曖昧さ回避
- 小説『シャーロック・ホームズ』に登場するキャラクター。本記事で解説。
- アニメ『名探偵ホームズ』のキャラクター⇒モリアーティ教授(名探偵ホームズ)
- NHK作品『シャーロックホームズ』のキャラクター⇒モリアーティ教頭
- 『探偵オペラミルキィホームズ』の登場人物。森・アーティは彼の子孫という設定になっている。
- 『Fate/GrandOrder』のキャラクター⇒ジェームズ・モリアーティ(Fate)(ネタバレ注意)
概要
コナン・ドイルの小説『シャーロック・ホームズ』シリーズに登場するキャラクターにして、ラスボス的存在。本名は、ジェームズ・モリアーティ。
ホームズと並ぶ高い知能を持つ数学教授であったが、彼に関する悪い噂が流れるようになった為に教授の職を辞す事となり、今は軍人子弟相手の予備校教師(もしくは家庭教師)をしている。だが、それは表の姿であり、21歳で二項定理の論文、大学教授時代に「小惑星の力学」という論文を発表したその高い知能を活用して巨大な犯罪組織を形成し、自らはその頂点に立って犯罪を立案し指示するだけで、その手を汚すことなく犯罪を成功させ報酬を得るという裏の姿を持つ男。
長身で、長年机に向って学問に打ちこんできたせいか猫背である。
ホームズ曰く「犯罪界のナポレオン」で、部下に銃の名手であるセバスチャン・モーラン大佐ほか、有能な犯罪者を抱えているロンドン第一の危険な人物である。
スコットランド・ヤードのマクドナルド警部の言によれば、警察内でホームズに犯罪者扱いされる教授を気の毒がる声が多いとされる程に疑惑の目を向けられておらず、教授を訪問した警部は帰りを見送った教授の姿を厳しい世間に出て行く息子を見守る父親の様だったと語るほどだった。
最後の事件の後でも教授の事は謎に包まれている部分が多かったとされ、ホームズも匿名フレッド・ポーロックという教授傘下の人物から容貌などの情報は得ていたが、実際に教授と面と向かって会った事は二度しか無かった。
ホームズを一度完全敗北させた唯一の人物でもあり、最後の事件の折にホームズは「彼を倒す事が出来れば自分の命を無くしても良いと」ワトソンに語るまでにその打倒を目指していた。
それ故に目的を達した後はある種の完全燃焼をしたらしく、教授が死んだ後のロンドンは実に退屈な街になったとホームズはぼやいている。
シャーロックホームズシリーズを終了させたかった作者のコナン・ドイルが、『最後の事件』でホームズと相打ちさせるために作ったキャラクターだと言われている。そのため、シャーロッキアンの間でも『最後の事件』の評価は分かれ、『恐怖の谷』でも出番があるが、明らかにストーリーに矛盾が生じている。そしてセルロイドのように薄いキャラだった前者の作品に比べ、登場はしないものの後者の作品の方が存在感は圧倒的である。
なお、彼の存在はホームズの口からしか語られていない。そのため、「モリアーティと言う存在は、ホームズがコカイン中毒で見た妄想や、彼の狂言なのでは」「あるいはホームズとモリアーティは同一人物なのでは」と言った仮説も多く存在する。
パロディ作品では、単にホームズの家庭教師だっただけの善良なおじさんで、ホームズが妄想に苦しみ、フロイトによる治療を受けた、という有名な話もある。
なおモリアーティ自身は三人兄弟の次男らしく、兄は軍人、弟は田舎の駅長を務めている。
兄の大佐の名前もジェームズであるため、「ジェームズ・モリアーティ」と言う複合姓ではないか、と言う説もある(つまり、兄弟揃って「○○・ジェームズ・モリアーティ」と言うフルネームであると言う説)。
「ジャンプSQ」では竹内良輔と三好輝によるシャーロック・ホームズシリーズをモリアーティ教授側から改変・再構築した漫画作品『憂国のモリアーティ』が連載されている。
こちらに登場するモリアーティは上記の兄弟説からか、犯罪卿・モリアーティ教授である次男「ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ」、軍人であり秘密組織の長でもある長兄「アルバート・ジェームズ・モリアーティ」、屋敷で執事的な役割を担っている三男「ルイス・ジェームズ・モリアーティ」の三人兄弟となっている。