声:高城元気
概要
アニメ版のみ登場。
第1期最終回のエンディングが終わったCパートに、なんの脈絡もなく突然登場した。
物語の舞台・ホームズ探偵学院へやってきた転校生。
ミルキィホームズたちを尊敬しているらしく、丁寧な態度を取るが、かなりわざとらしく、ひそかに何かを企てるような黒い笑みを時節浮かべる。
経歴、能力、年齢、性別など一切は謎に包まれている。
見た目が少女っぽいにもかかわらず、男性声優が裏声で当てているため、出番の少なさのわりにかなり存在感がある。
まれに男性のような声を出すこともあるが、どちらが地声なのかは不明。
名前の由来は、名探偵シャーロック・ホームズの宿敵である、ジェームズ・モリアーティ教授。
登場回
第1期12話(最終回)
先述の通り、ホームズ探偵学院の転校生として登場。
ネタバレ防止のため、エンドロールでの表記は「謎の転校生」だった。
転校の時期が冬休みという不自然さ。加えて、ホームズ探偵学院で最高レベルの権限を持つアンリエット・ミステールすらその転校を知らなかったという、きわめて謎めいた存在。
対して森の側は、ミルキィホームズやアンリエット、ペットの名前(かまぼこ)まで熟知しており、これまた底知れなさをかもし出している。
なお、このときのかまぼこは森の存在に強い警戒を示す。
森がスケッチブックに「森・アーティ」と書いて見せ、自己紹介。それに対しミルキィ4人とアンリエットとかまぼこが「どっひゃー!」とずっこけて『ミルキィホームズ』の第1期は幕を閉じる。
完全な出オチであった。
『サマー・スペシャル』
『探偵オペラ ミルキィホームズ サマー・スペシャル さようなら、小衣ちゃん。ロング・グッドバイ・フォーエバーよ永遠に…』のCパートにて前回同様、意味もなく登場した。
ネタバレ防止のため、エンドロールでの表記は「謎の新人歌手」だった。
アイドルとなった明智小衣が引退を表明。その様子を見ようとミルキィがテレビの前で待ち構えていると、なぜか森が新人歌手として登場。「ブルーライト・ヨコハマバッハの滝」なる曲を歌うと宣言すると、ミルキィ、アンリエット、かまぼこに加えてGenius4が「どっひゃー!」となって終わる。
再び出オチであった。
『探偵オペラ ミルキィホームズ 第2幕』
第8話にて。
ついにアンリエットに完全に見捨てられ、ホームズ探偵学院も更地と化してしまい、すべてを失ったミルキィホームズ。しかし、再出発の決意を新たにしたミルキィたちは、手を合わせて一致団結する。
そんな本編が終わる数十秒前、さも当然のように森・アーティが混じる。
そしてシャーロック・シェリンフォード(シャロ)が「ミルキィホームズ足す、かまぼこ足す、森・アーティ!」と、さも当然のように宣言し、ツッコミのないまま終わってしまった。お前はシドニー・マンソンか。
エンディング前のBパートであったため、初めてエンディングに「森・アーティ 高城元気」とクレジットされた。
またもや出オチかと思われたが、以後の話にも続けて登場する。
第9話では、ミルキィたちが立ち上げた「新ホームズ探ていがくいん」で、実技の講師を務めることになっていたが、探し物があると言ってどこかへ行ってしまった。
なぜかすっかりなじんでおり、コーデリア・グラウカからは「森さん」、シャロからは「アーティちゃん」と呼ばれている。
探し物とは、ヨコハマ万博のパビリオンに展示される予定だった「ぱんどらのかけら」で、終盤に森はこれを盗み出した。
第10話で、その「ぱんどらのかけら」にシャロに持たせ、トイズを封印する"パンドラの壷"のありかに導かせる(「ぱんどらのかけら」はシャーロック・ホームズの血を引く者が持つことで発動し、そのことを森は知っていた)。
パンドラの壷には、かつてシャーロック・ホームズが現役時代に怪盗たちから(バリツで)奪った災厄のトイズが詰まっており、シャロがその封印を解いたことで、数々のトイズがあちこちに飛散。最終決戦の火蓋は切って落とされた。
