概要
1991年の東京メトロ南北線(当時は営団地下鉄南北線)開業に合わせて、同線向けに製造された通勤電車。車両形式は同世代車の「ゼロシリーズ」とは異なり、開業時に登場した車両という位置づけのため、「09系」とはならず「9000系」となった。
車体は05系をベースとしたが、開業時からワンマン運転を行う関係で、乗務員室は奥行きを深くとっている。
運用区間についてはホームグラウンドの東京メトロ南北線のほか、埼玉高速鉄道線、東京急行電鉄目黒線へも乗り入れ、東急線内は急行運用にも使われている。
第01・03・05・07編成
開業時は4両編成で運転していた南北線であったが、1996年の6両編成化に伴い、製造年度をそろえる目的で第02・04・06・08編成の中間車を抜いて組み込んだ。GTO素子によるVVVFインバータ制御で登場。車端部にクロスシートが付いているのは1991年開業時の1次車のみ。
第02・04・06・08編成
このグループも4両編成で登場したが、先述の通り1996年に中間車を提供し、新たに中間車(2次車)を新製して6両編成化されている。新規製造された中間車はIGBT素子によるVVVFインバータ制御。
第09~15編成
延伸開業に伴う増備分で、第09~13編成が2次車、第14・15編成が3次車。このグループ以降、製造時から6両編成で竣工している。IGBT素子によるVVVFインバータ制御。
第16~21編成
延伸開業に伴う増備分で、1999年~2000年にかけて製造された。4次車。3次車までの編成とは異なり、編成見直しにより中間車2両に搭載するモーターの数を減らし、「4M2T」から実質「3M3T」相当に変更された。IGBT素子によるVVVFインバータ制御。
第22・23編成
輸送力増強用として2009年に製造された。5次車。走行性能に変更がないが、車体は10000系をベースに、大幅な設計変更が行われた。モーター車の構成を変更したため3号車が完全トレーラー車となった。IGBT素子によるVVVFインバータ制御。
改修・リニューアル工事施行車
2016年から第15編成までを対象に改修・リニューアル工事を実施している。モーター車の構成は5次車に揃えて「4M2T」から「3M3T」にしたほか、車端部にクロスシートが付いている車両についてはロングシートまたはフリースペースに変更された。炭化ケイ素(SiC)素子によるVVVFインバータ制御。
8両化工事
今後、相鉄新横浜線運行開始に伴い、1次車(試作車)である第1編成~第8編成以外の全編成を対象に8両化が行われる予定。
大正は第9編成~第23編成。
1次車は相鉄新横浜線開通後は埼玉高速鉄道~南北線~目黒駅~日吉駅~新横浜駅までの運行にとどめ、第9編成~第23編成は相鉄線方面に直通予定。