CV:諏訪部順一(下記のリマスター版追加紹介の動画での配役。ちなみに、動画内でも指摘があるがリマスター版にボイスは無い)
概要
リージョン界の警察組織IRPOの隊員の1人。27歳、本名はロスター。
短気ですぐキレてしまう性格、そしてしばしば手がつけられなくなる事から上層部に「クレイジー・ヒューズ」の異名を付けられ、それがそのままコードネームとなって今に至る。
その容赦無いキレっぷりはゲーム内でも見られ、仲間のレンを殺した犯人を探していた際には、まだ充分に容疑の固まっていないエミリアを裁判すらないまま刑務所入りさせる程。
また捜査中に遭遇したレッドをとりあえず黙らせる為に思いっきりぶん殴る等、とにかく手段を選ばない。
(ただしエミリアの件に関しては、後述するリマスター版にて「事件に不可解な点がある」と感じ「ディスペアなら誰もエミリアに手出しを出来ない」と、真犯人がエミリアを狙う可能性を考慮して保護の為に敢えてそうした事が判明している)
しかし成果を上げていることも事実であり、ブラッククロスの武器密輸調査においては、証拠隠滅の為に密輸に利用されていたリージョンシップが襲撃される事を見ぬいて潜入していたり、手を引いていたシンディ・キャンベルの罪状を明らかにしたり等活躍した。
15歳の時、シュライクにおける少女失踪事件(アセルスがオルロワージュのリージョン馬車によって轢死させられた件)が発生したことに理不尽さを抱き、パトロールになることを決意。
良く見かける気がするがシナリオ上で強制的に参入するのはレッド編のキグナス襲撃時におけるゲストメンバーのみで、後のアラクーネ戦では彼無しでもクリア出来る。
レッド編以外ではIRPOに常駐しており、秘術の資質を求めるものに厄介な試練を与えてくる。
本来彼はIRPOを中心としたシナリオの主人公として企画されたキャラクターなのだが、納期の都合もあり御蔵入りした経緯がある。
公式攻略本の「裏解体真書」では、本来8人目の主人公になるはずだったヒューズを他の主人公達の主要イベント(主にラスボス戦)に無理矢理絡ませて一つのシナリオとして強引に総括するという破天荒な内容の小説が掲載されて人気を博し、これを元にアンサガのルビィ編が作られたという。
彼が主人公になっていたら作られなかったであろうことは、中々の皮肉とも塞翁が馬とも言えよう。
そして時は流れ、リマスター版に主人公として追加されることが明らかになった。
シナリオ執筆は河津氏および下記の派生作を執筆してきたベニー松山氏の協力。後者はこれまでの執筆経験がいよいよ「原作」で発揮されることになる。
初期の7人の内、どれか一人のシナリオをクリア後にクリアしたキャラに応じたヒューズのストーリーが遊べる。
複数の主人公をクリアした後にヒューズ編を選んだ場合は無作為に選出されるものの、全ての主人公でヒューズ編をクリアすると、最初にどの主人公をメインとするか選ぶことが出来る。
選んだ各主人公のシナリオをダイジェストの形で進むため、本来登場するはずのキャラクターが仲間に出来なかったり、勝手にLPが減るアイテムを入手してしまったり、術の資質が手に入らなかったりする。
また、ヒューズ編ではラスボスこそ同じものの、各シナリオの展開が各主人公でクリアした際の結末と異なる。
大体は未来への展望のあるエンディングになり、明るく締め括られる話が多い。
ただし、これはあくまでもヒューズ編における展開であって、各主人公で進めてきた展開との平行世界と言える(そうじゃないと話がおかしくなる主人公もいる)。
PVにある「悪人どもは、全員逮捕だ!」の言葉通り、大きな犯罪に関わった者を小悪党から大物まで「逮捕」してみせ、刑事としての本領を発揮している。
能力
IRPO隊員標準装備であるハンドブラスターのほか、自己回復の「克己」を使える心術の心得がある。
グラディウスのクーロン支部長であるルーファスも同様に心術を会得しているが、実は二人はかつて心術の修行場で同じ釜の飯を食った仲で、資質を会得した後にヒューズは警察組織のIRPO、ルーファスは秘密組織のグラディウスとそれぞれ異なる道を歩むことになったが、事件が起こる度に腐れ縁で協力したり敵対したりを繰り返しているとのこと(裏解体真書p.226の河津ディレクターのインタビューより抜粋)。
ただし得意なのは打撃系の体術で、ボコボコ殴っていた方が強い。「どつきまわす」が良く似合う。
STRとWILの成長率が高く、体術だけでなく銃を使わせても強い。
