概要
2016年12月から販売されている。
製造は子会社のトヨタ自動車東日本の岩手工場とトルコ工場が行う。
車名の由来は
- 「Compact High Rider」(コンパクトでリフトアップされた格好いいスタイル)
- 「Cross Hatch Run-about」(ハッチバックのようにキビキビと気持ちよく走るクロスオーバーSUV)」
という意味合いの文中3頭文字を取ったものである。
TNGA-Cプラットフォーム採用車としては4代目プリウスに次ぐ第2号であるため、「プリウスのSUV版」と呼ばれることもある。
しかしながら試作車をニュルブルクリンク24時間耐久レースに参戦させ、前期型はドイツザックス社製のダンパーを奢るなど、かなり「走り」を意識して設計されているのが大きな特徴である。
エンジンは国内向けは1,200ccターボ付きと1,800ccハイブリット仕様の2種類を設定。
さらにヨーロッパ向けには日本仕様同様の2種類に加えて2000ccのハイブリッドエンジン搭載車、北アメリカ・中華人民共和国向けには2,000cc、東南アジア向けには1,800ccのNA(自然吸気)が設定されている。
ただし北米諸国仕様の2,000ccは中国本土向けのそれとは別のエンジンとなっており、中国本土向けには電気自動車仕様も存在する。
駆動方式はFFと4WDがあるが、ハイブリッド版4WDの「E-Four」の設定はない。
安全装備として、衝突防止、車線はみ出し警告、ハイビームとロービームの自動切り替え、一定の車間での追従走行の4つの機能をセットにした「Toyota Safety Sense P」(2018年5月販売分から「Toyota Safety Sense」に変更)を標準設定している。
2019年10月のマイナーチェンジでは、TOYOTA GAZOO Racingチューンの『GR SPORT』グレードが新設定。
加えて海外で先行発売されていたiMT(自動ブリッピング機能付きマニュアル・トランスミッション)仕様が国内導入された。
姉妹車としてはレクサスUXとイゾアが存在する。
レクサスUXは、中国向けC-HRの2,000ccエンジンとヨーロッパ向け2,000ccハイブリッドエンジンを搭載し、外観デザインは独自のものを採用している。
イゾアは中国の自動車メーカー・中国第一汽車集団とトヨタとの合弁企業である「一汽トヨタ」向けの車である。
2017年年度には日本で約で11万7,000台の新車販売台数を記録し、クロスオーバー車も含めたSUV部門でトップになった。
その他性能や外装デザインについては、筆者名が明示されている専門雑誌や実際のオーナーの話などを参照して頂きたい。
モータースポーツ
正式発売前の2016年6月に開催されたドイツのニュルブルクリンク24時間レースに、TOYOTA GAZOO Racingが市販車プロトタイプで参戦、悪天候化のコースコンディションの悪さやチームのうっかりなケアレスミスによるガス欠にめげずにクラス3位で完走を果たした。
2019年にはタイのトヨタ法人がエンジンを3S-Gに換装したもので参戦してクラス3位に入っている。
またアジアパシフィックラリー選手権(APRC)参戦のために、TRDとCUSCOが共同開発した2.0Lターボのラリー仕様が存在している。
2019年9月に開催されたAPRCの一プログラムである北海道の大会でデビューと勝利を飾っている。
更に2020年にはタイの子会社によるチームが、同規定仕様でタイランド・ラリー選手権に参戦している。
ただし上記のモデルはあくまでレース用に専門業者の手で専用改造されたものであり、市販モデルそのままの状態ではオフロードや悪路での走行には全く向いていない点には注意が必要である。
ほぼ無改造での参戦歴としては、初心者向け1Day開催のTGRラリーチャレンジくらいしか無い。