概要
治安警察の平巡査だったが、色に狂ってサイボーグ犬・バベンスキーを助けたのがきっかけで、日本を支配するゲノム党の政策に疑念を抱き、仮想世界での恋人だった「志乃」と出会うべく警察を抜け、志乃のいる北海道を目指して旅に出た。
大の時代劇好きで、『るろうに剣心』をはじめとする大戦前の剣術漫画を愛読している。
連載開始時は暇さえあればオナニーに興じるほどスケベだったが、志乃との4年間に渡る交流で彼女が現実に存在する女性かもしれないという不安を抱き、自慰でしか勃起できない体質になってしまった。
しかし、志乃の正体が仮想空間を管理するスーパーコンピューター「飛鳥」のシステムエンジニア・小松ユリカであったことや、その過去のトラウマを知り、全てを受け入れたことでインポを克服する。
極めてスケベでだらしのない性格であるが、頭の回転はかなり速く、卓越した戦術眼と凄まじいまでの戦闘力、体力、運動神経を持つ。
など、こと戦闘においては超人的な技能を発揮する上、爆発物や戦闘機・戦車などの兵器にも造詣が深く、見ただけでその機能を100%使いこなせる。勿論、徒手格闘能力もずば抜けて高い。
戦いの中でかつての冷酷・残忍・狂気的な人格が目を覚ますことがあり、そのことを志乃=ユリカに知られることを恐れている。ある日、身体を洗っていた際には殺人者として血に染まりきったその手でいつか彼女を抱きしめることを悲観かつ葛藤し、涙した。
しかし、その光景を目にしたバベンスキーは、狂四郎が「狂気の殺人マシーン」ではなく、心を持った一人の人間であることを悟っている。
経歴
狂四郎はM型遺伝子異常者であった。ゲノム党が国民を監視するためにでっち上げたこの「由来」により、幼くして狂四郎は両親から引き離され、関東厚生病院に収監された。
しかし、この関東厚生病院の実態は病院とは名ばかりの少年兵訓練所であり、外観からして要塞もしくは軍事施設にしか見えない過酷な場所であった。
地獄のような訓練を受けさせられ、日常生活の中でさえ命を狙われ続けた狂四郎は、14歳の若さで空軍少年航空隊に入隊。第三次世界大戦においては戦闘機600機撃墜、爆撃参加、特殊車両900台破損という戦績を残したが、その中で犯した数限りない殺人は確実に幼い狂四郎の精神を蝕んでいた。
やがて狂四郎はMA(陸軍特殊部隊)に配属され、無関係の女子供に至るまで殺すことを命じられた。
こうして廃人同然となった狂四郎だったが、終戦に伴い軍を抜ける。遺伝子異常故に、狂四郎はその化け物のような戦績をもってしても加点されることなく単なる平巡査に島流しにされ、しかも一番過酷な敗残兵狩りの任務を仰せつかることとなった。
何もない荒野で敵を探しては殺すというルーチンワークを続けていた狂四郎にとって、限られた国民にしか配布されない「バーチャマシン」は唯一の癒しであった。しかし彼は、志乃と出会うまで一切性行為を行わず、時代劇ソフトで夢の中でも戦いに明け暮れていた。
普通のユーザーであれば、バーチャマシンは俺TUEEEEの現実逃避に浸るための装置に過ぎなかったのだが、狂四郎は戦いのソフトを選び続けることで着実に「生き残るための技」を身に着け、それが仕事上襲い掛かってくる敵との戦いに一役買っていた(狂四郎世界においては銃火器の保持は軍人であっても厳罰にあたるので、原始的な武器での戦闘が一般化している)。
ユリカによると、何でも体験できる夢の装置でありながら、多くの男たちがバーチャマシンを性処理目的で使うのに対し、剣の腕を磨くために使っている狂四郎は珍しかったらしい。
ちなみにこのマシン、真の存在意義は「生殖本能」を機械で解消させて「ゆるやかな種の絶滅」に導くことである。その背景にある「男女隔離政策」と合わせ、言うならば選ばれた優性者のみが繁栄するための手段なのであった。
そして、生まれながらにして烙印を押された「M型遺伝子異常」には、かつての陰謀によって隠蔽された真実がある事を狂四郎含む「M型遺伝子異常者」は知る由もない…。
余談
名前の由来はもちろん眠狂四郎である。
しかし最近、作者の弟子が描いてる漫画に「居眠り狂死郎」という敵キャラが登場している。
関連項目
おかわりもいいぞ!:作中で受けた過酷な訓練を端的に表したシーン。
ハンス・ウルリッヒ・ルーデル:たぶん戦績のモデル。