体術の閃き適正が多いのだが、DSCの構成技の閃き適正が少ないのが痛い。強敵を利用して何とか粘りたいところ。
あまり似合っていないものの実は隠れた剣の実力者であり、序盤から終盤まで使える技に満遍なく適正がある。
最強技の無月散水と、その派生元となる燕返し・濁流剣に適正を持っているのは大きな利点。
サガフロンティア裏解体新書(クレイジー捜査日誌)
「8人目の主人公になりそこねた男」というキャッチコピーでベニー松山氏が執筆した巻頭小説。ヒューズ編が実装されていたらどうなっていたかというコンセプトをベースに、独自のテイストを加えたもの。
コメディタッチ寄りの方向性でキャラ崩壊も時折ある中、波乱万丈な毎日を送りながら、やがてリージョン世界に迫る陰謀を覆す戦いへと発展していく。
本作のヒューズは拳銃の名手という設定になっており、本気を出す際はリーサルドラグーンとベヒーモスの二丁拳銃を使う。
インペリアルサガ/同エクリプス
原作同様にIRPOのメンバーとして登場。
捜査の腕を買われ、闇ルートではアセルスからヴァジュイールの行方を捜すよう依頼される。
本領発揮するのは、上記の裏解体新書の小説を本作の世界観に落とし込んだ「キューブルート」である。公式でこのルートの主役は彼であることが明示されており、こちらでもシナリオを執筆しているベニー松山氏が本人のtwitterで「書きたかったシナリオ」と言っていることから、形こそ変われヒューズ編が実現したと考えていいだろう。実際、物語を追いかけた末に待っているのはサガフロ1に登場したラスボスたちであり、これも当初想定していた原作でのヒューズ編の内容と合致し、サガフロ1リマスターにおけるエピソードと重なる部分も多い。
原作の世界ではトリニティ政府の最重要機密とされていたエネルギー体「キューブ」を悪用されないよう捜査を進める。キューブの行方を捜す内容は、彼がもっとも得意とする「捜査」が十全に発揮され、行動力・思い切りの良さ・勘の良さも合わさり、キューブにとっては天敵。
『エクリプス』の過去エピソードによると、誰にも気づかれない手段で観測をしていた使徒リベルの存在さえ察知していたらしい。
これは、現場に出れば超人的な直感がはたらき、いかなる工作も跳ね除けて事件の本質に切り込んでいく超人的な第六感がある反面、出動していない時は常人にも及ばない短絡的な判断ミスを連発して冤罪を大量に製造してしまうトラブルメーカーという二面性を持つため。これが、キューブルートで主役を張れる割にエミリアに対する誤認逮捕などの理不尽な仕打ちを起こしたことに対する独自の解釈となっている。
ヌサカーン曰く「事件を食って生きている」とのこと。そのためワーカホリックの疑いがあるらしく、妙に要領の良いオンとオフの切り替えができるのも、その実、いつでも仕事に出られるよう休める時に確実に休むというリズムを感覚で体得しているのためだとか。
しかし、エミリアの変装テクニックによる技能を真似して、探偵の格好をして推理をやってみるなどの「形から入るなりきり」を試みた時は、現場であっても持ち前のカンが発揮されず、取調べと同じ冤罪製造へと辿り着いてしまった。
なお、上記の裏解体新書の小説と同じ執筆者が物語を書いているため、この小説をベースにした人物関係が、本作では特にヒューズ周りにかなり多い。さすがにコメディタッチのキャラ崩壊はほとんど見られないが、裏解体新書と本作の共通項は以下の通り色々とある。
- レッド - 本来内密にすべきアルカイザーへの変身能力に気づかれているが、ヒューズも事情を察して厳密に黙っている。
- ドール - 結婚願望があるぐらいに惚れている相手だが、その距離は到底近づきそうにはない。
- サイレンス - 無口な彼が何を発言しているかはジェスチャーで判断している。
- 朱雀 - ムスペルニブルで受けた凍結を解凍してもらった恩義から、IRPOの隊員になっている。
- 済王 - 現代社会に適応させてもらったヒューズとはかなり親しく、腹を割って話せる仲。
- ヌサカーン - 小説では彼の難題をいつの間にか押し付けられ、本作では度重なる協力の見返りに借りができてしまっている腐れ縁。
- モンド - 本来IRPOの身分では到底太刀打ちできない切れ者中の切れ者。しかしヒューズの捜査は、やがて嫌でも対峙する運命にある。
- リュート - 殺人音波レベルの音痴だが、それを活用できる時があることをヒューズは直感でわかっている。