cv:白石兼斗
概要
戦闘力
ヒーロー名の通り、左腕に大型のガトリングガンを装備しているが、義手ではなくて本物の腕もある。彼の得物は、厳密には「連写式の鉄砲を連結させた物」とされているため、通常のガトリングガンよりも反動と威力が強い可能性がある。
必殺技は、ガトリングガンの回転数を一気に上げて敵を殲滅する「デスシャワー」だが、弾薬を使いきってしまうリスクもある。また、ナイフなどを使った白兵戦も可能。大型のガトリングガンを常に携帯しての戦闘が可能であり、ガトリングガンの反動も難なくいなして命中率も問題ないなど、非常に優れた身体能力を持つと思われる。
大多数との戦闘に慣れており、一人で戦況を変えるとされている事からも、「人間基準」で言えば間違いなく化け物と呼べる猛者である。
人物
巨大なガトリングガンで敵を粉砕するという荒々しい戦い方をする上に必要とあらば、卑怯と言われるような作戦や味方を見捨てるような行動を取るため一見すると冷酷な性格に思われがちだが、ガトリングガンという殺傷力の高い武器を使っていながらも相手が人間だからと殺さずに生かして捕らえようしたり、自身の攻撃に味方を巻き込んでしまう事を恐れて攻撃を躊躇したりする等、真人間としての情や甘さが見られる。
数々の修羅場や死線を切り抜け、人格的にもA級上位という地位に違わず、ガロウの討伐作戦を展開した際には他の実力派や実直なヒーローたちがデスガトリングの作戦に乗っていたことからも、彼への仲間からの信頼が厚い事がわかる。
A級ヒーロー上位という一般的なヒーロー達からすれば十分エリートと言える立場ながら、怪人達の視点から見ても化け物と呼べるS級ヒーローとの実力の差を実感しており、強力な怪人達が続出している状況に自分を含めたS級以外のヒーロー達の実力不足に焦りを感じており、作中で発した「…何がS級だ…それ以外が2軍だとでも言いたいのか」この台詞が彼の心境を表している。
評価
ガロウとの戦いでは、ヒーロー数人がかりで手負いのガロウを追い詰め、戦いの最中でピンチになった仲間を救助せずに切り捨てる、「小屋の中に子供がいる」というガロウの警告を万が一を考えずに嘘と決めつけ攻撃する、更には仲間を全て倒されて必殺技も耐えきられ、あげく自身のコンプレックスまで看破され、自棄糞気味に近接格闘のエキスパートたるガロウ相手にナイフで白兵戦を挑もうとするも何かする間もなく、あまりにも正論かつ痛烈な指摘をされながら文字通りワンパンでKOされてしまい、自身の象徴たるガトリングガンとともにプライドを完膚なきまでにへし折られてしまうという、名誉欲に駆られた小物の様な描写が見られた。
そのためかネットでデスガトリングと検索すると高確率で「デスガトリング クズ」とトップに出てくる程に一部の読者からの印象が悪い。だが、デスガトリングは作中で(描写されている限りは)タンクトッパー兄弟のタイガー、ブラックホールやフブキ率いるフブキ組、一部のA級ヒーロー達のようなヒーローどころか真っ当な人間として恥ずべき行為である新人潰しを行っていたわけではない。
先述のガロウとの戦いでも複数人で既に手負いのガロウを襲撃したのはヒーロー狩りとしてS級ヒーローをも捩じ伏せる実力を持つ彼を手負いだからと侮らず確実に仕留めるための作戦であり、戦いの最中で窮地の仲間を切り捨てたのもガロウがわざと痛めつけるような戦い方で怒りを煽って冷静さを失わせる戦法を取ってる事を見抜いたためであり(デスガトリングの武器では助けるどころか味方を巻き添えにしてしまう恐れがあり実際にガロウもわざと相手に張り付くような動きをしてデスガトリングに攻撃を躊躇させているため決して彼が冷酷な人間というわけではない)、「小屋に子供がいる」というガロウの警告を無視したのは、直前にガロウが虚言によるハッタリで相手を動揺させる戦法を使っていた事とこの状況で犯罪者の言葉を信用する方がおかしな話であるため、デスガトリングの行動や判断が間違っていたとは言い切れない。
余談
A級ヒーローでありながらS級ヒーローとの実力差に苦悩している様子が強調されていたが、これについては作中で度々描写されているように協会側がS級にばかり傾倒し、A級以下への待遇とサポートなどを軽視し、市民からの注目と称賛もS級に集中してきたのも事実である。
協会側の資金力と人材にも限度があるのだろうが、それでもデスガトリングの指摘は的を得ており、人格で選ばれたわけではないS級にばかり秘密事項が知らされ、A級以下のヒーローの生存率や装備の改善やモチベーションの維持などに割かれるべきものが、S級や協会幹部にばかり向けられ、上層部の腐敗にも拍車がかかり、シルバーファングなどが注力してきた協会の宣伝力と求人力を低下させ、結果として協会所属のヒーローや職員のネオヒーローズへの移籍を促したことになる。そして、市民の称賛がS級に集中するというのは実力主義の負の側面を後押ししてしまうだけでなく、サイタマがそうだった様に、ヒーローのモチベーションを大きく下げることにもなりかねない。
とはいえ、恐るべき強さの凶悪な怪人達の出現頻度が上がってS級ヒーロー達でさえ力不足に陥っているような状況でそれ以下のヒーロー達が協会側から重視されず、世間からも注目されないのは当然と言えば当然の事であり、S級に人格に難があるヒーローが多いのは事実だがそれ以外のヒーロー達が全て人格に優れているのかと言われたら否である。
ガロウが最後に指摘したように、ランキングを気にする暇があるのならタンクトップマスターのように悔しさをバネに己を研磨するか、無免ライダーのように力不足を自覚しながらも小さな人助けなども積極的に行い無償で活動するのが真のヒーローと言えるだろう。