘束。
独り黄金城に残ったザンバジルは、支配者の誇りをかなぐり捨て又甥で元地球征服軍司令のハイネルに責任を擦り付けて見苦しく命乞いをした為、貴族の誇りを汚す醜態に憤ったハイネルに誅殺される。
その後ハイネルは黄金城の崩壊に巻き込まれて死亡。貴族制度は完全に崩壊した。
最終的に剛健太郎ことラ・ゴールが中心となって再建に着手している。
ボアザン星にはボアザネリア菌という風土病を引き起こす細菌があり、地球人には重病だが星人は生まれつき抗体を持っており、これが侵略軍側にとって剛三兄弟がボアザンの血を引くことの証明となった。
『超電磁大戦ビクトリーファイブ』では地球、キャンベル星、バーム星との和平条約が結ばれた。
主要メンバー
本星
- ズ・ザンバジル
- ザキ侯爵
CV:大木民夫
第8話に登場したザンバジルの懐刀とされる査察官。
皇帝の権威を笠に、意にそぐわぬ者を次々と処刑していったという。表向き督戦の勅使として地球にやって来るが、皇帝の内意を受けハイネルを死地に追いやるのが真の目的である。
ハイネルを罵った上に、獣士ガルゴーに搭乗して直接ボルテスと戦うよう命令し、その上でザルゴーの弱点をボルテス側に密告して戦死を狙うが、計画を察したカザリーンによってザルゴーは改造されボルテスVを苦戦させる。
近場で高みの見物としゃれこんでいたが、搭乗していた円盤をボルテスに引きずり下ろされ、ガルゴーへの盾にされて爆死、母星には「名誉の戦死」として報告された。
- グルル将軍
第35~39話登場。
皇帝の勅命を伝えるべく地球に飛来した。ラ・ゴールを捕獲した後、ハイネルを解任してベルガンと共に本星へ帰還。
ボルテスチームが母星に接近したため皇帝から戦闘要塞ザルダンと大艦隊を与えられてベルガンと共に出撃したが、ボアザン星上空での戦闘でザルタンもろとも爆死する。ザンジバルから「所詮グルルは使えぬ」と評されたように軍人としての能力は低い。
地球侵略軍
ハイネルの側近の一人で、短身痩躯の老人。角は額に1本。
兵器や要塞、獣士の製造を担当する科学者。ベルガンとは設定上従兄弟の関係。
実はザンバジルがハイネルを失脚させるために送り込んだスパイで、ハイネルは薄々感づいており、第22話で暗殺に失敗してハイネルに最後通告を突きつけられる。進退窮まったズールは、ボルテスチームに投降するふりをして地底城に彼らを招き、ハイネルと相討ちさせようと企むが、ハイネルは最初から裏切り者を赦すつもりはなかった上に計画も既に見抜かれていたため、逆に待ち構えていたハイネル達に処刑される。この時のハイネルの怒りは凄まじく、ド・ズールに関係するものは写真・遺品に至るまでことごとく処分された。
和平派
- ラ・ゴール
- ダンゲ将軍
- ドイル将軍
- ロザリア
その他
- 突撃兵士
ボアザン星の兵士。
側頭部に角を付けたフルフェイスの兜を被っているが素顔は不明。尻尾があることから星人とは違う種族と思われるが詳細も不明。
頭脳を獣士に移植されることもある。
- ギルオン
CV:黒部鉄(現:屋良有作)
第29話に登場した剣闘士。奴隷の両親の下に生まれたため、本人は角があっても差別される階級であり、剣闘士となる。自分が殺した相手でも戦った者への尊厳を忘れない武人。
鎧獣士に改造されて、ダンゲ将軍の捕獲を命令されるも、健一からダンゲの死を知らされた後も正々堂々とボルテスチームに挑むが敗北、健一が自分達もボアザンの血を引く者で争うことの愚かしさを説かれて撤退した。
当初の処分は敵前逃亡罪で鎧獣士の資格剥奪を言い渡されただけであったが、死者の尊厳を重んじる性格から死んだダンゲの遺体を持ち帰らなかったことについてハイネルに抗弁したため死刑宣告を受け、ダンゲの部下として戦いたいかったと死に際してダンゲを賛美しつつ、鎧獣士ザルザによって銃殺される。死後残骸はビッグファルコンへの当てつけでザルザにばらまかれた。
彼の処刑にはカザリーンやジャンギャルも思うところがあった模様。
保有兵器
侵略用の巨大サイボーグ兵器。
基本的に侵略する星の生物を巨大化・生体改造したもので、突撃兵士や剣闘士の頭脳を移植しており、突撃兵士にとってはこの獣士になる事はかなりの名誉であるらしい。
その為か、中には自分の意思を持ち、会話するなど高い知能を持った獣士も存在する。
- 鎧獣士
獣士に代わる新兵器。
獣士と違い、機械部分が大幅に増えかなりメカっぽくなっている。
装甲材に超強化合金マキシンガルを使用しており、従来の獣士とは比較にならない防御力を誇り、戦闘力自体も向上している。投入当初はパワーアップ前のボルテスVの通常武器は愚か、作中では理論上防ぐ術がないはずの必殺技Vの字斬りすら通用しないなど、圧倒的な強さを見せ付けた。
- ボアザン円盤
斥候、輸送、戦闘の役目を持つボアザン軍の円盤。サイズはボルテスの2倍以上。
ズールによると、以前から調査や地底城建設用の奴隷確保のために地球を訪れた際に地球人がUFOを目撃したと騒いでいたとのこと。
ボルテスチームでなくても撃墜は可能で、岡長官たち防衛軍と度々攻防を繰り広げていた。
- 地底城
孤島の地底にあるボアザン軍の地球前線基地。
見掛けは西洋の古城のようだが、緊急時には要塞モードに変形する。
グルルとベルガンによって兵士の大半を連れていかれた上に獣士製造工場などの設備が爆破されて進退窮まったため、カザリーンは塔にある脱出用宇宙船で強引にハイネルを脱出させた。
- スカールーク
巨大な骸骨状の外見に西洋の城塞型の艦橋がついたボアザン軍の戦闘指揮艦。ワープ航行能力を持つ。
名前の由来は骸骨(スカール)と城(ルーク)。
主にジャンギャルが前線指揮に使用しているが、ハイネルらも第1話でこれで地球まで赴任しており、ド・ズールも口からドリルを展開してボルテスと戦ったことがある。
目の部分は搭載した獣士の出撃口となっている。
第37話においてベルガンが地底城から引き揚げる際に爆破されてしまう。
- 戦闘要塞ザルダン
ボルテス撃墜のためにカノープス、リゲル、アルタイル方面軍と共にグルルがザンジバルから与えられた宇宙戦艦。グルルの指揮能力が低いため実質ベルガンが指揮を執った。
ラ・ゴールの通信で指令塔が弱点であることが発覚、超電磁ボールと天空剣に敗れ去った。
スーパーロボット大戦では
大体の作品で他の異星人組織と提携して地球に攻めてくることが多いが、ベガ星連合軍やゼ・バルマリィ帝国など、星間国家と同時参戦した場合は同盟という名の従属を強いられるケースが多い。
また、貴族制崩壊まで描かれたのは『第3次α』だけで(『R』では地底城陥落までしか再現されず4年後を描いたエピローグで地球と和議が結ばれたことが判明、『L』では本編終了後で一切登場しない)、大抵は地底城攻略までしか描かれない。
関連項目
百鬼帝国:角の生えた軍勢繋がり。地球人(と言っても鬼、一種のミュータントだが)の勢力だがスーパーロボット大戦Aでは共闘までしている。