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概要
漢字表記は「羆」「棕熊」。
頭胴長1.8~2.8m、体重500~700㎏に達する。体は褐色・赤褐色からほとんど黒色まで変化に富み、「ブラウンベアー」とも呼ばれる。また、特に北米部に住む灰色がかった毛色のヒグマを指して「グリズリー」と呼ぶ。
ヨーロッパからシベリア・アラスカまで広く分布し、日本には北海道に最小亜種であるエゾヒグマがいる。食性は、動物質から植物質まで様々な餌を食べる雑食性。昆虫や腐敗した死肉もよく食べる。ずんぐりとした体型のため長距離走は苦手で、シカやトナカイを待ち伏せて襲ったり、川をさかのぼるサケ・マスを捕食したり、オオカミから獲物を横取りしたり...といった狩りを行う。稀には共食いをすることもある。
シベリアでは、シベリアンタイガー(ベアーと体長は同じくらいだが、体重は半分程度軽い)が天敵とされる。が、シベリアンタイガーの獲物を横取りしたり、襲ってくるタイガーを返り討ちにする例もある。
中国奥地に住むチベットヒグマはその走り方から「ウマグマ」とも呼ばれる。
基本的にヒグマは森林や高山、砂漠、海岸等、食べ物を得られる場所ならどんな環境にでも棲むが、海外のヒグマは都市部周辺に出没することはなく、人里離れたところに生きている。が、最近では北欧の一部などヒグマやオオカミが人馴れしてきた地域もあり、至近距離で共存している地域もある。広大な縄張りを持ち、単独生活を行う。
野生下では単独行動が基本であるが、「クマ牧場」のような環境で集団飼育した場合はボスが出来て他のクマをまとめ上げることがある。
獲物に対する執着と所有の習性があり、一度クマに取られた荷物等を奪い返すと取り返すべく執拗に追ってくる。この事を知らずに起こった悲劇もある。この習性は被害にあった人間の遺体も例外でなく、一度人の味を覚えたクマは人間を「食料」として狙うようになるため、大変危険な存在となる。
よってクマが出没する地域に安易に足を踏み入れてはいけない。
仮に自分は襲われて死んでもいいなどと思っていたとしても、その結果更なる犠牲者が出るからである。
その能力と日本での対処
圧倒的な身体スペックを持ち、人類文明の開発した武器・兵器のほとんどが単独では通用しない本物のモンスター。
- 全力疾走時の速度は条件次第では時速60kmにも達する。徒歩は当然として、中途半端な乗り物でも逃げられない。車で山の獣道をクマから逃げながら60km/hで走れるかどうか想像してみてほしい。
- 前足の力は凄まじく、更に巨大で強力な爪を持つ。近接戦に持ち込まれればパンチの一撃で人間の首が飛ぶ(比喩ではない)。
- 強力な顎と牙も持ち、人間の骨などコーンフレークの如くかみ砕いてしまう。
- 並の猟銃を一発二発受けた程度ではびくともしない。頭を狙っても大抵は頭蓋骨で弾が止まる。拳銃程度では護身用としても心許ない。
- 麻酔銃も皮膚と脂肪の厚さと図体のデカさのおかげでまず刺さりづらく、仮に刺さったとしても麻酔が回り無力化するまでに相当な時間を要するため、緊急時の麻酔の有用性は限りなくゼロに近い。襲いかかってきたクマを麻酔銃で撃っても、効く頃には射手は人間の姿を留めていないだろう。
- 確実に仕留めるには少なくとも軍用ライフル、可能ならば対物ライフルを持ち出す必要がある。
- 日本で個人が携行可能な火器、かつ一対一で無力化させるには肩に散弾を複数発打ち込み前肢を使用不能にするしかないが、散弾の射程に入った時点でヒグマにとっても近接戦の間合いになるため、プロの猟師でも命の保証はない。
以上の特徴から、日本では警察の持つ火力程度では対処不能、自衛隊は法制上の縛りで動ける場所や状況が極めて限られるため、猟友会くらいしか即時対処ができない。
しかしその猟友会が行政や警察の要請を受けて出動し、命をかけて住民の危機に対処しようとしているにもかかわらず、周辺住宅の安全や自然保護という「今ここにある人命の危機」に対してあまりにも的外れかつ不理解な非難や措置が跡を絶たず、結果、近年はヒグマが人里に出ても猟友会は出動要請を蹴る事がほとんどになったという。
※一例を挙げると、出動要請を受け警察官立ち合いの下ヒグマを撃った猟師が銃刀法違反で起訴される等が発生している。そりゃ出動できるわけねーだろ…
主な亜種
現存亜種
絶滅亜種
- カムチャッカオオヒグマ
- カリフォルニアハイイログマ
- アトラスヒグマ
関連イラスト
関連タグ
ヴォイテク(実在したポーランド軍の兵士のヒグマ)