『プログラムのエラー、電子頭脳の故障。俺達レプリロイドの高度な情報処理能力の、いわばツケだな』
概要
電子頭脳に支障を来たし、人間や他のレプリロイドに危害を加えるようになったレプリロイド、メカニロイド類の総称で、所謂犯罪者的な存在。
政府やイレギュラーハンターによって認定され、イレギュラー認定されたレプリロイドは、イレギュラーハンターによって処理される。
イレギュラーの処理は「認定し次第、現行犯でその場で破壊する」のが原則であり、レプリロイドに言わせれば「イレギュラー認定=問答無用で射殺か処刑の対象」という極めて重いものとなる。
ただし、全てのイレギュラーが破壊される訳ではなく、ゼロやフロスト・キバトドスのように、イレギュラーと扱われていたものが、社会復帰するケースも存在する。
作品中でもシグマが「単に人間の言いなりにならないレプリロイドの事」と指摘するなど、イレギュラーの概念には曖昧な部分も多い。
特に、「自ら悪事を働くようになったレプリロイドに説得や更生の余地はあるのか」や、「故障やウイルスで暴走、或いは洗脳されたレプリロイドを治療できないか」など、
ゲーム的にやむを得ないとはいえ、一度イレギュラー認定されたレプリロイドを完全に破壊する以外に解決手段はないのか、という点に関しては殊更曖昧な線引きとなっている。
人工的な機械であり、同時に知的生命体でもあるレプリロイド故に切っても切り離せない問題点ともいえる。
イレギュラーハンターXにてゼロが『思考回路が高性能になりすぎた事』がイレギュラー化の原因であると語っている為、人間的思考回路に潜む未知のバグがイレギュラー化の原因とも考えられる。
イレギュラー化の原因
原因は電子頭脳の故障から思考プログラムのバグなど様々だが、ウイルスによる外因的な事例も多発している。
ウイルスの場合は徐々に正常な思考を失い、ハンターが駆けつけた時には既にまともな会話すら成立しないといった事例もある。
(ただし、シグマウイルスについては「シグマ(及び彼の関係者)に操られる」「単純に錯乱して暴れる」「ダメージを受ける」など、症状が曖昧な点が多い)
このような技術的な支障の他にも、人間と同じ思考回路を持っているがゆえに、人間同様、自らの意思で(人間の命令無しに)犯罪に手を染めるレプリロイドも存在する。
こうしたレプリロイドも当事者が止める様子を見せなければイレギュラーと認定され、破壊される。
ただし、こちらは正常な思考を失っているわけではないため、イレギュラー認定された後でも場合によっては投降を促されたり、任意同行の上で弁明の機会を与えられたりするなど、すぐに破壊の対象となる訳ではないようである。
そもそも人間でいう「魔が刺した」可能性も有りうる中で、イレギュラー化「した」からと一色単に破壊する方針自体がおかしいという意見も有る。
X4ではレプリフォースという組織全体をイレギュラー認定したことにより「レプリフォース大戦」を勃発させてしまい、コミカライズでは不完全な存在である人間に造られたレプリロイドも不完全なのは当然であり、それを人間がイレギュラーとして否定し続ける限り争いは無くならないといった趣のセリフがある。
コマンドミッションでは人工島「ギガンティス」の独立阻止が主目的であり、反乱の主謀者をイレギュラーと仮認定しているが、鎮圧のために賞金稼ぎやレジスタンス、果ては義賊とはいえ窃盗に手を染める盗賊と手を組むことに難色を示すシーンもあった。
終盤では「謀略によってイレギュラー認定された者」が「した者」を倒し、後から「した者」が逆にイレギュラー認定され直すという逆転劇となる。
ロックマンゼロの開発段階では「イレギュラー化の原因は、全てのレプリロイドの原型となったエックスの苦悩回路」という設定になる予定だったが没になっている。
その他
上記以外にも、イレギュラー化した存在によって生み出されたりするなどの理由で生まれながらのイレギュラーというレプリロイドも存在する(ワイヤー・ヘチマール、シザーズ・シュリンプァーが該当)。また、ゼロシリーズでは元は善良な存在であったのに悪意ある改造を受けた結果イレギュラー化してしまったレプリロイドも多数登場する。
ゼクスシリーズでは暴走したレプリロイドの他にも野生化したメカニロイドのことを指すが、モデルVに操られているイレギュラーも存在する。また、イレギュラー襲撃の生存者がライブメタル適合者となっている。これには「あの男」が密接に関わっているのだとか…
同シリーズのボスキャラは、イレギュラーハンターの公式記録上では、全てイレギュラーとして処理されている。
X8に登場する新世代レプリロイドは、人類とそれに付き従う旧世代レプリロイドが作る「旧世界」に対して自らの意思で戦いを挑むことが出来る。
言い換えれば自らの意思でイレギュラーになれるという事であり、それを「より進化した者に滅ぼされるのは自然の摂理、新たな生命のあり方」と称し、イレギュラーの存在自体を丸ごと否定している。
その思想は皮肉にも遠い未来においてロックマンの名を持つ者の手で達成され「システム史上最大のイレギュラー」と認定されている。