概要
現実世界とは異なるオンラインの三次元空間で、参加する人々がアバターと言われる仮想のキャラクターを通じて交流する。基本的には現実世界とは区別された仮想現実世界であるが、複合現実(MR)や拡張現実(AR)といった形で現実世界と関わりを持ちながら展開するメタバースも提唱されている。商業取引や広告宣伝のプラットフォームとしても利用される。
もともとはニール・スティーヴンスン原作のポスト・サイバーパンク小説『スノウ・クラッシュ』に登場する架空の仮想空間サービスの呼称。同作は、主人公が剣士のアバターを使って「スノークラッシュ」というコンピュータウイルスをめぐる謎解きに挑むというもので、お察しの通り同作はMMORPGのコンセプトの祖でもある。1997年の『ウルティマオンライン』の成功以来、MMORPGとメタバースの概念の違いは度々議論になっている。
ブロードバンドインターネット接続が普及し始めた2000年代前半から「セカンドライフ」などメタバースを標榜するサービスが発生しているが、コンセプトが曖昧すぎたためかMMORPGの流行に押されたためか、定着する前に死語になってしまった。2010年代後半ごろからスマートフォンやゲーム機の性能向上、ヘッドマウントディスプレイの軽量化・低価格化などにより「メタバース」の概念が再提唱され、定着しはじめている。