概要
人権とは、人間としての権利の中で人が生まれながらに持っているとされる社会的権利(自然権)のこと。生存権・自由権・財産権などがあげられる。
解説
国家に力がない昔の社会では、強い者が弱い者の権利を侵害し放題であり、弱肉強食の過酷な社会となることがしばしばだった(戦国時代の日本を思い浮かべれば良い)。やや時代が進んで実行力のある政府が生まれ、江戸時代のような平和な世の中となっても世は身分制社会であり、身分の低い者の権利はないがしろにされるなど差別が激しかった。
近代になって自由主義や身分制の否定とともに人権思想が生まれ、紆余曲折を経て現在は憲法で人権が全ての人間に保障されている。犯罪者に人権はないと言われることがあるが、法的には正しくない。
近代的法秩序が崩壊し、人権が保障されない無政府状態となった世の中(ソマリアなど)は、「リアル北斗の拳」「修羅の国」などと言われることがある。
転じて
ソシャゲなどにおいて、『誰しもが持つ人権のように持っていて当たり前』なキャラクターやアイテムを指す言葉でもある。主にレアリティが高く、環境で当たり前に見られるものを言う。
見方によっては『持ってないと(攻略難易度や話題的な意味での)人権がない』という意味でもあるし、人権無視レベルでプレイヤーに酷使されているキャラクターとも解釈できる。
コンシューマーゲームでの同義語は『厨ポケ』(ポケモン)など。
主に人権キャラとされる特徴は以下の通りである。
- ステータスが高い
- シンプルに攻撃力が単純に馬鹿高く、他のキャラクターとの噛み合わせがいい。
- デバフやバフが優秀すぎる
- 必殺技発動までのスパンを短くするものはなお、有り難がられる。
- レアリティに相応しい固有能力を持つ
- サポーターとしても優秀だが、攻めに転じる事もできる
- いるだけで環境を一変させかねない
- もうアイツ一人でいいんじゃないかなと言わんばかりのチート性能
「ゴジライン」サイトにある用語集によると、「ゲームメディアなどではライン越えの表現となるため使いにくい」。そこで「jinken(じんけん)」とローマ字表記にして柔らかくする試みがなされたが、某ゲームメディアでは掲載拒否されたという。
このように、あくまでゲーマー界隈のスラングであるため、一般人相手にこの用法をぶっぱすればドン引きは必至である。
2022年2月、プロゲーマー・たぬかなが「(身長が)170ないと、正直、人権ないんで。170センチない方は『俺って人権ないんだ』って思いながら、生きていって下さい」とライブ配信で発言し、スポンサーから契約を切られた(「170cmない男は人権なし」人気プロゲーマー暴言で契約解除)。
彼女の場合、自身も誹謗中傷に悩まされ、容姿への侮辱など女性プレイヤーが被る女性蔑視、女性差別に反対の声をあげてもいた(たぬかなが困惑する「無敵の人」。女性ゲーマーの芽を摘む「容姿への侮辱」がネット上に作り上げられている)。しかし、この発言と矛盾した特定の身体的特徴への否定発言は強い批難を浴びる形となった(プロゲーマーたぬかな、所属チームが契約解除を発表 「差別的な言動許されない」)。
今回の件がきっかけとなり、たぬかな選手と同じく「CYCLOPS athlete gaming」に所属していたコバトン選手もTwitterにおける「池沼」「ガイジ」「ホモ」といった過去の差別発言が発掘され、契約を切られる形に(CYCLOPS athlete gaming、たぬかな選手に続いて「Kbaton」選手との契約解除を発表 過去の“差別用語スラング”発言で物議)。