が、森はリュックサックに目的のトイズを収集すると、もはやミルキィホームズ達には用が無くなったかのように「バイナラ」と言い残してどこかへ去り、そのまま本編上から退場した。
その後はアニメ第3期、第4期などでの登場はなく音沙汰なしとなっている。
余談だが、漫画版『探偵オペラ ミルキィホームズ ぽっしぶる』では、根津次郎がテストの成績が悪かったことがバレることを恐れるシーンで、森によく似た姿のモブが登場している。おそらく根津は森の姿を見たことはあるが、ミルキィホームズのように会話したことはほとんどないと思われる。
正体の考察
結局作中では性別や能力などほとんどの謎の部分が判明しないまま消えて行ってしまったが、
10話でのパンドラの壺のトイズを回収する際、シャーロックホームズが現役の時代(劇中での世界観では最低でも3,40年前)に封印されたはずのトイズに対して
「お久しぶり」、「相変わらず」と明らかに以前から見知ったような発言や、
ホームズの時代の描写などを鮮明に回想して見せたりといった点から、
ミルキィホームズたちが名前の元ネタとなった人物の子孫であるのに対し、森・アーティに関してのみ
何らかの理由によって子供の姿となったモリアーティ教授本人ではないかという考察がされている。
主な仮説としては以下
・一期のホームズたちのように憑依のトイズで自分の子孫に憑依した
・専用に作った精巧な人形に憑依している
・何らかの方法で若返っている
・前世の記憶を持った生まれ変わり
等々・・・
制作コンセプト
最後の最後で突然登場する手法は、映画『ヤングシャーロック・ピラミッドの謎』(1985年)のパロディではないかとファンの間では言われている。同作はエンドロール後に、ある人物が帳簿に「モリアーティ」と署名する場面で終わっている。
2011年に刊行された『探偵オペラ ミルキィホームズ オフィシャルファンブック』では、脚本のふでやすかずゆきが、フジテレビ系列のドラマ『王様のレストラン』におけるヒキの手法を真似たと語っている。
同書籍の設定資料集には「黒シャロ」と書かれており、シャーロック・シェリンフォードの闇堕ち系としてデザインされているものと思われる。背中には黒いかまぼこ型のリュックサックを背負っている。
尚、原作のシャーロック・ホームズファン(通称シャーロキアン)の間では、昔から
「ホームズとモリアーティの同一人物説」という仮説が存在する。
作中、ホームズとモリアーティは直接対峙する場面が一度も描写されていないことから来たものであり、
信憑性はともかくとしてシャーロキアンたちの間では有名な仮説となっている。
一部では、森・アーティのシャロに酷似したデザインはこの仮説を元ネタとしているのではという考察もある。
反響
あまりの突拍子のなさから、対応に困っているファンが多数。頭の触角を差して「ゴキブリ」などと揶揄される。
それでも、登場直後は2ちゃんねるアニキャラ個別板に専用スレッドが立ち、「一日一アーティ」が合言葉であった。森の支持者は「アーティスト」を自称した。
キャラクターデザイン・作画監督の沼田誠也は、エイプリルフールに「森さんラフ」なるものを公開したり、『第2幕』放送直前に公開した絵には当たり前のように森を紛れ込ませていたり、スタッフ間では人気がある模様。
また、アニメ2期終了後はBDジャケットやグッズにもレギュラーキャラ以外では唯一登場しており、
やはり他のサブキャラとは一線を画す扱いとなっている。
再登場
アニメ第3期、第4期では監督・スタッフが変動もあったものの、初期のスタッフが再び集結して制作される2016年2月公開の劇場版ミルキィホームズでは密かに登場を期待する声もあり、結果見事登場を果たした。
その正体はミルキィホームズら同様ジェームズ・モリアーティの子孫であり、芋掘りの途中でモリアーティのミイラを発見、彼を復活させるべく画策する。ただし、モリアーティ側の一味以外にはその姿を見せておらず、登場人物たちには正体は露見していない。
最終的に計画は失敗したものの、エンディングでは階段でアンリエット・ミステールと出会い、怪しい笑みを浮かべながら退散している。