ファンゴ(金色のガッシュ!!)
ふぁんご
容姿
燃えるように逆立った橙色の髪と、額の日輪のような紋章が特徴の少年。瞳も橙色で、人型の魔物の特徴でもある目の下のラインは二つに枝分かれしている。
服装はオレンジ色を基調とした中華風のもので、背丈は小さくウォンレイの腰ぐらい。
その眼差しはやや鋭いながらも、ある少年によく似た真っ直ぐな光を宿している。
後述する「ゴデュファの契約」後は非常に凶悪な目つきとなり、服装もややシャープなデザインとなった。また、常に二つの光輪が周囲を浮遊している。
性格
一人称は「オレ」。二人称は「お前」。尊大な語調が多い。
『魔界の王になる』という大きな野心を抱えてはいるものの、敵側の中ではかなりまともな考え方の持ち主。物事の先まで思案できる冷静さを持っており、リオウのファウード復活に力を貸したのも、復活後にその力を奪い、より確実に戦いを勝ち抜くためだった。
そして他の魔物たちと手を組むことも視野に入れており、リオウの呪いにより止む無くファウードに居たウォンレイにも、リオウを倒すまでの一時的な協力を仰いだ。その作戦も決して利己的なものではなく、その場の全員が平等に王を目指すための最善策であった。その真っ直ぐな姿勢と人格は、後に敵対することになるリィエンでさえもある程度認めざるを得ない程のものだった。
上記の通り決して悪人ではないのだが、ゼオンに唆された「ゴデュファの契約」によって性格が一変。強大な力を得たのと引き換えに、共闘するザルチムにも平気で呪文をぶつけたり、リーヤ・アリシエと決着を着けようとするザルチムの邪魔をする等、自らの力に溺れる非道漢へとなり果ててしまった。
呪文
その容姿や呼び名からもわかる通り、非常に強力な炎の呪文を数多く有する。特にその威力は「ゴデュファの契約」によってさらに強化され、リーヤとウマゴンの盾を一撃で破壊するほど。
- カービング・ガデュウ
光輪を回転させ、炎のビームを放射する。
- ウォル・ガデュン
光輪から炎の壁を放出する。
- オルディ・ガデュウ
光輪から敵を追尾する炎弾を放つ。
- リオル・ガデュウガ
それぞれの光輪から直線の炎を放射する。曰く「中級呪文」。
- ロンド・ガデュウ
光輪を並べ、そこから炎の鞭を放つ。
- ディオ・ガデュウガ
光輪を並べ、巨大な炎弾を放つ。
- ガデュウセン
光輪を重ね合わせ、真っ直ぐに炎弾を発射する。
- アルセム・ガデュウドン
ファンゴの最大呪文。光輪を高速回転させ、巨大な炎のビームを放射する。
動向
突如人間界に現れた巨大な魔物・ファウード復活のため、それを操る術を持つリオウに協力する魔物の一体として登場。ファウード復活後はその力を奪おうと画策していた。
そして紆余曲折あってファウードは復活するが、その強大な力を目の当たりにし、機会が来るまで一時的にリオウの配下に加わる。その後ファウードの支配権がゼオンに移ると、彼を倒す力を得るために「ゴデュファの契約」を受け入れる。しかしそれによってゼオンに逆らうことはできなくなり、更にもとの性格とはかけ離れた非道な人格に変貌する。
ファウードが日本に向けて侵攻を始めると、ファウードを守るためにザルチムと共にリーヤ・ウマゴン達と交戦する。その圧倒的な火力で相手を追い詰めるが、チームプレーのかけらもない戦術により次第に形勢は逆転。最後はリーヤの最大術に対する盾としてザルチムに利用されるという、なんとも虚しい結末となった。
残念ながら彼本来の性格をガッシュ一行が知ることはほとんどなかった。しかしリィエンの説明によって本来の性格については伝聞されており、彼自身の名誉が傷つくことはなかった。
そして彼の存在により、「ゴデュファの契約」がいかに恐ろしいものかがガッシュたちに伝わることとなった。
余談
原作単行本一巻のおまけページによると、彼のデザインは元々ガッシュの初期案の一つであったらしく、初期案ではガッシュは炎使いである予定もあった。彼が敵側でありながら主人公ともとれる外見なのはこのため。
それにしてもバーゴ然り(彼の場合悪いのは全て本の持ち主のフリトなんだが)、ゾフィス然り(こちらはココが一方的な被害者と、バーゴとは事情が逆である)、ガッシュにおける炎の専門家は敵役として板についてしまったのは、いったい何の皮肉なんだろうか?
※ウマゴンは付加的に炎属性が付いてきた形であり、専門家ではないとみなして除外。
そして声を担当した吉田小南美氏は、主人公・ガッシュの担当声優である大谷育江氏の代役として、一時期ガッシュの声を担当した。
また、本の色・ゼラニウムとは、その花由来の名であるが、色としては一部の画材メーカーで、既存のセットの組み合わせに入っているスタンダードな赤として扱われている。
ガッシュの赤と比較すると、ガッシュはビビッドトーンに対し、ファンゴはブライトトーンの赤と言ったところである。