概要
ジオン公国軍の宇宙戦用試作型モビルアーマー。パイロットはデミトリー。
大口を開けたピエロ風の顔のような外見が特徴。
当時のMAとしては小型。
2本のヒートナタ、口のような部位に仕込まれた拡散ビーム砲、両脇あたりに4連装ミサイルランチャーを装備。
高い推力を活かした一撃離脱戦を主眼に置いて開発されていたが、機動性が悪かったため開発途中で廃棄が決定された。先に登場したビグロ以前に開発された機体と言われ、これのコンセプト自体はそのビグロに受け継がれていると思われる。
黄色のペイントと複眼型カメラのせいで奇抜な印象を受けるが、本体・推進装置・マニピュレーターとそれぞれが独立した非常にシンプルな構造をしており、実際の兵器としてのリアリティは他のMSやMAより見方にもよるが高いと言える。
このモンスターじみたデザインは後年のガンダム作品に参加したデザイナーによるリファインが施される際にも解釈が分かれており、出渕裕氏デザインのものは目をペイントと解釈し上部にモノアイレールが設けられ、カトキハジメ氏デザインのものはライン状のセンサーが2本連なることでひとつの目を形成するようにデザインされている。
ビグロに乗ってガンダムに敗れたトクワンの部下で本機のテストパイロットのデミトリーがトクワンの仇討ちのために独断でこれに乗って出撃。迎え撃ったガンタンクおよびMA形態のガンダムをその優れたスピードで翻弄して何度かダメージを与えるが、すぐにアムロに動きを読まれ、すれ違いざまにビームサーベルをボディに突き立てられてデミトリーもろとも爆散した。
ブラレロ
形式番号MAN-00X-2メカニックデザイン企画『MSV-R』で新たに設定されたザクレロ後期試作型をベースに改造されたニュータイプ用試作機。後期試作型の特徴として拡散メガ粒子砲の砲口にはシャッターが設けられている。
機体後部にブラウ・ブロのそれを小型化改良する形で開発された有線式ビーム砲を装備している他、ヒートナタも有線式で射出後にサイコミュにより遠隔操縦できるようになっている。
戦争末期に実戦投入されたとされているが詳細な記録は無い。
ウムガルナ
小説『機動戦士ガンダム ブレイジングシャドウ』に登場した発展機。高速巡航モードから各種武器や装甲が展開しザクレロの顔が露わになった戦闘モードへの変形機構を有している(顔はカトキ版に近い)。更にミサイルポッドを内蔵した尾部コンテナを装備可能であり、その姿は大蛇を彷彿とさせる。
他媒体での活躍
THE ORIGIN
「THE ORIGIN」では量産MAとして正式採用されており、ソロモン宙域に多数配備されている。
デザインも少々変更されているが、ディテールが増やされ拡散メガ粒子砲の砲口にシャッターが追加された程度。
また、本作で登場したジオン軍の爆撃機は機首がザクレロの顔と酷似したデザインとなっている。
Gの影忍
「Gの影忍」では、戦いの虚しさに気付き世捨て人となった元兵士が搭乗し、両腕の鎌を換装したノミを用いて小惑星に仏像を彫っていた。
ガンプラビルダーズ
ガンプラビルダーズでは、選手権に出場したガンプラとして登場。口内にザクⅡを収納して上部にIフィールドとメガ粒子砲を備えており、まさにジオン版デンドロビウムといった姿であった。
伝説の大将軍編
うっかりざくれろとして初のBB戦士化。詳細は該当記事を参照の事。
その他
その特徴的な外見により、SDガンダムでの登場頻度は高い。
また最近では滑稽な外見とは裏腹に至極真面目な人物(?)として描かれることも。
欠陥兵器?
公式で「欠陥兵器」とされる本機だが、肝心の欠陥理由が年々で変更され定まっていない。
初期では前述の通り「機動性の悪さ」とされるが、現在では「武装の拡散ビーム砲の威力不足」とする書籍も存在する。
恐らく、劇中でガンダムを追い詰める機動力を見せた事で、その設定では無理があると判断された為だろうか?